成城ガゼータ

やせっぽちガゼータ氏のおしゃべり人生

鳩山首相とオイディプス王の違い

2009-12-25 17:19:52 | ギリシア神話
「自分の知らないうちに
お母さんがお金をくれていた
全然知らなかった
だから辞めない」
鳩山首相の釈明会見を見て
最も有名なギリシャ神話と悲劇
「オイディプス」を思い浮べた。

オイディプス王は
自分はどこで生まれたのか
自分の両親は誰であるのか
自分がかつてふるさとから逃れて行く途中
山道で出会った一行と道を譲る譲らないの挙句
殺してしまった相手は誰だったのか
そして
自分の妻は一体誰なのか
何も知らなかった
知る術もなかった

オイディプス王は
あるとき国を憂慮する出来事に直面する
その結果
一本の糸に繋がれて明るみに出された
自分自身の知らなかった過去から現在
すべて知ることになる

オイディプスは
そのときまでなにひとつ知らなかった
なにひとつ知らされていなかった
しかし彼は全てを理解したとき 
何も知らないこと自体が罪深きことと悟った

オイディプスは
自分の犯していた罪は
冥界へも行く価値もなしと
両目を潰し
王座から降り
ぼろをまとって
放浪する……

鳩山首相には
オイディプスのように
ぼろを纏って放浪せよとは言わない
まして目を潰せとは言わない
しかし日本を代表する顔と育ちの良さの誇りを
心の奥底に持っているのなら
せめて苦渋の表情なり
本心からの謝罪の言葉を我々に語ったらどうなのか


落花生を食べるなら新聞の上がよい

2009-12-19 22:26:41 | Weblog
千葉は八街の落花生

ぽりぽり
ぽりぽり
やめられない
ひとつがふたつ
ふたつがみっつ
みっつがよっつ…

食べた数よりも
殻の数は倍になって
殻山が築かれる

時折殻が飛び散って
こっそり食べても
あらぬところに証拠の殻カス

掃除が大変ということで
殻割りは新聞紙の上ですることに

『主要記事の目次を眺め…
天声人語をざっくり読み…
新刊広告をチェックして…』

事件や世相をざっと知る
落花生のおかげということでして







都バス停留所「墓地下」 六本木星條旗新聞社

2009-12-14 23:53:27 | Weblog
六本木界隈は不思議な町だ。
旧地名麻布市兵衛町にはかつて外務大臣官邸があった。
現在の六本木ミッドタウンの場所は防衛庁だった。
現役建物では外務省飯倉公館がある。
そして米国陸軍基地・星條旗新聞社まである。

六本木7丁目にある「星條旗新聞社」はぐるりとフェンスに囲まれている。
建物は低層ビルで古い。ここは昭和のまんまの感じがする。異空間。

地下鉄乃木坂駅から徒歩数分の場所にあるが
都バスだと「墓地下」になる。
「青山墓地下」とか「青山霊園裏口」とかいう停留所名ではなく
ただ単に「墓地下」というのがすごい。
雨の夜更けなぞにひとりここでバスを待つのは怖いかも知れない。



仙川沿いの小道は思い出の道

2009-12-13 17:15:43 | Weblog
今日は千歳船橋で買物をしましょうと
仙川に沿って行くことにした
川の水面はキラキラと光り
保母に手を引かれた保育園児らが
小さな足で落ち葉を踏みしめ
細い散歩道を歩いてくる
全員が通り過ぎるまで立ち止まる

成城学園のグランドに目を移せば
家族みんな若くて元気だった頃の
楽しい思い出に包み込まれる
思い出としては数えるほど
でも年々それらが切ないほど大きくなってくる

サクラの頃
母は病後の父を連れ出しこのグランドまで散歩していたなあ
日曜日には富里詩人の一家がやってきて
サッカーボールでこのグランドで遊んだもんだ
みいそさんは外反母趾のところにボールが当り
イテテテ~と顔をしかめていたっけ
木立と雑草に覆われた場所に小さな鉄棒があって
詩人の子供たちが逆上がりの練習をしていたが
みいそもわたしもすでに体力落下底打ち状態で
かつてはお得意だった逆上がりも懸垂もまともに出来なかった

遊び疲れると
ちょっと待ってと声かけて観覧スタンドに座っていたっけなあ

そう、本当にみんな元気だった



知る人ぞ知る酒屋「レナまつや」

2009-12-08 17:08:50 | ワイン
ワイン好きにはとても有名な酒屋「レナまつや」は桜ヶ丘5丁目にある。
その店構えは古さゆえのゴチャゴチャというべきかどうか、とにかく洒落っ気なし。

一歩店内へ入ってみるとどうだろう。
日本酒も洋酒類もおいてあるにはあるがワインだらけ。
ワインのために温度調節してあるようで店はまるごとセラーだ。
ちらっとまわりを眺めると、これはこれは…素晴らしいワインが陳列棚からはみだし床にまで置いてある。
500~1500円くらいの手頃なワインはレジの横の箱の中にごろごろと入っている。

興味本位にぶらぶらとワインのラベルを見学するには、所狭しと置いてあるワインの箱を蹴飛ばさないように注意が必要だ。

店主は見慣れぬ客には何を探しているかすぐに声をかけてくる。
わたしは美味しい白のテーブルワイン(心の中でスープにも使うつもりと付け加えた)をとお願いしたらすぐに白のヌーボーはどうかと言い、プリムール2009ミュスカデを取り出した。産地の地理をすいすい教えてくれた。
つべこべ言わずに素直に買った。

ワインをリュックに入れて千歳船橋の駅まで戻り
ほりぐちコーヒー店でちとふなブレンドを味わい帰宅した。





聴竹居に行こうか 藤井厚ニ展を見て

2009-12-06 13:41:43 | Weblog
小春日和の半日竹中工務店東京本店ギャラリー・エークワッドで開催中の
「聴竹居」と藤井厚ニ展―日本の気候風土に根ざした住宅の追求―を見てきた。

この企画展の案内をいただき、初めて建築家藤井厚ニ(1888年ー1938年)の名前を知った。
地球環境・自然と共生する大切さが叫ばれている現在、
建築史の一頁の中で眠っていた藤井厚ニが思い起こされ再評価されているという。

ギャラリー内には藤井厚ニが手掛けた作品の図面やパネル写真とともに
自邸「聴竹居」で使われていた彼自身のデザインによる家具類が静かに置かれていた。
かつて藤井氏が生活した「聴竹居」を想像しながら見ていたら、
数週間前に世田谷文学館で開催されていた「久世光彦展」の中で紹介されていた
『全ての物語の主人公は歳月である』という言葉がよみがえってきた。

「聴竹居」は家と自然が「歳月」と共に生き続けている素敵な作品である。
「聴竹居」は関係者の尽力で京都の大山崎町に現存している。
事前申込みをすれば見学できるそうだ。パンフレットにそう書いてある。
新幹線に乗って「聴竹居」に行ってみたいな。


ギャラリーを出た後、竹中工務店の建物をウォッチしながら近所を歩いた。
この辺りでは一番古そうな大陽工業株式会社という名の町工場があった。
本当に町工場そのものの雰囲気のある建物だ。
竹中工務店やオルガノやスカパーの近代的なビルの中に
ひとり頑としてこの場所を動かず、昔も今もこの場所で生き続けているのがわかる。
なにやら絵本の「小さな家」を連想する。

東陽町新砂界隈で竹中工務店と大陽工業の二つの建物を見て、
どちらも日本の経済を支えているのだなあと感じた。





宅配自動車を停めてまで道を尋ねるも…

2009-12-03 22:23:03 | Weblog
友人三人と麻布十番の洋食屋で昼食後
白金台の畠山記念館へ行くことになり
地下鉄南北線の白金台駅で下車した
絶え間なく降りしきる雨のため
記念館への案内地図をしっかり頭に叩き込む余裕もなく
見切り発車的雨中行軍となった

案の定途中から道がわからなくなり
お屋敷街をさ迷うことに

いよいよ道を尋ねるときが来たようだ
向こうから歩いてきた二人連れの女性にたずねたら
ごめんなさいわかりませんと返事された
そうこうしているうちに
坂の下から宅配自動車が走ってきた

この機会を逃すなとばかりに
ヒッチハイカーみたく道を塞ぎ手を上げて合図した
親切な配達氏はすぐ車を止めて窓を開けてくれた
畠山記念館は?と言った瞬間
すこし行ったら右に曲がって
またそこをすこし行ったら左に曲がり道なりに…

親切によどみなく教えてくれた
助かった 有難い これで遭難しなくてすみそう

でも我々一体何を聞いていたのやら
どうもおかしい 違った道へ入り込んだらしい
山で迷ったらの鉄則どおり
間違ったと思われる地点まで一旦戻り
もう一度いやニ度三度考えた
幸い道路に小学生の子共を出迎えている若い母親に出会い
ようやく最終地点までたどりつくことが出来た

記念館に到着したときには
時刻はすでに三時すぎ
イロハカエデの紅葉が美しい庭園は早や薄暗くなり始めていた…


前日もひとりで東西線の東陽町駅から竹中工務店のギャラリーまで行ったが
信じた道を歩いていても目的の建物が現われない

困ったなあと思いながらさらに歩いていると
大きなだだ広い敷地の前にボックスがあり警官が立っていた

家を出るとき急いで書き写した変てこな地図を示して
新砂一丁目の竹中工務店まで行きたいのですが
わたしはいまどこにいるのでしょうと尋ねたら
若い警官はここは警視庁第九機動隊ですと教えてくれた
おおおどうりで楯もすぐそばに置いてあるはずだ


こんな具合に地図があるのにわからない 情けないね
これはやはり体内磁石が無いってことでしょうねえ







さらばオリーブ一号

2009-12-01 22:10:00 | Weblog
オリーブ一号は私の自転車の愛称だけど
みいそさんがいなくなってから
雨に風に西日にさらされ
ずっとオリーブの木のそばに置きっぱなし

思い出すのは
台風が近づき風が強くなってくると
一生懸命オリーブ一号を玄関内に引き込んでくれている
みいそさんの姿だ

これから先自転車に乗る楽しみはなくなった
駐輪場契約も解約したし
大根だって一本まるごと買わないし

今日リサイクル業者に引き渡した
さらばオリーブ一号君