ロンドンの廚(くりや)

ロンドンに住むフードライター Yasukoの「廚(くりや=台所)事情」ブログです。

ジョージ・ローガン個展: Red Road

2009-11-08 | 廚ばなし(たべもの&のみもの)
ベンツ、マイクロソフト、ギネスビールなど、たくさんの大キャンペーン広告に活躍中の売れっ子写真家、ジョージ・ローガン。今年2回目の個展のオープニング・パーティーに行ってきました。



場所はVillage Undergroundという、トレンディな街ショーディッチにあるスタジオ/ギャラリー/ダンスクラブ。
屋上に、古くなった地下鉄の車両が乗っている不思議な建物です。



屋根の下は、もとビクトリア時代の倉庫。
この近辺は、倉庫が多かったところですが、今はどれもスタイリッシュなロフト空間として蘇っています。
アーティストが多く住み、クリエィティブなグルーブがみなぎる街。
大好きな場所の一つです。

今回のローガンさんの個展テーマは「Red Road」。
彼の出身地グラスゴーにあった、公共団地群Red Roadが背景です。

60年代に、貧しい人にも快適な住環境を、と理想郷を目指して建てられた「未来の公共集合住宅」だったここ。

残念ながら、30年後には全国一犯罪率の高い、最も危険な住宅エリアになってしまいました。

ローガンさんは、ここが取り壊されると聞いてすぐ、久しぶりに訪れてみたそうです。

明け方の空に黒々と浮かぶ、高層住宅群。



「まるで、力を失ったモノリスのように、空間を切り裂いて、冷え冷えとした空気のなかにひっそりそびえ建っていた。」(モノリス=キューブリック監督の映画「2001年」にも出てくる、神秘的な力を持った黒い巨大石碑)
と、ローガンさんは、稲妻のようなインスピレーションを得て、この作品シリーズの製作を思い立ったと言う事です。

無人の高層団地。聖書から取ったテーマ。荒れはてた、希望のないエリアに住む若者や幼い子供たち。
これがRed Roadという作品を組み立てています。



このエネルギーに溢れるシリーズは、ジョージ・ローガンのHPで見ることができます。
一番見上の写真をクリックしてください。

ライフワークの、アフリカの動物たちの写真もすごい迫力。2段目の写真をクリックしてみてください。

日本でも活躍が期待される写真家です。

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