成城ガゼータ

やせっぽちガゼータ氏のおしゃべり人生

魚介鍋を前にしてサンセールと一言…映画から教わった

2011-12-06 22:30:40 | ワイン
自分流アクアッパッツアをつくり食べた。
鯛とタラの切り身をガーリックで香りを出したオリーブオイルで焦げ目をつけて
あさりを入れて、ブロッコリー、トマトを入れて、水を入れて、ハーブを入れて煮る。
味付けは適当。今夜は少し塩を入れすぎたようだった。
それでも魚貝から染み出る味で結構美味しく仕上がった。
深めの皿に盛った具から湯気が立ち
フォークとスプーンの音も心地良かった。

昔キネカ大森でフランス映画を見た。題名はすっかり忘れた。
登場人物は少なく3人。
子供のいない夫婦が暮らす海辺の家に夫の友人が訪れる。
もうその辺からこれは何か起こると思わせる。
夕食のシーン、フランス人ちょっとエリートらしき者達の会話劇が続く。
彼らが座っている部屋の窓からは暗い海、少し荒れ模様の海が見えて胸騒ぎ。
シーンが進むにつれて、緊張感はらんだ心理戦となり、
三角関係に近づいているのか?
妻と夫の友人の目がちらちらとかすめ合う。
私はスクリーンを見つめる。
「そうなるか」とじっとスクリーンを見つめる。
そして事件は起こった。
そんな映画だったような。

ストーリーは時の経過と共に
私の頭の中で勝手に作られてしまったかも知れない。

かすかな緊張から危険ゾーンへ
彼らの献立はブイヤベースだった。
妻が鍋をテーブルの真ん中に置いた。
夫はワインのボトルを持って
グラスに注いだ 海鳴り。暗い夜空に流されていく雲。
『サンセール』と一言。
この台詞が忘れられない。ずっと。

その映画以来
魚貝料理をするときには
ワインはサンセールと決めてしまって
食べて飲みながら
どうしてもあの映画の中の夫婦ともう一人の男の影と
そして海が私を捉えて…かなたを彷徨う。







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