山の天気予報

ヤマテンからのお知らせや写真投稿などを行います。

【重要】「山の天気予報」の表示不具合解消のお知らせ

2018-01-17 11:27:15 | おしらせ

平素より「山の天気予報」をご利用いただき、誠にありがとうございます。

本日未明より、システムに不具合が発生したため、レーダー画像および専門・高層天気図の更新が停止しておりましたが、11時20分頃に復旧し、最新のものに更新されております。

この度はご不便・ご迷惑をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます。

引き続き、「山の天気予報」への変わらぬご愛顧を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

山の天気予報
システム担当

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【重要】「山の天気予報」の一部表示不具合につきまして

2018-01-17 08:05:37 | おしらせ

平素より「山の天気予報」をご利用いただき、誠にありがとうございます。

現在、「山の天気予報」サイトにおきまして、一部に表示不具合が生じております。
ご迷惑をお掛けしまして、大変申し訳ございません。

【障害内容】
・専門・高層天気図が最新のものに更新されていない
・レーダー画像が最新のものに更新されていない(無料トップページおよび、各山の天気予報ページ内)

なお、天気予報や大荒れ情報など、他の情報の表示には問題はございません。

障害が復旧しましたら、改めてお知らせいたします。
ご不便、ご迷惑をおかけしておりますこと、重ねてお詫び申し上げます。

山の天気予報
システム担当

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謹賀新年

2018-01-13 17:32:49 | おしらせ

山の天気予報会員各位

明けましておめでとうございます。
年始からヤマテンをご利用いただき、まことにありがとうございます。
本年も気象リスク軽減と、皆様が登山計画を立てる際のお役に立てるよう、社員一同、全力で気象情報を発表させていただきますので、何卒よろしくお願いいたします。

さて、今年は山の天気予報の発表を始めてから10年になります(当初はメール配信のみ)。そこで、昨年末ご協力いただきましたアンケート結果を元に、ページのリニューアルと情報の充実を推進していきたいと思っております。まずは、関西地区の皆様からご要望が多かった冬季の比良山系の予報を開始します(週末のみ)。さらに、東京オリンピックを控えて海外からの登山者が増えることが予想されます。2013年夏には中央アルプスで韓国人の遭難がありました。そこで、夏までに英語版、韓国版での情報配信を予定しております。

また、ヤマテン主催講座や、ヤマテンの気象予報士が講師を担当する講座でポイント制を導入し、ポイントが溜まった方へのプレゼントを予定しています。

アンケートの結果、ご要望の多かった7日間予報につきましては、3日以上先の夏期間の精度が特に低くなることから今年も見合わせます。今年同様、大型連休期間前のみの発表とさせていただきます。また、3日先予報については導入を検討しておりますが、夏期間の予報精度が低いことと、気象予報士を新たに雇用することや、予報できるレベルまで育成することが課題になっております。

皆様もご存じの通り、ヤマテンの予報は他社の予報と異なり、数値予報の計算結果を自動的に変換して算出する予報ではありません。予報士がイチから手作りで予報をしています。それは、山の予報は数値予報では表現できない部分が多いため、精度が下がるからです。また、登山者のための予報は、単に天気予報を予想すればよいというものではないと思っております。同じ天気でも登山道によって想定されるリスクが異なります。そこで、ヤマテンではコメントの中に、具体的に予想される気象リスクを明記しています。また、予想が外れそうなときや同じ山域でも場所によって天気が異なることが予想されるときには、その旨明記しています。さらに、前日に落雷や短時間強雨の予想がされていないときに、そのリスクが迫っているときは臨時の情報を発表することで、皆様の気象リスクを減らす努力をさせていただいております。

このようにきめの細かな情報を手作りで提供していることから、全国18山域59山の予報が限界となっています。
予報山域を増やしたり、3日先予報を実現するには山岳気象に精通した気象予報士を増やす必要があります。
山の天気予報は、会員の皆様からのご利用料金で運営されております。利用料金を上げることは考えておらず、予報士を増やしたり、情報を充実させていくためには、会員数を増やすことが必要です。
もし、皆様のお役に立てる情報だと思っていただけるのでしたら、ぜひご友人に勧めてください。
皆様のお力が、山の天気予報の改良に繋がっていきます。ご協力の程、何卒よろしくお願いいたします。

至らない点も多々あると思いますので、さらに良い情報を発信できるよう、社員一同、努力してまいります。
本年も何卒よろしくお願いいたします。
ありがとうございました。

2018年1月4日
(株)ヤマテン 代表取締役
猪熊隆之

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猪熊隆之の観天望気講座106

2018-01-06 11:32:00 | 観天望気

~丹沢空見ハイキングで見られた雲partⅡ~

前回に引き続き、12月23日~24日にアルパインツアーの丹沢・塔ノ岳登頂ツアーの際に見られた雲と気象状況についての解説です。24日は23日とは一転、塔ノ岳山頂では朝からガスに覆われました。

写真1 24日朝の塔ノ岳山頂(栗山利男さん撮影)

なぜ、1日でこうも天気が変わってしまったのでしょう(山ではよくあることですが)。その答えを得るために、天気図を見てみましょう。

図1 24日6時の天気図(気象庁提供)

 天気図を見た限りでは、丹沢付近は高気圧に覆われているように見えます。しかし、よく見てみると、高気圧の中心は丹沢より東側にあります。つまり、partⅠで説明した②のパターンです。

今回のハイキングでは、23日の状況は⑤の状況(partⅠ参照)、24日は②の状況になります。ただし、24日の天気図を見ると、③じゃないかと思われる方も多いでしょう。③か④かの判断は地上の天気図では難しいこともあるので、850hPa風+相当温位予想図を見ると良いでしょう。

この天気図は、高度約1,500m上空の風の強さや向き、相当温位を現わしたものです。相当温位とは簡単に言えば、温度と水蒸気量を併せた指標で、

相当温位が高い・・・温かく湿った空気

相当温位が低い・・・冷たく乾いた空気

ということになります。予想図では相当温位が高い所は赤や桃色など暖色系で表示され、低い所は紫色や青、水色など寒色系で表示されます。相当温位は温度に左右されるため、夏場は高くなり、冬場は低くなります。それで、冬は寒色系の表示となりますが、重要なのは高いか低いかではなく、周囲に比べて高いか低いかなのです。

当日の朝(図5)の相当温位予想図を見ますと、関東地方では相当温位が低い寒色系の色が広がっていますが、良く見ると、南東の方向から周囲より相当温位がやや高いエリアが侵入しています。また、能登半島沖の日本海から東北地方の日本海側へも周囲より高いエリアが侵入していますね。また、丹沢は高気圧の左側(西側)に入り(図1)、南風が吹く気圧配置です。南側には相模湾があり、そこからの湿った空気が入りやすくなります。その湿った空気が丹沢の山で上昇させられて雲が発生した訳です。

図2 24日6時の850hPa(高度約1,500m)の風と相当温位予想図

図:山の天気予報専門天気図 https://i.yamatenki.co.jp/より

もうひとつこの天気図から見ておきたいのは風の向きと強さです。風の向きは矢羽で示されています。風の強さは矢羽の羽根の本数を見ます。低体温症や転滑落のリスクが高まる平均15m/s以上の風速は羽根が3本以上の場合です。見方は下図をご参照ください。

図3 風の強さと向きの見方(山岳気象大全「山と渓谷社」より)

実は、2016年4月16日におこなった塔ノ岳での空見ハイキングでも同じような気圧配置となりました(図4)。 

図4 4月16日6時の天気図(気象庁提供)

丹沢は高気圧の中心近くにありますが、中心がわずかに東にあるだけで、同じようにどんよりと曇ってしまったのです。詳しくは観天望気講座83(下記URL)をご参照ください。

http://blog.goo.ne.jp/yamatenwcn/e/6951b4542d9cf69887ddf487c8239c33

さて、話を12月24日に戻しましょう。この日は濃霧でスタートしましたが、少し下ると雲の下に入りました(写真2)。また、相模湾では陽が射しているところもあります。

写真2 表尾根縦走路からの相模湾と三ノ塔

このようなときは、雲底の高さの変化を見ると、今後の天気が予想できることが多いです。雲底がどんどん下がっていき、塔ノ岳の山頂付近を覆っていた雲がさらに下がってくるようであれば、天気は崩れていきます。しかし、このときは時間とともに次第に上昇して昼前には塔ノ岳も雲から脱し、昼過ぎには塔ノ岳より標高の高い丹沢山でも雲から脱しました。こうしたときは天気が持つことが多いです。

さらに霧に覆われたときには、上空を見上げてみましょう。霧が濃くて暗い感じのときは雲が厚い証拠です。雨が降り出してもおかしくない状態です。一方、霧が明るいときは、上空では晴れています。そこで、空が段々明るくなってくるようなときは、霧が晴れてくる可能性が高いので、今後の状況に期待しましょう。

24日はこのように天気が回復していき、富士山も再び顔を出してくれました。また、上空には青空が広がっていき、暈(かさ)を見ることができました。暈については観天望気講座93をご参照ください(下記URL)。

http://blog.goo.ne.jp/yamatenwcn/e/3f8e6696c91739f680fe1f447cf2236a

写真3 日暈

さて、このように天気が回復した理由を天気図から見ていきましょう。

図5 24日15時の予想天気図

図:山の天気予報専門天気図 https://i.yamatenki.co.jp/より

天気図を見ると、高気圧は朝よりも東に去っていき、等圧線の間隔も少し狭い領域に入って、南からの風がやや強まっていくことが想定されます。それなのに天気が回復したのはなぜなのでしょう。こちらも地上天気図では分かりにくいので、1,500m上空の相当温位と風の予想図で見ていきましょう。

図6 24日15時の850hPa(高度約1,500m)の風と相当温位予想図

図:山の天気予報専門天気図 https://i.yamatenki.co.jp/より

相当温位自体は6時のもの(図2)より少し高くなっていますが、周囲との状況を比較すると、周囲より高いエリアが東へ抜けて、低いエリアに覆われてきていることが分かります。ということで、湿った空気の入り込みが弱まったことが原因だと思われます。

このように、相当温位を活用して地上天気図では分からない天気を予想することができま

す。見慣れないうちは見方が難しいですが、慣れてくると、段々使えるようになっていきます。特に、梅雨期や秋雨の時期には大雨を予想するうえで必須のアイテムになってきます。ぜひ、ご活用ください。

※図、文章、写真の無断転載、転用、複写は禁じる。

写真、文責:猪熊隆之

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猪熊隆之の観天望気講座105

2018-01-05 22:13:49 | 観天望気

~丹沢空見ハイキングで見られた雲partⅠ~

今回は、12月23日~24日にアルパインツアーの丹沢・塔ノ岳登頂ツアーの際に見られた雲についてです。大倉尾根を登り、山頂にある尊仏山荘に1泊して翌日、表尾根を下るゆったりプラン。雲を見る登山は1.ゆったり行程 であること、2.山頂や稜線上の小屋に泊まるか幕営する この2つが重要です。ゆったりした行程であれば、雲を眺める時間ができますし、山頂や稜線上は空が広くて雲の変化を見るのに最適だからです。さらに、朝焼け、夕焼け、夜景などのお楽しみもオマケでついてきます。そのときの写真をfacebookにアップしました。興味のある方は下記URLでご覧ください。

https://www.facebook.com/takayuki.inokuma/media_set?set=a.1759787534040453.1073742180.100000276714718&type=3&pnref=story

さて、丹沢は天気が変わりやすく、予想が非常に難しい山です。山の天気は「海側から風が吹くと崩れる」というのが鉄則ですが、丹沢のすぐ南には相模湾があり、東側には太平洋、南西側は駿河湾と北東から南西の風が吹くと、海からの湿った空気が入りやすいからです。

下の図を見ると、丹沢と海との位置関係が良く分かりますね。

図1 丹沢の位置

図2 23日6時の天気図(気象庁提供)

さて、23日の天気図を見ると、高気圧の中心が丹沢の西側にあります。こういうときは高気圧からの北西風が吹いてきます。図1を見ていただくと、丹沢の北西側は陸地が続いており、高い山も沢山あります。つまり、海からの湿った空気が入りにくい風向ですね。また、高気圧の中心が近づいてきて下降流域に入ります。

ということで、お天気が良くなりました。

写真1  高気圧前面に入ったときの丹沢の天気。空気が澄んだ冬は富士山はもちろん、南アルプスまで見渡せる。

丹沢の天気は高気圧との位置関係に大きく左右されます。たとえ、高気圧に覆われているように見えても雲に覆われることが沢山あるのです。そういうときは天気予報を見ても参考になりません。ということで、高気圧がどういう位置にあるときに、天気が良くなったり悪くなるのかを見ていきましょう。

図3 丹沢と高気圧との関係

   

①    は丹沢から見て高気圧が北にある場合で、高気圧からの北東風が太平洋上を通る間に湿った空気となり、丹沢を含む関東南部平野部で曇天となる形です。

②    は高気圧が丹沢の東にある場合で相模湾からの湿った南風が吹きつけて丹沢では霧に覆われることが多くなります。

③    は高気圧の中心に入り、下降気流となるため、お天気は良くなります。

④    は高気圧からの湿った南西風が入るため、丹沢では霧に覆われ、風も強まることが多くなります。一方、関東平野では山を吹き降りる下降気流となるため、天気の崩れが小さくなることが多いです。

⑤    は高気圧からの北西風が吹き、中部山岳を吹き降ろして乾いた空気となるため、お天気が良くなります。

今回のハイキングでは、23日の状況は⑤の状況、24日は②の状況になります(partⅡを参照)。ただし、24日の天気図を見ると、③じゃないかと思われる方も多いでしょう。③か④かの判断は地上の天気図では難しいこともあります。そんなときは、1.現場で風向きをチェックする 2.事前に知りたい場合は高度1,500mの相当温位予想図を活用

次回(partⅡ)は2.の相当温位予想図活用法と24日に見られた雲から分かることについて解説します。

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