大名に仕え驚異的な距離を移動した松尾芭蕉に囁かれる「忍者説」の謎

「古池や蛙飛びこむ水の音」「夏草や兵どもが夢の跡」などの句で知られる松尾芭蕉は、江戸時代前期の元禄に活躍した俳人である。静寂の中の自然と美や人生観を盛り込んだ俳句を多く残し、齢40を越えてから全国を巡って書かれた『おくのほそ道』は、日本古典を代表する作品として残っている。
この芭蕉には、忍者だったのではないかという説が存在している。まず、彼の出身地が忍者の国である伊賀であったことが挙げられる。もちろん、それだけで忍者と疑うのはあまりにも突拍子ないだろう。
晩年の傑作と称される『おくのほそ道』を読むと、芭蕉が日本各地を巡った際の距離と時間についてあることが判る。彼は、2,500キロメートルを5ヶ月で歩いている計算になるのだ。これは1日平均で15~16キロメートルを歩き、多い時には数十キロメートルを歩いている計算になる…(続く)

