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松静自然 -太極拳導引が教えてくれるもの-

松静自然とは落ち着いた精神情緒とリラックスした身体の状態をいい、太極拳導引の基本要求でもあります。これがまた奥深く…

優しい時間

2005-03-01 | 日常雑記-暮らしの逸話(エピソード)-
現在CX系列で放映中のTVドラマ「優しい時間」を
毎週欠かさず見ています。

子供の頃から時間というものに興味がありました。
同じ時を刻んでいるはずの時の流れが、
人によって、あるいは状況によって、
感じ方がいろいろに変化するのを
おもしろく思っていました。

時の流れに優しさというニュアンスが加わったのは
オトナになってからだと思います。
簡単に言ってしまえば、
心底傷つくということを知ってからでしょうか。
外傷とは違ってこころの傷というのは
癒えるまでじっと待つとか、
自分で自分の傷をなめて治すような、
ちょっと原始的で自然にまかすような感じがします。

いわゆるケガの傷にしてもこころの傷にしても
癒えるまでに要する時間というのが、
私は嫌いではありません。
傷口の手当てをする度に
優しい気持ちになっている自分が
好きなのかもしれません。
あの独特の気持ちは何なんでしょうか。
無抵抗なまでに弱い自分をさらけ出していることの
清々しさなのでしょうか。
ま、こころの傷の方になると、
そこまで無抵抗にはなれないことの方が多いですけれど。

そしてもうひとつの重要な点は独りであること。
傷の手当ては独りでするものですね。
誰かがそばにいては
自分に優しくなれないような気がします。
少なくとも私は自分に優しくするところを
他人には見せられない、見せてはいけないような気がします。
独りで密かに行うものだと思っています。

 
そもそも時間に優しいとか優しくないとか
そういう基準(といっていいものなのかしらん)が
あるのかどうか。
時間は人間の思惑とは無関係に流れています。
生き物はいのちを得た瞬間から
死に向かっていくものです。
寿命という限られた時間はとどまることも、
引き返すことも許してくれません。
ただひたすらに流れていくだけです。
時間が優しいのではなくて、
人が穏やかで優しい状態にあるときに
時間を優しく感じられるということなのでしょう。
そして自分を思い、誰かのために
思いをかけるひとときが、
さらに豊かにしてくれるのかなと思います。

こころが痩せてしまわぬように、
一日にほんの少しでも
こういう時間を持ちたいなとぼんやり考えています。