山口建設

社長の独り言

今年大変お世話になりました。

2011年12月31日 11時28分23秒 | 日記
           




          

今日は12月31日。

あと少しで新しい年を迎えます。
皆さんにとって、今年はどんな年だったでしょう。

日本の国、日本人にとっては忘れることの出来ない年でした。


          3月11日。

忘れることの出来ない日時です。
私は当日、沖縄に移住した娘の所へ、遊びに行っており、生後半年の孫を腕の中で抱いて、泣き止まぬ孫の声で途方にくれてました。
上官と娘は、ホテル内を散策に行っており、部屋内で孫との2人。

そんな時、何気なくTVのスイッチを。



画面に映るのは、津波で流される建物、車、樹木など、信じられない光景が
画面上に映し出されて、思わず息を呑むシーンでした。

揺れも感じず、海に面した部屋の窓からは青い海が太陽の光りに照らされて、
ゆっくりと波打ってました。

画面では同じ海が津波となり、大勢の人、建物、樹木などを飲み込み、破壊してます。
声にならない声が、部屋の中に響きました。


呆然としながらも、この現実を受け止めながら、母親、兄弟、友人、会社へと
電話をいたしましたが、連絡は取れませんでした。


それからは長い時間が経過して、其の間、TVの画面からはこれでもかこれでもかと
被災地の様子が映し出されます。

手足をもがれて、何も出来ない時間が過ぎました。
大事なときに遠い沖縄にいる自分に対する自責の念が心の中に広がり、眠れない
時間を過ごしました。


今でも当日のことが時々思い浮かびます、


そんなときが過ぎ、今年もあと少し。

東北の震災にあわれた人々、および、原発で避難された人々にも新しい年が
始まります。
いまだに、復旧のめどが絶たず、仮設住宅で、遠い避難場所で、家族がバラバラに
なり、途方にくれてる人々がおります。

震災後に上官と福島に向かい、家族で避難されて、私とお話をされたお年寄りは今どうしてるでしょか。

「毎日、移り変わる春、夏、秋、冬を当然のごとく、肌で感じて、畑、田んぼなどに
種をまき、育て、収穫して来ました。時々、海を眺めて、疲れた体に英気を養いました。
其の海が、

先祖代々伝わった大地、建物、家族を奪った、、、、」

絞り込むような声が老人の口からこぼれました。
なんと声をかければいいのか、声が出ません。


それから300日の時間が過ぎました。
あの老人は今どうしてるでしょうか。
心の中に彼の顔が、声が浮かんできます。


そして、今年新たに仕事で出会ったお客さまの顔をも当然浮かんできます。
震災の影響でしょうか。
実家で両親と一緒に住まわれるお客様からの問い合わせでの施行を数多くやらせて
頂きました。
         「絆」

今年の漢字の言葉です。
糸へんに半分と書きます。
人は半分、半分で、そしてそれを結ぶのは目に見えない糸。赤い糸かも知れません。
絆、支えあう人と人。

其の絆の言葉を心の中にしっかりと受け入れ、一つ一つの建物に心を込めて
施行させていただきました。
その結果多くのお客様よりお褒めのお言葉を頂き、新たなる絆を作り上げる事が
出来ました。
嬉しいですね。


今年は色々ありましたが学ぶことは沢山ありました。
全てを受け入れ、そして智恵を絞り、感謝の気持ちを心一杯に持ちながら
新しい年を迎えたいと思います。


どうぞ、皆様にとって来年は素敵な年であるようにお祈りします。

今年は本当に有り難うございました。


山口建設 代表取締役 山口康人