陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

セーラームーンミュージアムですってッ?!

2022-11-06 | 芸術・文化・科学・歴史

今年の春先に実家を断捨離したら、出てきたのがお子様時代のアニメのビデオテープ。
そのなかに、「劇場版美少女戦士セーラームーンR」もありました。たしかお正月にテレビ放映されていたのを録画したんですよね。劇場版は当時二回観に行きましたとも。あらためて再視聴しましたが、やはりラストで泣けます、なぜだろう。

ツイッター検索をしていたら、セーラームーンミュージアムなるものの体験記を見かけました。
あわてて検索したら、なんと六本木ミュージアムで回顧展が開かれていると! しかも今年の12月30日まで! 詳しい体験レポートはコチラ(アイエム 2022年7月1日記事

私が学生時代の頃に滋賀県かあたりの公立美術館で、セーラームーン含むアニメの企画展があって、そのポスターが大学構内に貼られていた記憶があります。
ギャラリーとか百貨店とかの部分的なスペースで原画展があったのは前から知っていましたが、まさかミュージアム一館まるごと借りきっての、大々的な企画展が催される日が来るなんて! 時代は変わったものですねえ。まあ、ロシアのフィギュアスケーターが公式戦のエキシビジョンでコスプレするぐらいだもの。こういうの、学芸員さんが熱心なアニオタだったから企画したのでしょうか。

ブログで生誕20周年記念で公式が動き出したよ、テレビアニメがリメイクされたよ、という記事は書いた覚えがありますけども。いつのまにか10年経過して、30周年になってしまったわけですね。

そして、公式ホームページ(http://sailormoon-official.com/)もチエックしてみたら。
「劇場版セーラームーン Eternal」の前後編がすでに今年に公開されてしまっていて。しかも来年夏にはその続編の「劇場版セーラームーン Cosmos」も予定されているという。しかも、原作者の武内直子先生の肝煎りで、キャラデザはあの只野和子さん。旧作テレビアニメの第一作の担当だった方ですね。

この劇場版なのですが、原作準拠のためか、評価はさまざま。
新作テレビアニメの「Crystal」もそうでしたが、キャラデザが原作に近いので、少女漫画らしいほっそりした美しい彼女たちなのだけども、お上品すぎる、話に起伏がない、という声も。レンタルで借りようかなとも思いますが、観る時間がなさそうです。

女性向けで爽やかラブロマンスに改変したのでしょうが。
私は旧作の、幾原邦彦監督演出の、どぎついキッチュな演出がわりと好きだったわけですね。土萌ほたるの父親のマッドサイエンティストぶりとか、今の百合ブームの先駆け的なはるかとみちるの関係とか、タキシード仮面へ変身すると頼もしくなる衛(ちょっとクサい台詞を吐いたりする)とか、そしてイザとなったら本領発揮の主人公月野うさぎの勇気と、セーラーチームとの友情だとか。敵方のアマゾネストリオだとか、ダークキングダム四天王とか、なんか憎めないキャラが多かったり、声が渋かったりで。火川神社のおじいちゃんとか、雄一郎さんとか、海野君だとかサブレギュラーはじめ、一発屋のゲストキャラも強烈な人がいましたよね…。毎週のテレビアニメだからできたんでしょうけども。

私はとくに各シリーズのアニメの最終回のほうが印象深いのですが。
最終的に銀水晶の力を発動させて、自己犠牲をはかるうさぎが、決して敵方を滅ぼそうとしているわけでもない。そして悪の幹部たちに利用された先鋒たちも、改心して仲間になったりする、という救いがあったのが、子ども心にインパクトが大きかったですね。ダメだめ中学生なのに、土壇場では頼りになるリーダーで、ちびうさに振り回されつつも母親としての勇気や慈愛を見せたりもする。セーラーチームのみんなはそれぞれスペシャル感があるのに、はみ出し者だったりして、うさぎの快活さに惹かれている。平凡な女の子なのに、みんなを愛して抱え込めてしまう存在。いまの極度に裏表あるダークファンタジー系魔法少女にはない、その頃の素朴な明るさがあったわけですよね。極端にメンタル病み過ぎて気味が悪いキャラがいないので。

ちなみに私、これの原作漫画、数年前に断捨離で手放してしまいました。
大判の豪華な原作絵のイラスト集も買ったけど、それも手元にはありませんね。二次創作に利用しないようなオタクグッズは残さないことに決めたので。でも、探してみたら、一部のアニメグッズや附録は残っていたようです。

原作絵はきらいではないので、また再入手するかもしれません。
現在は電子書籍でも発売されているようです。子どもの頃は廃墟やら、宇宙的なイメージやら、鉱物だとかが出てくるのが好きで。武内先生にあやかって、薬学部を受験して薬剤師になろうかしら、などと思ってもいました。ギリシア神話なんかも必死に調べたなあと。セーラープルートことせつなさんが白衣のキャラなんだけども、それも憧れましたねえ、知的な社会人女性という理想像として。

テレビ朝日が企画したイラストコンテストに応募して入賞したり、アニメ雑誌にレビューやネタのイラストを投稿して月刊MVPもらったり、と。若かりし頃のオタクライフを記念すべき作品でした。でも、不登校時代の産物でもあったので、雑誌類もアニメのムック本ももう捨てちゃったんですよね。当時のことを思い出してしまうから。LPだけは保管していますけども。

そういえば、最近ラジオでもベルばらのアニメ主題歌が流れています。
あれも1970年連載開始なので、すでに半世紀。いまの働く女性が、ママになった世代が、夢にみた年上のがんばっている二次元お姉さんたちが、永遠のアイコンとして復活しつづける。この状況、まさに日本ならではの現象ですよね。セーラームーンたちは将来的にはクィーンとして即位して、月でミレニアム王国を築く、そこでは数百年の長寿社会が実現する…という話だったはずですが、子どもの頃の人気作がもはや古典として、末永く語り継がれるこの事象自体が、キャラが無限に生き続けるということ、なのかもしれません。そのうち、美術の教科書にも載ったりするんでしょうね。

(2022/11/05)

【画像出典】
劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」とさがみ湖イルミリオンがコラボ企画広報サイトより。
PRTIMES 世界初の「美少女戦士セーラームーン イルミネーション」11月13日(土)開幕!
神奈川県相模原市は、以前にも市の公式ポスターにセーラームーンが採用されていましたが、著作権者と何かご縁が深いのでしょうか? 


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