ヤマヒデの沖縄便りⅣ 歩き続けて 歩き続ける 再び

「基地の島」沖縄を歩き続け34年、気ままに綴ります。自然観察大好き。琉球諸島を戦場に据える「島嶼防衛」は愚の骨頂。
 

沖縄県議会議長への陳情書全文(20210303)

2021年03月05日 | 要請文・決議文

 沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」が沖縄県議会議長宛に、以下の陳情書を2021年3月3日提出しています。全文を転載します。

「戦没者の遺骨が混じった土砂を軍事基地に使わせないことを求める陳情」

        沖縄戦遺骨収拾ボランティア「ガマフヤー」

        代表 具志堅隆松(以下住所等略)

 私たち「ガマフヤー」は、昨年9月末から、糸満市米須の「魂魄の塔」西隣のうっそうとした森の中で戦没者の遺骨収集作業をしていました。ところが11月Ⅰ日に行ってみると、現場の森が広範に伐採されて採石場(鉱山)に変わっていたのです。遺骨を掘り出している現場でしたが、立ち入り禁止となり、遺骨収集もできなくなってしまいました。このような事態は私の39年に及ぶ遺骨収集活動でも初めてのことです。このことは、沖縄戦の遺骨が国により遺族への返還のためのDNA鑑定が行われることになった最中のことです。

 また他にも、戦没者の遺骨が残存していると思われる未開発緑地帯での新規の採石場(鉱山)開発の動きがあるとも聞いています。このままでは、遺族の元へ帰るべき戦没者遺骨が土砂と共に埋立てに使われてしまいます。

 政府は、「仮に南部地区から行われるとしても、採石業者においてご遺骨に配慮した採取が行われる」(菅首相 21年1月22日参議院本会議)、「南部の土砂を採取する場合は、契約文書に遺骨の取り扱いをしっかり記載する」(防衛大臣 21年1月27日衆議院予算委員会)などと説明していますが、遺骨収集は経験と人骨に関する知識が不可欠であり、採石業者による遺骨収集は無理です。

 そもそも戦没者の血の染みこんだ南部地区の土砂を遺骨と共に軍事基地建設のために埋立てに使うなど、戦没者を冒涜するものであり、人間の心を失った行為と言わざるを得ません。

 現地周辺は沖縄戦跡国定公園に指定されています。戦跡国定公園とは「沖縄戦の20万余りの戦没者の霊を慰めるために指定」された、我が国唯一の戦跡としての性格を有する国定公園です。

 現在、採石業者から自然公園法に基づく開発届が県に出されています。同法第33条2項は、「知事は国定公園について、当該公園の風景を保護するために必要があると認めるときは、普通地域内において、当該行為を禁止し、若しくは制限し、または必要な措置を執るべき旨を命じることができる」と定めています。知事は、戦跡国定公園の歴史の風景を保護するために、この条文を適用して熊野鉱山開発計画の中止を命じるべきです。

 そして、本島南部の戦跡地域は、多くの住民や兵士が殺された、悲しいながらも美しい場所ですから、慰霊と沖縄戦学習の場として残すべきです。

 この問題について、下記の通り陳情します。

            記

1:知事は本年2月26日の県議会で、「当該地域の土砂が辺野古埋立てに使われることは、悲惨な戦争を体験し、多くの犠牲者を出した県民の心を深く傷つけるものであり、到底認められない」と表明した。そうである以上、熊野鉱山の開発届に対して、自然公園法第33条の2項による開発中止を命じること。

2:戦没者の遺骨が残っている可能性が高い南部地区の未開発緑地帯での土砂・石材の採取を禁止する条例を制定すること。

 



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