小さくなった友の姿。
体を折り曲げるように白いシーツのベッドの上に寝る姿。
声をかけても、聞き取れない返事が、、、
森に囲まれたマンションの最上階。
風が、光が部屋の中を通おる。
去年の後半、友からの電話の声が脳裏に浮かぶ。
「肝臓に腫瘍がみつかったんだ、、」
それから8ヵ月、、、、
肝臓の半分以上摘出の手術を受けて、これでしばらくはひと安心と思ってたが
手術後の検査で、がん細胞は胸、骨へと転移が分かった。
その友が 眼の前のベッドに横渡ってる。
手を握る。
初めて会った、あの暑い夏の日の握手が思い出される。
北国と、九州の小島出身の友との出会い。
それから、建築の仕事からの長い付き合い。
九州男児らしい、剛毅な性格で、誰からも信頼された友。
「山口、そんな不摂生な生活したら、からだ壊すぞ、」
心配して声をかけてくれた友が 眼の前で無言で手を握ってくれる。
別れの光景が浮かぶ。。
友よ、死ぬことは誰にも訪れる事実、それより、どう生きてきたのかが
大事なことだ。
仕事、妻、子供、そして、多くの友、、
みんな、君のお陰で 幸せを感じた。
ありがとう、我が、友よ
君は 十分 生きてきたのだ、、