松静自然 -太極拳導引が教えてくれるもの-

松静自然とは落ち着いた精神情緒とリラックスした身体の状態をいい、太極拳導引の基本要求でもあります。これがまた奥深く…

練習メモ_導引三調04

2015-04-12 | 行雲流水-日日是太極拳導引-
新カリキュラム実施から1ヶ月が過ぎた。
専科の練習内容は
いまのところ動作解説が中心となっている。

三調を目的とする練習は
各自の理解位置がそれぞれなので
基本練習の繰り返しとなっていくかと思う。
理解位置とは理解を深める段階、ステップのなかで
それぞれの現在位置が異なっているという意味。
理解の程度が足りないとか
ペースが遅いというようなことではない。
したがって具体的に何を練習しているかは
理解の位置に応じて各自違ってくる。
たとえば、毎回取り上げる動作が異なることで
毎回違うこと(=新しいこと)を練習していると
思う人もいれば、同じことをやっていると
認識している人もいるわけだ。
その位置ごとの理解を深めることが次へとつながる。
これも自然の流れなので、それはそれでいいのだ。
良し悪しの問題ではない。


練習している動作は毎回違うが
アプローチはすべて一貫している。
重心、部位、方向。なぜこの3つなのか。
自分のいまの状態に気づきやすいからじゃないか。

三調は心と呼吸と身体からととのえることだが
それにはいまの状態を知ること体感できる、
現状をありのままに感じることが必要だろう。
(調子の良し悪しの判定ではない)

重心、部位、方向という項目は
とくに身体の動き方のチェックポイントとしては
観察しやすく気づきやすいのではないか。

重心のありかを意識しながら動きを観察する。
特定の部分を意識しながら動きの状態を観察する。
方向を意識しながら動きを観察する。
このように、いちいち意識的に動くことは
手間ヒマかける面倒なことでもあり
中には苦痛に感じる人もいるかもしれない。
でも、こうして手間ヒマかけることが
気づきを促す観察なのかなとも思うこの頃。
観察できる状態というのは
対象を客観視できることであり
冷静な集中状態にあることなのかなとも思う。

身体の使い方やものの見方、考え方にもクセがある。
クセは習慣化した潜在化した無意識化したもの。
各人各様の固有な仕様(個性)となるのだけれど
それでもある程度の共通した様態というものがある。
そういう要素を凝縮させたものが基礎・基本なのかも。
自分の動き方などを
基礎・基本という眼差しを介して観察してみる。
そこから何を感じたか。実践検証だろうな。

基本練習の繰り返しが続くとしたら
それは本流につながる流れだと思って間違いない。