友人から暑中見舞いを兼ねた電話をいただいた。
彼女は秋も深まった頃、葛西の友も誘って旧日向別邸ブルーノ・タウト「熱海の家」を見学しましょうと言ってきた。
それなら…ついでに…私は伊豆山「旧岩波別邸」もコースに入れてと要望。
その理由を、今年初めから佐伯泰英の「居眠り磐音江戸双紙」にはまり1巻から33巻までの既刊分をこのたび目出度く読み切った。
それに吉田五十八の傑作「岩波別邸」がその佐伯泰英氏によって買い取られ、有難いことにひどく痛んでいた建物は壊さず、すべて当時のままにすることで、現在修復工事中とのこと。
熱海+吉田五十八+佐々木磐音が私の中で映像的に重なり、早くこの目で確認したい!と熱望していたところである。と説明した。
またまたミーハーね、とせせら笑われると思ったら案外そうではなかった。
電話の向こうで彼女はこう言った。
『数年前に亡くなった父の本棚にはこの磐音シリーズが1巻から15巻まで並んでいて、続きを読む前に父は病気になり入院して……叶わなかった。
この文庫本は何だか捨てられないまま、本棚に残っているのよ。』
「磐音」は友人のお父上のような方にも愛読されていたのか…。
受話器を置いたあと暑さにあえいでいる木々の葉と空を仰ぎ見た。
彼女は秋も深まった頃、葛西の友も誘って旧日向別邸ブルーノ・タウト「熱海の家」を見学しましょうと言ってきた。
それなら…ついでに…私は伊豆山「旧岩波別邸」もコースに入れてと要望。
その理由を、今年初めから佐伯泰英の「居眠り磐音江戸双紙」にはまり1巻から33巻までの既刊分をこのたび目出度く読み切った。
それに吉田五十八の傑作「岩波別邸」がその佐伯泰英氏によって買い取られ、有難いことにひどく痛んでいた建物は壊さず、すべて当時のままにすることで、現在修復工事中とのこと。
熱海+吉田五十八+佐々木磐音が私の中で映像的に重なり、早くこの目で確認したい!と熱望していたところである。と説明した。
またまたミーハーね、とせせら笑われると思ったら案外そうではなかった。
電話の向こうで彼女はこう言った。
『数年前に亡くなった父の本棚にはこの磐音シリーズが1巻から15巻まで並んでいて、続きを読む前に父は病気になり入院して……叶わなかった。
この文庫本は何だか捨てられないまま、本棚に残っているのよ。』
「磐音」は友人のお父上のような方にも愛読されていたのか…。
受話器を置いたあと暑さにあえいでいる木々の葉と空を仰ぎ見た。