成城ガゼータ

やせっぽちガゼータ氏のおしゃべり人生

節電せニャ~

2011-05-29 22:43:01 | ギリシア神話
節電対策のため魔法瓶を買うことにした
気に入ったデザインを探していたところ
ドイツのヘリオス社が作っている、ヘリオス・ポットシリーズ「サーモ・キャット」を見つけた

この魔法瓶 猫好きにはたまらない
猫の顔はきりっとしているがあんまり可愛くない それがいたって良い

お湯はずんぐり胴体の中に入れる
ふくろうのように頭をぐるぐる回してあげるとフタがはずれる仕組み
お湯を注ぐときは頭をぐるっと回す 
「尻尾取っ手」をギュッと握り持ち上げても引掻かれる心配はない
 
さらにこれはギリシャ神話好きにはたまらない
「ヘリオス」は太陽神の名前
四頭立て炎の車を駆る御者で、毎日東の空より出て天空を横切りに西に沈む
天上から世界のすべてを見聞きし、ゼウスやオリンポスの神々のご注進役となる 

「熱猫」はヘリオスの車に載って天空を駆っているのか
それとも「熱猫」はヘリオス神の忠実なる僕だろうか
ここまで書いてきて急にペローの「長靴をはいた猫」を思い出した
『ご主人さま、ご主人さま 熱いお茶をお淹れしましょう』なんて言ってくれないかな
なんか頭の中が変てこになってきたが 猫とギリシア神話 怖い 楽しい 面白い

ホメーロスの「イリアス」を観劇する

2010-09-07 17:14:04 | ギリシア神話
ル・テアトル銀座で公演中の「イリアス」を観劇した。
偶然に夕刊で公演を知り、待ってました!とばかりチケットを予約し心踊りながら劇場へ到着。


アキレウス 内野聖陽
ヘクトール 池内博之
オデュッセウス 高橋和也
パトロクロス チョウ・ソンハ
アガメムノン 木場勝己
プリアムス 平幹二朗 
カッサンドラ 新妻聖子
アンドロマケ 馬渕英俚可 

ホメーロスのすごいところは
場面構成の見事さとドラマを語る暗喩法の豊かさ。
ずんずんと迫りくるような神々と人間のドラマに圧倒される。

だから芝居にするのは難しい。よくまとめたものだと思うが。
感想は たくさん ある。 

アガメムノンの欲張りさ オデユッセウス狡猾さ、アキレウスと対立するせりふに迫力がなくて弱い。
「アキレウスの怒り」が描き切れず、かなり惜しい。

アキレウス役の内野聖陽は声大きく立派な体格だけれどもヘクトール役の方が合っていたのではと感じた。
神と人間の子、英雄の輝き、ちょっとマザコン、死すべき運命を背負っての参戦、そんなアキレウスの憂愁度が不足していたみたい。美しさにも気を配ってほしかったとアキレウスファンからの願いもあった…。

平幹二朗はさすがに巧く、息子の遺体を返してもらうため敵陣に一人やってきて、アキレウスに懇願する老プリアムス王のふるえ声。かつて栄華を誇るトロイを治めていた王は敵将に跪き泣きながら哀願する。冷血、頑なになっていたアキレウスに人の心と倫理感を取り戻させた演技はすごかった。舞台の最後を締まったものにした。


神話では風吹き渡るヒッサリクの丘にあった、豊かで平和なトロイが木馬の計で一夜にして消滅し、地上から姿を消したと語っている。
それは歴史世代の我々に永遠の謎を残し続けている。

また勝利者たちにも苦難の道が待ち受けていた。トロイから無事帰還できたものはわずかだった。ある者はなつかしい故郷に帰り着いたその日に妻に殺され、またある者は10年もの長き放浪の末に乞食同然となって辿り着いたという。

ステージではコロスがその後日談を語り幕となる。 拍手。

ツィマーマンのショパンを聴きながら

2010-03-09 16:47:22 | ギリシア神話
三月は寒い
降りしきるみぞれ
午後のコーヒーのお供はアルプスのケーキ「ジュピター」
いやいやお供と言ってはジュピターの怒りを買ってしまう
コーヒーはジュピターの従者か
こんなことを遊び半分で考えながら
しっとりとつややかなチョコレートケーキを食べる。
チョコレートの濃密な甘さ
そしてパッションフルーツの酸味
どっしりと美味しい

ギリシャ神話好きとしては
ジュピターという名前よりは
やはり「ゼウス」にして欲しかったと思うのだが
アルプスは『ホルストの惑星』をイメージしているのだろうから
無理な希望か

ついでにゼウスの末っ子神
おちゃめで居丈高なヘルメスをイメージしたケーキもあったら嬉しいな

オリンポスの神々というケーキもあったらどんなにか興奮するだろうか
古代風ワイン味だったり
シリアルが入ってたり
血のように赤いジャムとか
稲妻模様だったり
いびつな形だったり
オリーブの葉が乗ったふくろうケーキだったり
食べると嫉妬深くなるケーキだったり
反対に食べるとフェロモンが溢れるケーキだったり
双子型のケーキだったり
こんがりかまど焼きケーキだったり

クリスチャン・ツィマーマン演奏するショパンを聴きながら
日が暮れていく





オリンピック開会式に寄せる想い

2010-02-15 14:28:42 | ギリシア神話
バンクーバ冬季オリンピックが始まった。

オリンピックがめぐってくるたびに胸を躍らせる。
「オリンピック発祥の国栄光のギリシャ」が先頭で入場行進してくるときだ。

ギリシャ選手の中にアキレウスや、オルフェウス、ヘラクレスはいるだろうか?
ヘレネー、レダは?
首太くずんぐりドーリア人は?
金髪ほっそりイオニア人は?
ついつい探している。

ホメーロスの時代じゃあるまいし…神話の時代じゃあるまいに…
そう わかってる。
それでも 我が目にはぶどう酒色したエーゲ海が広がっている。


野川のナルキッソス・オーミソーカ・ネコ

2010-01-02 14:51:48 | ギリシア神話
大晦日の朝、野川を散歩した
土手の草はまだ枯れてなくて
柔らかな緑色に光っていた
川の流れをじっと見つめる
一匹のクロシロ・ネコに出合った

水面に映る我が姿にうっとりとしているのか
そうならとても嬉しいので
「ナルキッソス・オーミソーカ・ネコ」と名付けさせていただいた

この1年様々な想いを乗せて流れ往く川の水は
どんな味がすることでしょう






鳩山首相とオイディプス王の違い

2009-12-25 17:19:52 | ギリシア神話
「自分の知らないうちに
お母さんがお金をくれていた
全然知らなかった
だから辞めない」
鳩山首相の釈明会見を見て
最も有名なギリシャ神話と悲劇
「オイディプス」を思い浮べた。

オイディプス王は
自分はどこで生まれたのか
自分の両親は誰であるのか
自分がかつてふるさとから逃れて行く途中
山道で出会った一行と道を譲る譲らないの挙句
殺してしまった相手は誰だったのか
そして
自分の妻は一体誰なのか
何も知らなかった
知る術もなかった

オイディプス王は
あるとき国を憂慮する出来事に直面する
その結果
一本の糸に繋がれて明るみに出された
自分自身の知らなかった過去から現在
すべて知ることになる

オイディプスは
そのときまでなにひとつ知らなかった
なにひとつ知らされていなかった
しかし彼は全てを理解したとき 
何も知らないこと自体が罪深きことと悟った

オイディプスは
自分の犯していた罪は
冥界へも行く価値もなしと
両目を潰し
王座から降り
ぼろをまとって
放浪する……

鳩山首相には
オイディプスのように
ぼろを纏って放浪せよとは言わない
まして目を潰せとは言わない
しかし日本を代表する顔と育ちの良さの誇りを
心の奥底に持っているのなら
せめて苦渋の表情なり
本心からの謝罪の言葉を我々に語ったらどうなのか


オリーブの木

2009-06-09 23:44:58 | ギリシア神話
我家の鉢植えオリーブに小さな実がついているのを発見
今の時点でふたつのみ
栄養不良気味で可哀想なオリーブ
収穫祭をしてあげるから大きくなあれ!

ホメーロスの叙事詩「オデュッセウス」の中に
オデュッセウスとペネロペイアが結婚するとき
オリーブの木が生えている場所に寝室をつくり
根っこがついたまま幹の部分をくりぬいてベッドにした話が出てくる

トロイ戦争にようやく勝利したギリシア軍は
みななつかしい故郷を目指して帰国していったが
オデュッセウスだけは10年もの長きにわたって海を彷徨っていた

魔女キルケの家に長逗留を強いられたり
カリプソに囚われて夫のような生活をしていたり
最後には瀕死の状態で海岸に打ち上げられ
ナウシカに助けられる
もっとここにいて欲しいという国王の願いに
オデュッセウスは身分を伏せたままトロイ戦争で闘った武将の話を物語り
望郷の想いを切々と謳い上げた
国王らは目の前にいるこの男が
あのギリシャ屈指の智将オデッュセウスだったのか…と
涙を流さずにはいられなかった

そんなこんな大変なおもいで
ようやく彼は故郷イタケ島へたどり着いた
そのとき彼は理由あって乞食に変装していたので
妻からなかなか夫とは信じてもらえなかった
ではとばかりに、オデュッセウスはオリーブで作ったベッドの話をして
ようやく夫だと信じてもらえた 
20年ぶりの再会を果たしハッピーエンド

ここで安心してはいけない
なにしろギリシア神話ですから
その後の話があるわけで
どうも目出度し目出度しとはいかなかったようで…

尚ペネロペイアという名前には貞節という意味があり
日本ならさながら貞子さんか操さんか

そして
ガゼータ個人的にはオデュッセウスはどうにも好きくないのである

フェンネルを有難う プロメテウス

2009-05-01 00:14:06 | ギリシア神話
ハーブ専門店でフェンネルの苗を買ったのはかれこれ6年程前
黄色い花が咲きディルと似ている 和名はウイキョウ
なにせギリシア神話大好きときているので
フェンネルというとすぐにプロメテウスの話を思い浮かべる。

プロメテウスは人間どもを天上界から見ていて
何とかせにゃと考え
ゼウスの火を盗んで人間に与えた
それ以来人間は進化し
野獣のような生活から脱却した
しかしゼウスから言わせると神をも恐れぬ存在となってしまった
火を盗んだプロメテウスはゼウスによってカウカサスの岩に縛りつけられ
ゼウスの鷲に肝臓を突っつかれるという恐ろしい罰を受けた
しかし肝臓を食われても 朝になればその肝臓は元に戻っているので
また鷲が飛んで来て
彼の肝臓を食う 繰返される大苦痛
古代ギリシア人は当時から肝臓は再生する臓器ということを知っていたという

そのプロメテウスが人間に火をくれたとき
フェンネルの茎に火を仕込んだと言われている
神話本の挿絵などではよくオリンピックのトーチのように
フェンネルの茎を持って下界に下りてくる神が描かれている

そんな想いから育てていたフェンネル
料理にも使って楽しんでいたが
毎年虫がつき 遂には根元が腐ってしまった
がっかりだ