成城ガゼータ

やせっぽちガゼータ氏のおしゃべり人生

「東京の志にせ」 創業者の時代に思いを馳せる

2011-10-16 21:33:26 | Weblog
友人が『亡くなった義兄の本棚にあったんだけれども面白いから』と一冊の本を貸してくれた。

「東京の志にせ」池田彌三郎編集
昭和53(1978)年刊 アドファイブ出版局発行
271頁 980円 化粧箱入り

日本橋、向島・亀戸、浅草、上野、神田、赤坂・麹町、麻布・三田、銀座にのれんを掲げる43の老舗がモノクロ写真付きで紹介されている。

編者の池田彌三郎は老舗の年輪と題し、こう書いている。
『東京の老舗の辿ってきた歴史は、東京という、この町の歴史でもある…江戸の町以来、東京の歴史は、災害の歴史でもあったことだ…しかし、老舗の歴史はそれだけではない。そうした烈しい起伏の渦中にあって、事態に即応した、いわば『流行』の中に、いかにして『不易』を護り続けていくかという。苦心の歴史でもある。…』

東都暖簾会会長は刊行の挨拶で、老舗とは何かと問い
『商いの道は、不断の精進によるところが大きく、ふとした“ゆるみ”によって伝統の火は消えてしまうものだ、と云われます。』
『言葉をかえますと、老舗とはのれんにおぶさらず小成に安んぜず、どこにも負けない最良の品を商ってお客様の信望をつないでゆく店となりましょうか』
と記している。なるほど。

取り上げられた老舗の名はほとんど知っているが、創業話はあまり聞かない。
初代の顔を想像して読んでみると、九代、十代と続けていくには、それぞれ経営理念と哲学を持っていて、店の歴史と東京の歴史が重なり合い、あらためて面白く感じる。

いやいや、難しい話は抜きじゃ…浅草の江戸前てんぷらを食してみたい!
霊岸島の銅鑼焼き、吾妻橋の鬼がら焼き、日本橋の佃煮、海苔、仕出し弁当、亀戸の葛餅、浅草の粟ぜんざい 麻布の蕎麦、などなどなど食してみたい、みたい!!




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1 コメント

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Unknown (世田谷の歯医者さん)
2011-10-21 16:55:18
お店などが20年以上続くのは、4%位しかないと聞きます。老舗には何かしら現在の日本経済を良くするノウハウがありそうな気がしますね!

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