ロンドンの廚(くりや)

ロンドンに住むフードライター Yasukoの「廚(くりや=台所)事情」ブログです。

みそぽた

2009-11-25 | 廚ばなし(たべもの&のみもの)
日本の梅雨がわざわざお引っ越しして来たかと思うほど、雨続きのイギリスです。
ピーター・ラビットでお馴染みの湖水地方では、洪水で家々が浸水し橋が壊れ大変な騒ぎ。

それでも雨はなかなかやまないのです。

昨日は、近所に買い物に出たときは晴れ間が出ていました。
それが、帰るときにはぽつぽつと始まり、5-6分後にはゴオっと風が吹いて来てバケツをひっくり返したような大雨に。
この通りを渡ればもう家の入口、というところまで来ていたのに、2メートル先が水煙で何も見えない状態で歩くに歩けず。
たった1分で、下着までびしょびしょになってしまいました!

ここまでひどい突然の大雨は、ロンドンでも珍しいそうです。
今晩から明日にかけては、また時速90キロという突風が戻ってくるそうで、外出にも気が抜けません。

こういうときって、あったかくてふうふう言いながら食べるものが恋しくなりません?

で、今日のお昼は「みそぽた」。
何のことはない、みそ汁ベースのポタージュなのです。
でもこれが、思わず幸せになるおいしさ。
そしていくらでもバリエーションが作れます。

ダシを濃いめに取って、具は根菜(ジャガイモ、サツマイモ、エルサレム・アーティチョーク、にんじん、だいこんなど)を必ずひとつ、それにウリ類(スカッシュ、パンプキン、ズッキーニ)、ネギ類(タマネギ、長ネギ、リーク)または葉菜の組み合わせです。ことことと柔らかめに煮ます。

好みのおみそを多めに溶かし入れたら火を止め、豆乳か低脂肪乳をだし汁の1/3程度入れ、フードプロセッサーにかけます。

仕上げには、山椒や七味唐辛子はもちろん、ベーコンやナッツをかりかりに煎ったものをふりかけてもおいしいです。



今日は、辛い味がほしくて、白こしょうをたっぷりふったあと、新鮮なにんじんの葉っぱを飾りました。



ジョージ・ローガン個展: Red Road

2009-11-08 | 廚ばなし(たべもの&のみもの)
ベンツ、マイクロソフト、ギネスビールなど、たくさんの大キャンペーン広告に活躍中の売れっ子写真家、ジョージ・ローガン。今年2回目の個展のオープニング・パーティーに行ってきました。



場所はVillage Undergroundという、トレンディな街ショーディッチにあるスタジオ/ギャラリー/ダンスクラブ。
屋上に、古くなった地下鉄の車両が乗っている不思議な建物です。



屋根の下は、もとビクトリア時代の倉庫。
この近辺は、倉庫が多かったところですが、今はどれもスタイリッシュなロフト空間として蘇っています。
アーティストが多く住み、クリエィティブなグルーブがみなぎる街。
大好きな場所の一つです。

今回のローガンさんの個展テーマは「Red Road」。
彼の出身地グラスゴーにあった、公共団地群Red Roadが背景です。

60年代に、貧しい人にも快適な住環境を、と理想郷を目指して建てられた「未来の公共集合住宅」だったここ。

残念ながら、30年後には全国一犯罪率の高い、最も危険な住宅エリアになってしまいました。

ローガンさんは、ここが取り壊されると聞いてすぐ、久しぶりに訪れてみたそうです。

明け方の空に黒々と浮かぶ、高層住宅群。



「まるで、力を失ったモノリスのように、空間を切り裂いて、冷え冷えとした空気のなかにひっそりそびえ建っていた。」(モノリス=キューブリック監督の映画「2001年」にも出てくる、神秘的な力を持った黒い巨大石碑)
と、ローガンさんは、稲妻のようなインスピレーションを得て、この作品シリーズの製作を思い立ったと言う事です。

無人の高層団地。聖書から取ったテーマ。荒れはてた、希望のないエリアに住む若者や幼い子供たち。
これがRed Roadという作品を組み立てています。



このエネルギーに溢れるシリーズは、ジョージ・ローガンのHPで見ることができます。
一番見上の写真をクリックしてください。

ライフワークの、アフリカの動物たちの写真もすごい迫力。2段目の写真をクリックしてみてください。

日本でも活躍が期待される写真家です。