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猪熊隆之の観天望気講座47

2014-09-28 21:41:29 | 観天望気

今日は綺麗な巻雲が見られましたので、その話を。巻雲というのは、雲の中で一番高いところに浮かんでいる雲です。この時期は、ジェット機が飛ぶような10~13km位の高度にあります。したがって、巻雲ができるところは氷点下40℃以下の気温となっており、巻雲はすべて氷の粒でできています。氷は太陽光を通しますので、透き通ってみえるのです。

さて、下の写真の中にある雲は巻雲ですが、赤い囲み線の部分(白い濃い部分)と緑色で囲んでいる部分(やや薄い部分)のどちらで雲は生まれているのでしょうか?

答えは、赤い囲みの部分で雲が生まれており、緑の部分で雲は蒸発して消えていっています。白い濃い部分はそれだけ雲粒(氷の粒)が密集していることを示しており、ここで上昇気流が起きて雲が次々とできているのです。一方、緑の部分は次第にこの雲が下降しながら蒸発していっていることを示しています。このように、雲をじっと見ていると、雲が生まれるところ、消えているところをイメージできることがあります。たまに、雲をしばらく見てみると、面白いですよ。

※図、文章の無断転載、転用、複写は禁じる。

文責:猪熊隆之


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