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ヤマヒデの沖縄便りⅣ 歩き続けて 歩き続ける 再び

「基地の島」沖縄を歩き、琉球諸島を巡る基地・戦争への道を問いかけ、自然を語る。●無断転載、お断り。
 

【補足】サンマデモクラシーって、なんじゃ?(20210717)

2021年07月17日 | 文化の目

 暫く前に「サンマデモクラシー」のことを知った。しかしサンマとデモクラシーが全然結びつかず、??だった。昨日、たまたま予告編を見た。よし、見にいくぞと、今朝早く出かけた。

 時は1963年(東京オリンピックの1年前であり、私が小6の時)。沖縄は琉球政府が置かれており、実は米国の間接・絶対統治の時代。そのボスが高等弁務官。多くの魚類に高等弁務官布令で物品税が掛けられていた。しかしサンマは指定外だったのだが、同様の措置がとられていた。これに立ち向かったのが魚屋の玉城ウシ。裁判を起こし税の還付請求を申し立てた。

 沖縄を巡るこれまでのノンフィクションは、公的な資料や関係者の証言などを多数得て、作られてきた。だが本作は違う。どうも殆どないと言ってもよさそうだ。ウシさんの写真も1枚切りで、時々闘牛のウシにたとえられているほどだ。しかし資料や証言が少ない事情を噺家の志ぃさーがお笑い的に補ってくれる。シビアな所もコミカルに。

 一審は原告勝訴、2審も勝った。ところがキャラウエイ高等弁務官が立ちはだかる。布令を出し直して、過去に遡ってサンマにも物品税を課したのだ。

 玉城ウシは庶民の生活の中から、米国支配を正面から告発したが、米国の行政権が立ち塞がったのだ。ここで沖縄の祖国復帰運動がでてくる。時代が重なっているのだ。米国支配と闘う沖縄が、瀬長亀治郎がでてくる。

 本作で面白いのは、ウシについた弁護士が「ラッパ」と呼ばれていた下里恵良だが、保守の政治家になる。彼は保守だったが、米国と闘い、亀治郎とも協力する。当時の沖縄の人士の懐の深さ。

 私は途中、本作は、日本への祖国復帰運動を評価しすぎかと思ったが、そうでもなかった。その後も今日の現状は変わらず、日本国の制約を未だに負っていることも照らし出す。ヤマトゥの罪は深いのだ。「沖縄の自治は神話」だと言ったキャラウェイ高等弁務官だが、今日の自公政権も同様なことをやっている。時間を超え、自治に迫る取り組みが大切だと教えてくれる映画となっている。

 全国各地でも上映が始まっている。是非ご覧戴きたい。

監督・プロデューサー:山里孫存/ナビゲーター:うちなー噺家 志ぃさー/ナレーション:川平慈英/制作:沖縄テレビ放送 99分

 



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