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猪熊隆之の観天望気講座30

2014-04-06 16:43:00 | 観天望気

4月5日に矢倉岳(神奈川県と静岡県の県境、足柄地域)に行ったときに面白い雲を見つけましたので、2回に分けてお知らせします。

下の写真の雲は積雲と呼ばれる雲です。地面付近が周りより暖められたところで発生することが多く、このときも山の斜面に沿って上昇した空気が、日射によって暖められた南東斜面から上昇した空気と合わさって雲を作ったものと思われます。

この雲は雲の底の高度が一定ですね。このような雲ができるのは大気が一定の範囲で同じような状態になっているときです。雲は水蒸気が冷えて水滴になることで発生します。上昇気流が起きると空気は冷えるので(詳細は山岳気象大全p46-48)、空気の中に水蒸気があると、冷えて水滴になっていきます。雲ができる高度が雲底高度ですが、これが一定ということは、同じ高さ(つまり同じ温度の場所)で雲が発生することになります。この雲は明神ヶ岳の上空で発生していましたが、丹沢方面の雲も同じ高度でした。このとこから、神奈川県西部一体が同じような空気の状態(水蒸気の量や温度が同じ状況)であったことが推測されます。

文責:猪熊隆之 禁無断転載、無断転用


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