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松静自然 -太極拳導引が教えてくれるもの-

松静自然とは落ち着いた精神情緒とリラックスした身体の状態をいい、太極拳導引の基本要求でもあります。これがまた奥深く…

体が備えている治癒力を信じる手あて術【頭蓋仙骨療法ワークショップ】

2011-12-09 | からだの風景-みる・さわる・かんじる-
先日、頭蓋仙骨療法の一日セミナーに参加してきました。
頭蓋仙骨療法とはクレニオ(クラニオ)セイクラルセラピー
(Craniosacral therapy)と呼ばれる手技療法のことです。

頭蓋(トウガイ)は頭蓋骨で、
仙骨(センコツ)は骨盤の中央で背骨を支えている
▽の形をしている部分をいいます。
脳内と首から骨盤(仙骨)までの脊柱の中を
中枢神経が通っています。
中枢神経は硬膜という膜に包まれていています。
硬膜は一本の管のようになっていて
その中は脳脊髄液で満たされています。


頭蓋仙骨療法は手で体に触れて
体の表層から深層へとアプローチしながら
脳脊髄液の流れがととのってくるのを待ちます。
ですから外見上は横たわっている人の体に
そっと手で触れているだけにしか見えないかもしれません。

しかし実際にその触れ方を学んでみると
思いのほか繊細な体の使い方を要求されることがわかります。
施術側の心身の状態が穏やかで呼吸も静かで深い状態にあると
身のこなしも自然と落ち着いて緩やかになります。
それはまさに「てあて(手当て)」そのもの。
道具は使いません。
やさしくデリケートなタッチングによって
身体のこわばりが解きほぐされて
自然に身体がととのってきます。
身体が軽くなった、スッキリした、
ポカポカしてきたなどなど。
人によっていろいろな変化がでてくるようです。

では、なぜそのような変化がでてくるのでしょうか。
クレニオ(クラニオ)はソフトタッチングを用いて
身体のこわばりを表層部から深層部へと
ゆっくりと解きほぐしていきます。
硬膜を圧迫していた
周辺の筋膜の緊張や強ばりがゆるみ出せば
硬膜内を流れる脳脊髄液の循環もよくなります。
そうすれば自律神経も安定して
自然治癒力もよく働くようになります。
そうやって全身の流れが少しずつ整えられていくことで
全身に宿っていた不調感が改善されるというわけです。


確かに、これまで体験してきた太極拳導引や指鍼整体、
アレクサンダーテクニークなどにしても
身体は全体でひとつと思った方が腑に落ちるようなことが
少なくないような気がします。

しかしそのように思いながらも実際は
問題を抱えている部分に
どうしても意識が集中してしまいがち。
繋がりでみていく意識がもう少しあってもよいなぁと
改めて気づかせてもらいました。
そしてまた、これまで縁のなかった
助産師さんとその仕事について、
認識を新たにすることができたのもよかったです。
なかなかに興味深く楽しい時間でした。