ロンドンの廚(くりや)

ロンドンに住むフードライター Yasukoの「廚(くりや=台所)事情」ブログです。

ジャージー島、続き

2008-09-27 | Weblog
ジャージー島は面白い所です。その位置は、イギリス本土からずっと南。
フランスが地平線に見えます。当然、フランス領土であったこともあり、取ったり取り返したりの歴史があります。
今でも、地名や道の名前などは、相当な数がフランス語のまま。
そして、第2次世界大戦の時はナチスドイツ軍が上陸し、あちこちにコンクリートの砦が残っています。

この前の書き込みで、「タックス天国」と書きましたが、イギリス人であっても、ここに住もうと外部から移住して家を買ったりする権利を得るには、ものすごいお金持ちでなければなりません。なんでも、最低年額2千万円くらい税金を納められる所得がある(ここの安い税率を当てはめてこの額!)ことが条件だとかで、とにかく億万長者しか引っ越して来れません。そして、居住者認定を出すかどうかの判断は、閉ざされた評議会のような組織が行い、その判断基準は誰にも判らず、たとえば審査員がお友達だったりするとうまく行ったりという、不思議な世界なのだそうです。

だから、安い税金、無いに等しい消費税などに惹かれて、島にどんどん人が入り人口が膨れ上がるということはないのです。
短期労働者で賃貸住宅に住む人なら、いくらでも来れますが、不動産を買えないという以外にもいろいろ制限があるようです。

すごいのは、ジャージー島で生まれ育った人(無条件に不動産購入権利がある)が、島の外からきた人と結婚した場合、一緒に家を買っても配偶者にその家の所有権は与えられないことです。

で、生まれ育った人が亡くなると、配偶者はその家を相続することはできず、売却して賃貸物件に移るか、島を出るしかありません。これは、とくに長年連れ添った夫婦などでは、大きな問題になります。
夫や妻が亡くなって、残る方が島の外から来た人間だったら、何十年そこに住んでいようが、否応無しに出て行かなくては行けません。

この規制で、国際結婚のように結婚を通して島に帰化できる人が増えるのを防いでいます。
島国根性も、ここまで徹底していると、あっぱれだと言うしかありませんね。

そんなこんなで、島の文化はよく言えば和気あいあい、悪く言えば閉鎖的です。でも、イギリス人はおろか外国人も移住しにくいと言う事で、昔のイングランドのいい所が残っていると言う人もいます。紳士道とか。

夏休みも終わり...ジャージー島はおいしかった!

2008-09-04 | Weblog
コッツウォルズの取材と2週間の休暇で留守にしたので、すっかりご無沙汰してしまいました。

本当は、旅に出ている間もレポートを投稿しようと考えていたのですが、どうにも時間がありませんでした!
やっぱり、子連れの休暇では自分の時間なんて期待してはいけないのでありました(溜息)。

ホリデーを過ごしたのは、チャネル諸島のジャージー島、イギリス最南端の島です。
イギリスに属しますが、独自の税制や貨幣(単位はポンド)を持ちタックス天国ともよばれています。
イギリスの消費税17.5%もいままではかかりませんでした。今年から限られた品物に5%のみつくようになりましたが。

だからお金持ちがとても多いのです。
中高年の日焼けしたおじさんが、ピンクのアロハかなんか着て、黄色いフェラーリや赤いランボルギーニなんか乗り回しているのを良く目にします。
だけど、島の速度規制は、良くて40マイルまで、ビーチ周辺の道路などでは20マイル。
飛ばせる道なんか全くアリマセン。
リサイクルバンクに、プラスチックや新聞の束を抱えて超高級車で乗り付けているのは、ちょっと笑えました。

島の自然は最高です。
きれいな砂浜、磯、サーフィンに適した浜、とたくさんのビーチが個性を競っています。
サイクリングルートも整備されていました。

でもやっぱり食いしん坊が特記したいのは、シーフード!!

かき、ロブスター、シーバス、タイ、スズキ....
yasukoは自炊出来るところに泊まっていたので、刺身、寿司、がんがん作りましたよ。
いつもならフライトを利用するのですが、今回は本土南端からフェリーで渡ったので、日本米やお気に入りの有機醤油、わさび、それに包丁をしっかり携えて行きました。

生ガキは一個50円くらい、ロブスターは大振りなのが2千円強と、物価はロンドン並みに高いこの島でお魚だけはうれしいお値段でしたねー。それに、新鮮だし。漁船の直売なんかもありました。

写真はジャージー島に行った初日に必ずたべることにしている、ムール貝のワイン蒸しです。

ジャージー島からコッツウォルズの取材に回り、戻って翌日からまた仕事に突入したので、なんだかとても疲れました。

今からクリスマス休暇が楽しみ...(溜息)