成城ガゼータ

やせっぽちガゼータ氏のおしゃべり人生

今年前半は吉田五十八の年となり

2010-06-23 23:52:25 | 数奇屋




2010年の幕開けは吉田五十八で始まり思わぬ展開を見せている。

数奇屋のお仲間から吉田五十八をテーマにしたセミナー情報がもたらされ
建築素人身分で専門家の講義を聴講することができた。

そんな頃歌舞伎座が建て直しのためいよいよ「さよなら興行」が千秋楽を迎えた。
歌舞伎座関連のニュースでは内部意匠を手掛けた吉田五十八の名前も登場した。

一月中旬より坂崎磐音…佐々木磐音…居眠り剣法…せっせせっせと「居眠り磐音江戸双紙」を読み進んでいて、ある日、富里詩人から岩波「図書」を渡された。
「ほれっ、ここに磐音の著者が吉田五十八設計の岩波別邸を買い取った経緯が載っていますぜ」と。おお何たる幸せ。ちなみに居眠りシリーズは未だ読み続けている。

季節は初夏から梅雨へと変わり、御殿場は東山に建つ元自民党首相の岸信介邸を見学する機会が訪れた。
ここでは岸首相の黒い部分は語るまい。吉田五十八設計の住空間を見よう!そう決めた。御殿場市所有の旧岸邸を管理・運営している「とらやグループ」の文化事業担当者と吉田五十八の話題で親しくお話しすることも出来た。

そうして数日前のこと。
駒沢大学深沢キャンパス構内に建つ「旧三越シルバーハウス」を見学した。
解説とガイドは吉田五十八を研究テーマとしている若き専門家。楽しい時間だった。
建物は予想していたより素敵で保存状態も良くうれしかった。
玄関ホールに入るとまず目に飛び込んでくるのは毎度お馴染みの中庭に植えられた竹。そしてホール天井から下がる数百個のアクリルとチェーンの照明。
それまでとちがって吉田五十八は照明デザインは照明家多田美波氏に外注したそうだ。デザイン決定までに女性照明家と近代数寄屋建築家は顔を突き合わせ徹底的に打ち合わせたということである。出来栄えは軽やかでこれぞ吉田五十八の美と感じた。

さて下半期も願わくば良き流れであるように。
8月頃には二宮にある吉田五十八自邸の写真集が出版される。




小さな養蜂農園の草花

2010-06-20 12:48:22 | Weblog
上祖師谷のブルーベリー栽培と養蜂農園へ出かけたが
今日は収穫物はないのか残念ながら閉まっていた。
畑は誰も居なくてピンク、黄色、オレンジ、赤、ブルーのハーブの花が梅雨空にゆれている。
そして大地には養蜂箱が並んでいる。

6月の風と太陽を受けた草花は自由に育ち、フェンスの周りからもカモミール、ローズゼラニューム、フェンネルがたくさんはみ出して咲いている。

ここは車が激しく行き交う道路に沿っているのだが
この一画に立つとしばし車の音も忘れる。

カモミールを少し摘まんで透明のグラスポットに入れてお茶にして
そしてハチミツをたっぷり塗ったパンを食べたら美味しかろう。








玉川学園で午後のお茶事

2010-06-13 21:17:14 | Weblog
数奇屋の友からお茶事のお招きを受け、玉川学園駅に到着したのは午前11時少し前。
郊外の雰囲気を残した町はどことなく懐かしく風も爽やかに感じた。
入梅直前の暑さと日差しは容赦なくバス待ちの列を直撃したが、それも佳しとしよう。

お宅に到着したとき、亭主殿は首に汗用のタオルを巻いてお仕度に大わらわだった。
作法も何もわからない無調法者は、手取り足取り教えていただきながら心尽くしの懐石料理と濃茶をいただいた。お酒はまろやかな越の雪中梅。お菓子は赤坂塩野製。
お薄は風炉手前の手ほどきを受けて鎮信流七人唐子茶器でお自服。

園芸家12ヶ月チャペックのごとく

2010-06-11 11:02:44 | Weblog
アガパンサスが4鉢ある。

冬枯れのときには日当たりはいいけど
奥まった静かな塀際にひっそりと置かれていて
すっかり葉も枯れてしまうと
一体この鉢には何があった?
そんな感じで少し家人から忘れ去られ状態だった。

春になり初夏になり
アガパンサスに新しい葉といつしかつぼみもついた。
去年より花数が多いみたい。

鉢のまわりにはドクダミの白い花が無数に咲いて
アガパンサスの鉢をほぼ隠している。

家の中からアガパンサスの花を愛でようと
鉢の移動をした。

植物は裏切らない。うれしいじゃないか。
などと言いながら
養生が必要な鉢を
アガパンサスがあった場所に動かした。

中腰になりながら
重たい鉢をひきずりながら
他の植木を倒さないように
奇妙な歩幅で
後ろ向きに少し前進するも
ユリのつぼみにお尻がぶつかり
再び後退

頭上の枝に首筋をひっかかれ
おかしな姿勢、無理な体形で一仕事

カレル・チャッペクの「園芸家12ヶ月」は
我家の永遠のベストセラー、永久保存本だが
本当に園芸家は1年中忙しくて
素人園芸家でも頭の中では
次にしなくてはならない作業を
くるくると考えているのだ。

五月餅 食べてみたい

2010-06-04 23:57:26 | Weblog
国際基督教大学博物館湯浅八郎記念館編「泰山荘 松浦武四郎の一畳敷の世界」に

 『泰山荘完成披露茶会(席披き)の記録(昭和14年5月)』会記が掲載されていた

懐石 菓子は 
五月餅とあった
 
器は 
一閑椽高

五月餅ってどんな菓子だろう
白餡だろうか 
餅というからには餅だろう
食べてみたい
一度に二つほど 食べたい