啓蟄の夜の呪術「啓蟄打小人」

香港には「打小人」という特有の民間呪術の文化がある。
「小人」とは、自分の幸せの邪魔をする疫病神の事で、魑魅悪鬼のほか悪い噂や陰口の類から自分に不利益をもたらす具体的な人物まで、平穏な日常の邪魔になる鬱陶しい奴らの事をまとめてそう呼ぶのだ。小人に絡まれると、具体的な対人トラブルの他、なんとなくツイていないとか、仕事や対人関係、恋愛などに邪魔が入ったり上手くいかなくなる、他人に足を引っ張られる、イジメに遭う、悪口や悪い噂を流される…などの不具合が起こる。
香港の人々は小人の気配を感じたら、とある場所に集う呪術師たちに小人を打ち滅ぼす呪いを掛けてもらいに行く。
その場所とは、香港島の銅鑼湾の駅から徒歩5分くらいの所にある軒尼詩道(ヘネシーロード)と堅掌道高架道路(キャナルロード高架道路)が交差する鵝頸橋の高架下広場。ここは風水的にも気が交差するパワースポットだと言われている場所の一つである。ここには毎晩数人の「拝神婆」と呼ばれる呪術師のおばさん達が各自の祭壇を設置して露店のお祓い屋さんを営業しているのだ・・・(この続きはこちらから)

