ロンドンの廚(くりや)

ロンドンに住むフードライター Yasukoの「廚(くりや=台所)事情」ブログです。

英国料理で忘年会はいかが

2008-11-11 | UK-Japan 2008
今日のロンドンは暴風雨。雨降りの日がとても多い年です。
しけているところへ、公認ブロガーになっている「UK-Japan 2008」から楽しいお知らせをいただいたのでさっそく。

東京を中心にあちこちにお店を持つ英国風パブ「HUB」では、この「UK-Japan 2008」にちなんだキャンペーンを展開しています。

BRITISH MUSIC COCTAIL FAIR (11月末まで)
• 新進気鋭のブリティッシュ・アーティスト(British Music 08 を見てください!)にちなんだカクテル提供。
• 店内ではBritish Music 08オススメアーチストのプロモビデオも放映。
• Mobileで参加できるオリジナルグッズプレゼントキャンペーン
(ベン・シャーマンのBeat Surrenderロゴ入りTシャツとかもらえちゃうんです。ワタシも欲しい)

• そして、12月から1月末まで公認ブロガーとそのお友達に割引優待中だそうです。
何度でもプリントアウトして使えるお得なチラシはこちらから:クリスマスパーティーや忘年会、新年会にツカエそう。

おつまみのメニューを見ていると、シェパーズパイ(ひき肉にマッシュポテトをかぶせてこんがり焼いたもの)やおなじみ、フィッシュ・アンド・チップスなど、たしかに英国風味を楽しめそうですね。

ちなみに、イギリス人にとって「飲み」と「食べ」は習慣として「別」なんですよ。
飲む時はせいぜいポテトチップスかピーナッツくらいをつまみながら室温のビールを味わい、酔っ払った所でフィッシュアンドチップスやピザを食べる、というのがフツー。

ワインは、「飲み」用ではなく食事のコンパニオンであるので、ワイン+食事というのは、パブでビールを飲むと言うのとは全く別の世界に属していました。ワイン+おつまみという感覚はやっぱりなく、あくまでも「晩ご飯のお供」でした。

しかし、最近ではこの事情はだいぶ変って来ています。パブでも美味しいワインやシャンペンを置いてますし、スペインのタパス、ギリシャから中東のメッゼ、そしてわが日本料理など「つまみを食べながら飲む」文化が紹介された結果か、ワインバーなどで「ニブル」(つまめるサイズの食べ物、パーティーなどで出される)をいただきながら飲む人も増えてきました。

居酒屋文化に育てられたyasukoとしては(笑)、この傾向は大大大歓迎ですぅ...。

キャンペーンの内容を見てついついイギリス人の飲み方について書いてしまいましたが、日本のみなさんもこの機会に英国パブの雰囲気と、英国家庭料理の味見をしてみませんか。

もうひとつ最後に特筆。
このキャンペーン中、ここで珍しいイングリッシュ・ワインがいただけるんです。

「そんな寒くて雨ばっかりの土地で、ワインなんてできるの!?」と思うでしょう。
yasukoも前はそう思っていましたが、試飲してびっくり、美味しいワインが結構あるんです。
なんでも、イギリスには、ローマ時代にシーザーによってワイン作りがもたらされたそうです。
それからしばらくもっと暖かい地方産のワインに凌駕されていましたが、温暖化のお陰か20世紀後半になってまた盛んになり、どんどんおいしい銘柄がでてきたとか。

今回Hubで紹介されているのは、ケント州という、イングランドの南東にある美しいカントリーサイドのワイナリー「Chapel Down」からの白。バッカスという、NAのソーヴィニヨン・ブランに似た味のすっきり、柑橘系の香りも高い品種がつかわれたものです。イギリスワインはもっと気軽に飲まれてもいいと思います。yasukoもこれから一杯紹介します。
ぜひ味見の感想をお寄せください!

キャンペーンのHP

HOT FUZZ - 俺たちスーパーポリスメン!

2008-08-02 | UK-Japan 2008
食べ物とは関係ないお話なのですが、今、渋谷で映画「HOT FUZZ - 俺たちスーパーポリスメン!」をやっているそうです。
アクションものの映画はあまり見ないyasukoがなぜ、この映画のことを紹介したいかと言うと、主役の「エリート過ぎて嫉妬され、左遷された警官」を演じるサイモン・ペッグさんが、一昨年結婚するまでずっとご近所に住んでいた、ローカルセレブだからなのです...。

ペッグさんはもともとコメディアンで、メディア、アートとエンタメ業界人が集中して住むことで知られる、この北ロンドンのちいさな街に10年以上住んでたようです。イギリスでもアメリカでもヒットした前作ホラーコメディ、「ショーン・ザ・デッド」は、ここが舞台となってます。いつも買い物に行く店にゾンビがうようよと徘徊しているのを画面で見た時は、抱腹絶倒しました。

彼自身の名前がよーく知られるようになったのは、この映画の前にいくつか彼自身と友人たちによって製作されたテレビコメディ・ドラマのヒットによります。しかし、ペッグさんの顔をそれよりずっと前から知っていたローカルは少なくありません。というのは、いつも地下鉄駅のエスカレーターを、すごい形相で駆け下りて電車に飛び乗る「へんな男性」として地元では知られていたからです。yasukoも3-4度、怒濤のように改札をくぐり、階段を2段飛びしているのを見かけたことがあります。

6-7年前くらいでしたか、ペッグさんの顔がテレビのあっちにもこっちにも、そして映画のポスターにも溢れるようになり、「あれって、駅の階段駆け下り男じゃない!」と叫んだのは、ワタシ一人ではありませんでした!

なんでいつもいつもあんなに急いでいたのか、よくわかりません。

で、肝心の映画ですが、アクションは壮快で大仕掛けです。
彼自身、たくさん脚本を書いている文人でもあり、ここまでハチャメチャなストーリーを良く、一本の映画にまとめたなあと感心します。出来すぎる主人公が、同僚からも上司からも疎まれ嫉妬されて左遷される様子、ここにはイギリス文化のコワイ一面がとっても良く現れています(笑)ブラックジョークもふんだんに盛り込まれてます。

英国的ジョーク、コメディ、ホラー映画が好きな方はぜひ、この機会に見てください。
上映情報は
こちらから

そうそう、ひとつ前の投稿「ミッシェリーン・アーシエー」の話、「UK-Japan 2008」公式サイトに
転載されました!

ロンドンのここでしか買えないアロマ:ミシェリーン・アーシエー

2008-07-28 | UK-Japan 2008
今どき支店も出さず、デパートなどでの販売も拒み、ただ一筋に手作りの商品を提供し続ける、という頑固なお店はめずらしくなりました。

先週訪ねた「Micheline Arcier ミシェリーン・アーシエー」は、そんなお店。
アンティークのフレンチ家具がとても可愛いインテリアです。

ここで売られているアロマオイルやアロアセラピー用品は、創設者でフランス人アロマセラピストだった、アーシエーさんのレシピに忠実に作られているそう。

フランスやイギリスでは、ホメオパシー、アロマテラピなど現代西洋医学とは流れを別にする代替医療が昔から盛んでした。アーシエーさんは、医学博士と組んで、西洋医学の手が及ばない症状にアロマが効くかどうか徹底的に研究、実験を重ねてその効果を確信し、独自のオイル調合に至ったそうです。しかし、完璧主義者なため、工場での量産などぜったいに受け入れませんでした。小さな商売のままでい続ける事を、後継者の娘さんにもしっかり言い含めてこの世を去ったとか。
ここで売られているアロマオイルは、今もすべてこの娘さんの手による調合なのだそうです。

利潤を追う事だけがもてはやされる時代にあって、なんという心意気。
専属アロマセラピストのジュリさんにお話を聞きながら、すがすがしい気分になりました!

王室御用達のサインが、誇らしげにドアに掲げられていますが、この御用達の認証というのも、数年ごとに厳しい審査をクリアしなくてはならず、いちど御用達になったからといって安心などできないのです。そのタイトルをもう10年以上も保持しているのも、ここの製品の質の高さのあらわれでしょう。

ハロッズなど有名デパートがならぶ地域、ナイツブリッジにあるこの小さなお店。
うっかりすると通り過ぎてしまいそうです。(マップ)

ベルを鳴らしてドアを開けてもらうと、ラヴェンダーの香りにふわーっと包まれ
、外の喧噪がうそのようにリラックスできます。旅行者にも利用しやすいエステルームも地下にあり、フェイシャルからボディまでさまざまなトリートメントを受けることもできます。

かわいい薄荷色の袋に入れてくれるバスオイルセットは、今度里帰りするとき、大事な友達へのおみやげにしようと思っています。

お店のHP

「フェアリーズ」Faeries: Royal Opera Houseにて

2008-07-20 | UK-Japan 2008
6歳の娘につられて、不思議なバレエ+人形劇を見てきました。

タイトルは「フェアリーズ」。人魚だの妖精だのお姫様だのが大好きな年頃の娘は、きっと、虹色の舞台で美しい衣装を着たバレリーナ達が舞い踊るのを期待していたと思います。ところが、これは第2次世界大戦のころのロンドンと田舎を舞台にした、かなり暗いおとぎ話でした。にもかかわらず、怖いのは大嫌いな娘が、最後まで憑かれたように舞台を見つめ、笑ったり、恐怖に思わず耳を塞いだりしてすっかり魅了されていました。

舞台は、ロンドンの王立オペラ劇場の最上階、屋根裏のような所にあるクロア・スタジオという小さなホールです。
小さいとは言えここもロイヤル・オペラ・ハウス。粒ぞろいのパフォーマンスばかりが上演されるプレスティージャスなステージです。

昨日のプロダクションも、ほんとうにトップクラスのダンサーの信じられないような表現力と、可愛いとはお世辞にも言えないけれど妖しい魅力を讃えた妖精、憎めない妖怪達がとても印象的でした。特に、妖精といっしょに森で暮らすトンボかハチのような生き物が出てくるシーン。懐中電灯に羽がくっついたような「虫」を、ダンサー達が手につけて操るのですが、トンボの動きばかりでなく、操者そのものの動きも、つま先でホバリングしたと思うと、目にも留まらぬ早さで横にシュッと移動したりと、あまりに羽虫らしくて目が釘付けになってしまいました。

振り付けと監督は、熊川哲也さん主宰の Kバレエカンパニーにも作品を提供した事のある、ウィル・タケット。自身が有名なバレエダンサーながら、枠にはまらない独特の劇をたくさん作ってきた人。ちょっとだけ不満だったのは、背景音楽はとても美しいのだけど、常に音が鳴り続けていてうるさかったことかな。静寂という最高のサウンドトラックを活かしていないのが残念でしたが、子供も喜んだし、いい気分で劇場を後にしました。

ところが....帰路で、ロンドンの地下鉄につきものの「信号故障」で、蒸し暑い車内に缶詰に。普通なら30分で帰れるところが1時間以上かかり、へとへとに疲れました....。

Claire Sproule - UK-Japan 2008 イチ押し。

2008-07-14 | UK-Japan 2008
UK-Japan 2008のキャンペーンでは、まだ日本に全く紹介されていない「注目の新人アーティスト達」を紹介する、と言う心憎い事をやっています。yasukoはひさびさに、音楽聞きっぱなしの午後を過ごしましたー。

ダントツに気に入ったのが、クレア・スプロウル Claire Sprouleです。アコースティックなのにファンキーなサウンド+しみじみとしてはいるけれど、湿っぽくはない歌声、というコンビネーションが絶妙!

好きなアーティストはジョ二・ミッチェル、エルビス・コステロ、トム・ウェイツ、エラ・フィッツエラルド、ランディ・ニューマン...と聞けば、このコンビは納得です。yasukoも大好きな面々ばかり。ユニバーサルで渋ごのみなんだわー。

yasukoはすっかりなごんでしまい、聞きながらどんどんソファの背もたれに沈んでいきました。

北アイルランドのドゥネガル出身のクレアは、すでにアル・グリーンやDr. ジョンなど、ファンキー/ブルーズ系の重鎮と共演を果たし、UKでのファンベースもどんどん厚くなっているようです。

日本でまずブレークして、世界のスーパースターの座に昇ったUKアーティスト/バンドと言えば、クィーン、デュラン・デュラン、ジャパンなんかがいますが、彼女は、スーパースターやセレブになる夢などを見ているのではなく、アーティストとしてしっかり地に足の着いた活動をしたい、もっとたくさんの人に自分の音楽を聞いてほしいとがんばっているそう。これにも好感度ばっちり。ぜひ、日本から大応援をしてあげようではありませんか。

蒸し暑くて、何をしてもいらいらする時....聞いてください、クレアの涼しくファンキーな声を。

クレア・スプロール Clair Sproul

「F」

UK-Japan 2008を盛り上げよう。

2008-07-04 | UK-Japan 2008
UK-Japan 2008は、芸術、科学技術、クリエイティブ産業の3分野にわたって、英国の「いま」を日本に紹介し、日本とイギリスの相互コラボを促したり、交流を深めようというキャンペーンです。年末まで、いろいろなイベントが日本で行われます。

yasukoはここの公認ブロガーになりました!

なんで今年こういうことが行われているかと言うと、まず今年は日英修好通商条約調印150周年、という記念すべき年なんですね。イギリスと、まだ鎖国時代だった日本は、実は1857年からおつきあいを始めていたのです。

だいたい、日本はとイギリスの縁は深いんです。
スコットランド人のトーマス・グラバーさんが、若い藩士たちをこっそりイギリスへ渡航させたのは有名ですね。たしか日本で映画になったのではなかったでしょうか。その中には伊藤博文など、のちに日本に戻り現代日本の礎を敷いたエラい人がたくさん、います。

スコットランドの都市グラスゴーに取材に行くと、今でも「あんたは日本人かい。昔、刀をさしたサムライがこの道を歩いていて、通行人を驚かせたそうだ」という話を聞かされる事がよくあります。密航組は、かたくなに洋装を拒んだ人と、率先して燕尾服に手を通し社交ダンスを習ったという人とに分れていたようですが、それぞれの感性で受け取った英国文化を、日本に伝えてくれたんですね。

それから150年、日本はG8のホスト国を務める先進国となりました。イギリスは伝統を越えてイノベーション、クリエィティブ産業がものすごく盛んな国。バイオなどの科学もすごいです。なにせ、ケンブリッジ、オクスフォード、インペリアルカレッジ、UCLなど世界でも最高クラスの大学はあるし、そこに世界中から優秀な頭脳が集まってとんでもないパワーを形成してますからねー。

日英関係の歴史は、掘れば掘るほど面白いです。また書きますが、その間に日本で繰り広げられるさまざまなイベント、どうかお見逃しなく!!

yasukoもノーベル賞受賞者ハロルド・クロトー卿の講演なんて、絶対聞いてみたいです。好きなイギリス映画も上映されたりするので、そんなこんなもまた。

UK-Japan 2008 公式サイト