陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

ZARD「負けないで」

2009-05-29 | 芸術・文化・科学・歴史


ZARDこと坂井泉水さんが、この5月27日に三回忌をむかえられたという。
それを記念して、新宿高島屋では企画展がはじまった。
三回忌でZARD展(MSN産経ニュース09年5月28日)

この5月はロック歌手の忌野清志郎も亡くなって大きなニュースになったり、彼が主演の映画が放映されたりと、話題を呼んだ。こうした現象をみると、やはりミュージシャンの社会にあたえる影響は大きいものだと実感する。

私はあまりJ-POPのCDは買わないほうなので(アニメの主題歌アルバムは含まれないんじゃないかと思うので(笑))ZARDのCDも買ったことがない。が、カラオケに行ったら、岡本真夜の「TOMORROW」(私はなぜか、この曲名をいつも「涙の数だけ強くなろうよ」と口にしてしまう(苦笑))とおなじくらい歌いたい一曲だろう。あけすけにいうと、音楽に疎い私がよく知っていたから、というにすぎないが。
その他の理由としては、甘っちょろいラブソングではなくて、応援歌だったというせいもある。




動画にもあるように、この「負けないで」が発表された1993年はバブル不況の真っ最中。
その暗い時代に、彼女のてらいのない歌詞とまっすぐな歌いようは、肩を落として生きる人びとを励ましたにちがいない。
私もあまりいい時期ではなかった。だから、そのときの耳にふかく刻まれていたのだろう。

曲というよりは、極端にメディア露出を嫌って音楽活動に専心した姿勢が、私は好きだ。
倖田來未だったと思うが、羊水がなんとか、のラジオの発言で活動自粛になったのは、いまだ記憶に新しい。
歌いっぷりが安室奈美恵や浜崎あゆみと変わらないで、はではでしいヴィジュアルで売っている歌手が、ここ最近とみに、さかんに多くなったように思うのだが。
こうした歌手は売れないと、女優やお笑いタレントに転向したりするのがオチ。

ところで、坂井泉水さんがじつは、元はアイドルで「とんねるずの皆さんのおかげです」にも出演したほど芸能歴があったことに驚いた。本人はかねてから歌手を希望していたので転向し、成功を得たのだという。
元々がアイドルだったことや動画のコンサートの様子からも、美人であったことがうかがえる。

その人気はいまだ衰えてはいないが、その理由は飯島愛と同様に、やはりミステリアスな最期にあるような気がしてしまう。


ところで、この「負けないで」という歌詞中の「どんなに離れてても、こころは側にいるわ」は、けっして悲哀を誘うものではないのだが、奥井雅美の「輪舞-revolution」のある歌詞と似ているので、聞くたびこころ動いてしまう。
「Ob-La-Di, Ob-La-Da ──音がたみのビートルズ──」でも書いたが、故人の声を偲ぶというのはなんとも言えない寂しさがあるね。

この曲はいまだに古くはないと思っているけれど、いつか懐かしのメロディとして紹介されはじめたときは、もう自分も若くないんだなぁと思うのかな。




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