歌舞伎見物のお供

歌舞伎、文楽の諸作品の解説です。これ読んで見に行けば、どなたでも混乱なく見られる、はず、です。

「高尾」 たかお

2010年11月26日 | 歌舞伎
所作(しょさ、踊りね)です。

上方遊郭を代表する傾城といえば「夕霧(ゆうぎり)」です。お芝居もたくさん作られています。
江戸の遊郭では「高尾(たかお)」という遊女が有名です。

「高尾」はひとりではなく、代々トップランクの遊女がその名前を名乗ったので、ふつうは「○代目高尾」というように言います。
この作品に出てくるのはとくにどの「高尾」のはなし、というわけではなく、ていうか「高尾」がテーマというわけでもなく、
「高尾」をモチーフに、遊女一般の苦しみを描いたものです。

位の高い遊女ですから、キレイな上に品もあり、教養レベルも高いです。
ハイソな客とお座敷で文化レベルの高い会話をしたり、古歌を引用した優雅な恋文を書いたり、和歌や連歌のやりとりをしたりできなくては、高級遊女にはなれないのです。

というわけでレベルの高い女性ですので、苦しむすがたも品があります。絵になります。

そういう舞台です。

これもわりと新しいものです。こう、陰性です。新作なので文学的なのです。


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