今回は、雨あがりに良く見られる雲の紹介です。雨が上がったときは、空気の中に水蒸気が満ち満ちています。空気は、もうこれ以上水蒸気が含めない、人間で言うと「これ以上、食べられないよー。」という状態になっています。そういうお腹いっぱいの状態のときに、雨によって土や畑に浸み込んだ水分が蒸発して水蒸気が空気中に出てくると、空気は水蒸気を含める限界を超えてしまうので、それを吐き出してしまいます。その吐き出した分が雲になっていくのです。写真1は、まさにそんなときに出来た雲です。
写真1 土や畑などから放出された水蒸気によってできた雲
写真2 森林からの水蒸気の放出によってできた雲
木々は呼吸をしているときに、水蒸気を放出します。雨あがりでお腹いっぱい状態の空気に、水蒸気がプラスされるので、雲ができ始めます。雨あがりに森の中で霧ができることが多いのは、木たちの呼吸のためなんですね。
文・写真:猪熊隆之
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