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山の天気予報

ヤマテンからのお知らせや写真投稿などを行います。

猪熊隆之の観天望気講座74(上級編)

2015-10-16 19:14:59 | 観天望気

今日は、関東地方ではぐずついた天気となりましたが、中部山岳では好天に恵まれました関東に悪天をもたらした、高気圧から吹き出す湿った東風に伴う雲が八ヶ岳周辺でも見られましたので、これについて解説していきます。

●天気は東から崩れる!?

通常、天気は西から崩れることが多いのですが、今日は東から雲が広がっていきました。

 

画面の奥が東から南東方向です。関東地方の方から湿った東風が入り、それに伴って帯状の雲が八ヶ岳の右側に広がる林の奥に見えます。また、ここから吹く南東風が八ヶ岳に沿って上昇し、雲を発生させています。また、八ヶ岳の裏側からも東風が入り、稜線の奥に雲が見えているのが分かります。その雲が山を越えると下降気流となって、手前側の茅野の山麓では晴れているのです。

遠くから見ると、この雲はやる気がある雲(もくもくと上へ上へと成長していく雲)ではなく、やる気のない雲(雲のてっぺんが水平になった薄い雲)であることが分かります。これは上空に乾燥した空気があることと、大気が安定していることが原因です。

上図は輪島上空の大気の状態を表したグラフ(エマグラム)です。八ヶ岳付近に高層気象観測地点がないので、輪島と浜松からのエマグラムを見ていきます。まずは、輪島からです。右側の太い線が気温、左側が露点温度(空気を冷やしていったとき、雲ができる温度)を表しており、この間隔が開いているほど、空気が乾いていることを示しています。つまり、高度1,500m付近から4,500m付近で空気が乾いていることが分かります。

一方、浜松のエマグラムも見ていきましょう。

こちらも、2,000m付近から4,500m付近で空気が乾燥しています。また、温度が高度とともに下がっている割合が小さくて、大気が安定していることが分かります。ちょっと難しいですが、2,000m付近から上空に乾いた、安定した層があることが分かる訳です。

八ヶ岳はこれら2地点の中央より少し東側にありますから、これらの地域よりもっと乾燥した空気が上空に後退している可能性があります。そこで、関東地方の館野(つくば市)のエマグラムを見てみましょう。

こちらは、湿った空気が入り、2,500m付近までは温度と露店温度の差がほとんどなく、非常に湿っています。乾いているのは、3,500m以上です。

ここと浜松や輪島の間だとすると、八ヶ岳付近では2,500m~3,000m、ちょうど八ヶ岳の稜線付近が湿った空気と乾いた空気の境界になると思われます。実際、今日は稜線の高さまで雲が達するときと達しないときがありました。

さて、湿った空気による雲は衛星画像で見ると、さらに良く分かります。

地上天気図で気圧配置を確認してみましょう。北緯40度付近に中心を持つ、東西に連なる大きな高気圧があります。一方で関東地方はこの高気圧の南側に位置し、高気圧からの北東や東風が入りやすい形です。このようなとき、高気圧の南側では東風が吹き、東の海上から雲が侵入してきて、東から天気が崩れていきます。

※地上天気図と衛星画像は気象庁ホームページより。エマグラムはhttp://mikkun.yu-nagi.com/01sci/027-emagram.htmlより。写真は猪熊隆之撮影。
※図、文章、写真の無断転載、転用、複写は禁じる。

文責:猪熊隆之

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今朝の八ヶ岳・甲斐駒

2015-10-16 08:08:03 | 日記

今朝の八ヶ岳・甲斐駒ケ岳は快晴。稜線がきれいに見えています。

7時のウィンドプロファイラでは、河口湖の上空2kmで6m/s、3kmで6m/sの風となっています。

 

●赤岳天望荘(2722m) 7時現在 1℃ 晴れ 東風

今朝の最低気温 1℃ 昨日の最高気温 6℃

●八ヶ岳山荘(1502m) 7時現在 5℃ 晴れ

今朝の最低気温 3℃ 昨日の最高気温 12℃

 
 
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今朝の八ヶ岳・甲斐駒

2015-10-15 08:20:09 | 日記

今朝の八ヶ岳は、晴れ。稜線がきれいに見えています。甲斐駒ケ岳も、山麓からは低い雲に隠れて見えませんが、稜線は晴れています。

7時のウィンドプロファイラは、河口湖は2km・3km欠測。熊谷2kmで5m/sの風となっています。

 

●赤岳天望荘(2722m) 7時現在 1℃ 晴れ 西風弱い

今朝の最低気温 -3℃ 昨日の最高気温 6℃

●八ヶ岳山荘(1502m) 7時現在 3℃ 晴れ

今朝の最低気温 3℃ 昨日の最高気温 13℃

 

 

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今朝の八ヶ岳、甲斐駒

2015-10-14 07:52:29 | 日記

今朝の八ヶ岳は快晴です。甲斐駒もよく見えています。

河口湖7時、2km5m/s、3km欠測。他の地点をみると、上空の北西風は徐々に落ち着いてきています。

●赤岳天望荘(2722m) 7時現在 1℃ 晴れ

今朝の最低気温 -1℃ 昨日の最高気温 3℃

●八ヶ岳山荘(1502m) 7時現在 2℃ 晴れ

今朝の最低気温 2℃ 昨日の最高気温 12℃

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猪熊隆之の観天望気講座73

2015-10-13 18:15:04 | 観天望気

体育の日の連休から日本列島には、この時期としては強い寒気が入っています。富士山や立山では初冠雪を記録し、北アルプスや木曽駒ヶ岳、南アルプス主脈の稜線などで積雪を観測しました。幸い、低体温症などによる大きな事故はなかったようですが、この時期はいつ吹雪いてもおかしくない季節です。天気図やヤマテンの大荒れ情報などを確認するとともに、現場で雲の様子からリスクを想定していきましょう。

●稜線で荒れた天気となる危ない雲

危ない雲を八ヶ岳(上)と白馬岳(下)の例で見ていきましょう。

八ヶ岳の稜線にべったりと張り付く白く厚い雲。この雲が現れたら、山麓は晴れていても山の上は風が強く、ガスに覆われている証拠です。

また、この雲の高さが高くなっていったり、雲が山の下の方に押し寄せてくるとき(下の写真)は、上部で吹雪になります。

このときの天気図が上図です。オホーツク海に発達した低気圧が2つあり、中国大陸には高気圧があります。いわゆる西高東低の冬型の気圧配置です。北日本や東日本では等圧線の間隔が開き、午前中は日本海側の山岳でも広い範囲で青空が広がりました。しかし、等圧線が南にふくらんだ破線の部分があります。ここは、気圧が低い方から高い方に向かって線が張り出していて、このようなところは、周りより気圧が低い、気圧の谷になります。弱い前線が隠れていると思ってください。これが南下してきて天候が急変した訳です。

同じようなケースの八方尾根からの白馬三山にかかる雲を見ていきましょう。

始めは、白馬三山の上部だけに雲がかかっていましたが、

ご覧のとおり、厚みを増しながら迫ってきました。このようなとき、天候が急変します。森林限界より上部に登ると、大荒れの天気に見舞われる恐れがあります。

さて、上図は高度約5700m付近(500hPa面)の気温です。この時期は、-15℃以下の寒気が接近してくると、要注意です。日本海にはこれより強い-18℃線が南下していて、上空の寒気が強まっていることが分かります。このようにこれからの季節、上層に強い寒気が迫ってくると、高い山では荒れた天気になることが多いので、事前に予想天気図から気圧の谷の存在や上層の寒気について確認し、現地で雲の様子から修正していきましょう。

※地上天気図は気象庁ホームページより。500hPa面の気温予想図はヤマテンの山の天気予報、専門天気図ページより。写真は八ヶ岳2点は猪熊隆之撮影。八方尾根からの白馬三山2点は白馬村振興公社提供(http://hakubakousha.com/index.php/live-camera-happo-ike)。

※図、文章、写真の無断転載、転用、複写は禁じる。

文責:猪熊隆之

 

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