Shirakuのモノローグ

矢坂芝楽の日々あれこれを綴ります

「明日との~ 第2部」あらすじ

2014-10-31 22:26:03 | SUZUMARU
さて、只今稽古中の「明日との~ 第2部」…

いまのところ一般公演の予定はありませんが、今日はそのあらすじを紹介させて頂きます。


「明日との約束 第2部~石松と小政~」


☆あらすじ☆

時は江戸時代の末期である安政4(1857)年。

駿河国の清水を拠点に、その勢いを東海道全域に拡げつつある“次郎長一家”は、仇敵である“保下田の久六”を討ち果たす為に金比羅さんに願をかけ、見事久六を討ち果たした。
その後、金比羅さんへお礼参りへと、役人の目があって清水から出られぬ親分“次郎長”の代参として子分の一人“森の石松”が向かった。
石松は無事役目を終え、急ぎ清水へと足を進めるのだが、途中立ち寄った遠江国の都田村で幼馴染みの吉兵衛と再会する。

同じ頃…

都田村の隣村…小松村に暮らす石松の弟分“七五郎”の家に一人の渡世人が居候していた。その男は“居合い抜きの政五郎”と海道の渡世人たちに名を馳せるほどの剣の腕を持つ男で、彼もまた次郎長に出会うまでの石松の様に自身の明日を求めていた。

――俺に明日はあるのか――

そして石松と吉兵衛の間に起こったある出来事をきっかけに、政五郎は石松と出会う事になるのだが…


12月14日(日)、彦根市の料亭旅館“やす井”で行われる大石まどかさんのディナーショーに参加の方は、ぜひお楽しみ下さい。

曲順決定

2014-10-30 22:36:12 | RONIN
今日はRONINの練習。

ライブの日が迫ってきた。

今日は曲順を決めた。
持ち時間は40分で、RONINは6曲演奏させて頂く。
当日は精一杯叫んでみたいと思う。



お近くの方は是非ぶらりとお立ち寄り下さい。

「明日との~ 第2部」稽古5日目

2014-10-29 22:04:31 | SUZUMARU
今日は序盤部分の、ある一場面を徹底して作りあげる。

形を作り、場面と人物を掘り下げながらハートを乗せていく。
何度も繰り返し、動きとハートを固めていく。

そして立ち止まって物語全体を眺める。
その後の場面における台詞の意味を様々な角度から検証し、再び序盤に戻って繰り返す。

今作品では序盤における見せ方にこだわりだした。
皆が集まり辛く、個別に稽古を進めている副産物でもあるが…

これまでの作品では、核になる場面から考えたり、結果から逆算的に物語を考えて作り上げてきたが、序盤のこだわり方で物語の要素が大きく変わる…
ここにきて新たな発見である。

一つの物語を…登場人物ひとりひとりを結果からの固定観念にとらわれず、降り幅を大きく広げて結果に向かう。
柱となるものがブレなければ、それでいい。

書いている時は、ある意味固定観念を持って書いているが、演出をしながらそれを崩していく。いや崩される。
作も演出も僕であるが、ようやく客観的に物語を見れる様になったのか。

本当の意味で芝居作りが面白くなってきた様に思う。

ジグソーパズルの様な邪道な作り方であるが、序盤にこだわり、そこからひとつひとつ場面を作り上げ、全てのピースが合わさった時、最終的にどのような物語として伝わるのか? 観る側が何を感じるのか?

僕自身も楽しみになってきた。

次は中盤を固めていきたい。
いよいよ小政の登場だ。

小政な話

2014-10-28 22:58:12 | SUZUMARU
昨日は“森の石松”について書かせてもらったが、今日は「明日との約束~ 第2部」のもうひとりの主役である“小政”について。

「山椒は小粒でピリリと辛い」と言われる“小政”。
様々な作品では、小柄で剣の達人として描かれる事が多い。
しかしながら、やはりはっきりとした事は判らず、そのキャラクターは講談や小説といった物語の中で作られていった。

次郎長の養子となった天田五郎が記した「東海遊侠伝」では、小政の登場は石松が死んだ後に起こった天竜川の決闘の頃からである。
村上元三氏の「次郎長三国志」では、石松と入れ替わりで子分になっている。

講談や映画等で有名な石松の三十石船の場面…「すし食いねえ」で小政の名が出てくる事から、わりと早くから登場している物語もある。

SUZUMARUの「明日との~ 第2部」では、石松との入れ替わりで子分になる方を採用させてもらった。
また、当然剣の達人である事も。

剣の達人というエピソードでは、ピストルを持って東海道筋を荒らし回っていた5人組の無頼者を、相手がぶっ放つピストルをものともせず、あっという間に斬り殺したとも。

さて、その最後であるが…
これもまた様々な説がある。
明治6年、獄中で病死したとも、その凶暴性をおそれられて毒殺されたとも。
また、翌7年に出獄し、その後とある刀剣商の長屋で急死したとも、斬り込まれて斬殺されたとも。
事の真相は如何に?

次郎長の信頼を受け、養子にまでなった小政という男。

今回「明日との~ 第2部」では小政と名乗る前の“政五郎”という名で登場する。
演じてくれるのは、劇団プラネットカンパニーの岩口浩平くん。



岩口くんはどんな小政を演じてくれるのか?
ひじょうに楽しみなところでもある。

石松な話

2014-10-27 20:38:46 | SUZUMARU
劇団SUZUMARUの次回上演作「明日との約束 第2部~石松と小政~」…

今日は、その作品の主役のひとりである“森の石松”の話を少し。

“森の石松”と言えば、清水の次郎長の子分の中でも最もよく知られ、彼単独でひとつの物語が出来てしまう程である。
しかし、そのキャラクターやエピソードはほぼ作られたもので、実際にはどういう人物であったのかは判ってはいない。

判っているのは三河生まれで次郎長の子分のひとり。そして次郎長の代参で金比羅詣でに行った帰りに死んでいる…その程度である。
それが講談や小説、映画やドラマで様々なキャラクターに描かれ、やがて人気を博していった。

講談では隻眼になり、更にはバカな男として語られ、村上元三氏の「次郎長三国志」では、その上に吃りにされている。
そういった男が親分“次郎長”と共に精一杯生きて死んでゆく…その姿が人々の共感を得たのであろう。

しかしながら、実はその石松のキャラクターについてはモデルになった男がいる。
それが、同じ次郎長の子分である“三保の松五郎”…通称“豚松”。

元は清水の漁師で、酒好きで喧嘩好き。
喧嘩で片目片腕を奪われ、瀕死の重傷を負ったにも関わらず、医師から「傷が治るまで酒を呑むな」と言われながらも酒を呑んだ事で死んでしまった男。

次郎長が特に可愛がった子分のひとりとも言われている。

今回の演出で僕はオリジナリティを出す為、石松を隻眼にしていない。
が、酒好き…漁師…というキーワードは採り入れている。

そう、そして石松…

今作品で石松を演じてくれるのは、SUZUMARUの劇団員“松本清史”さん。



SUZUMARUでは、今作品で3度目の石松役であるが、これまでとは全く違う石松を見せてくれる事を期待している。