実話怪談「4枚の抽象画」その2

その1から続く
突然の話しにFさんは、驚くしかなかった。
なにより驚いたのが、その事故の内容だった。山道を自転車で走っていて崖から転落死したのだという。
だが、そのバイト仲間は市街地に住んでいて、その死亡した場所は同じ県内だが、遠く離れていて、とても自転車で行くような距離ではなかった。それに乗っていた自転車も今でいうママチャリのようなもので、また死んだ友人は自転車で峠道を走ることを趣味にしていたわけでもなかった。
それから1週間ほど経ったころ、沈んだ気持ちのまま過ごすFさんの元に、再び訃報が届いた。
Fさんのサークルの友人が、高速道路を車で走行中に壁に激突して死亡したとのことだった。その死には今回も不審なところがあった。警察の調べによると、直接の死の原因は窒息死だというのだ。
何かの拍子にシートベルトが首に巻き付いてしまい、それが原因で壁に激突したと推測されたのだという。
自分の周囲で2人も立て続けに死亡者が出たことに、Fさんは悲しんだが、同時にどこか不気味な感覚を覚えていた・・・(この続きはこちらから)

