5)マルクス主義
敦子がアメリカへ行ってから、行雄は虚脱したような毎日を送っていた。 夏休みも終りに近づき、行雄は不承不承、学校の宿題を片づけるようになったが、その合間をみて向井の家に遊びに行ったり、自転車に乗って荒川べりにくつろぎに出かけたりした。
土手の草むらに寝転がって青空に浮かぶ雲を見ていると、その中から敦子の白い顔が幻となって現われてくる。 彼女は今頃、もうシカゴに着いているかも . . . 本文を読む
<2002年2月6日に書いた以下の記事を復刻します。>
日本の鉄道は、大隈重信と伊藤博文が造った。 私は昨年(2001年)12月のある日、たまたまNHKのテレビ番組「その時 歴史が動いた」を見た。 題名は「汽笛一声・日本の産声(うぶごえ)」であった。その番組を見て、最後の方で涙があふれにあふれて止まらなかった。これほど感動した番組はない。
内容は、大隈と伊藤が、あらゆる難関と障害を乗り越えて、 . . . 本文を読む
<2003年10月3日に書いた以下の記事を、一部修正して復刻します>
沈没した北朝鮮の工作船
船尾から見た工作船
先日、東京の台場にある「船の科学館」(品川区東八潮)で、北朝鮮の工作船を見てきた。 月曜日の午前中なので人出は少ないだろうと思って行ったら、けっこう混雑している。一般の見学者の他に、修学旅行で上京した地方の高校生の姿も見られた。
工作船の母船は全長30メートルほどで . . . 本文を読む
昔はよく聴いた歌だが、最近はあまり聞かれないという。歌詞の素晴らしさに、いつも惚れぼれとする。
作詞・ハインリッヒ・ハイネ 作曲・フリードリヒ・ジルヒャー
訳詞・近藤朔風
なじかは知らねど 心わびて昔のつたえは そぞろ身にしむ さびしく暮れゆく ラインのながれ いりひに山々 あかくはゆる
うるわしおとめの いわおに立ちて こがねの櫛とり 髪のみだれを梳きつつく . . . 本文を読む
パリ・オリンピックは間もなく終わるが、けっこうテレビを見て楽しんでいる。日本選手は目下 金メダル16個(4位)などと活躍しているが、ブレイキンという新種目は面白かった。よくあんなに体を動かしてダンスができるものかと驚いたが、女子は日本のAMI(湯浅亜実)が金メダルを取った。男子マラソンがきょう午後3時にスタートするが、楽しみである。おととい、きのうと日本列島は地震続きだ。震源地は宮崎と神奈川、いず . . . 本文を読む
8月10日(土)パリ・オリンピックは間もなく終わるが、けっこうテレビを見て楽しんでいる。日本選手は目下 金メダル16個(4位)などと活躍しているが、ブレイキンという新種目は面白かった。よくあんなに体を動かしてダンスができるものかと驚いたが、女子は日本のAMI(湯浅亜実)が金メダルを取った。男子マラソンがきょう午後3時にスタートするが、楽しみである。おととい、きのうと日本列島は地震続きだ。震源地は宮 . . . 本文を読む
4)愛、そして別れ
敦子がアメリカへ出発する日も、あと数日に迫ってきた。 行雄が書いた詩は敦子を非常に感動させ、彼女はそれを大切にとっておくと言った。彼の熱烈で、ひたむきな思慕の情が敦子の心を打ったのだ。 彼女はお返しに、この前見せてくれた自分の新しい写真を十数枚も行雄にくれた。彼は敦子の写真を無性に欲しがっていたので、大喜びでそれらを受け取った。
敦子の写真は以前、長瀞で撮ったものなど十 . . . 本文を読む
<以下の文を復刻します。>
鎌倉に鶴岡八幡宮という有名な観光スポットがある。ご存知の方も多いだろう。そこにまつわる霊体験と言うか、超常現象が今でも忘れられない。もう40年ぐらい前になるが、当時、某テレビ局の報道にいた私は、夕方になって何故か急に鶴岡八幡宮へ行きたくなった。その理由が今でも分からない。暫く行っていないから行きたいとは思っていたが、なにも夜に行く必要はない。休日の昼間に行けば済む . . . 本文を読む
卒業式の日 君は水色の振袖を着ていたね 別れの日だった 君と言葉をかわすこともなく 僕はひとり 街をさまよった さようなら さようなら・・・心の中で 君につぶやく 水色の振袖は とても似合っていたよ その君と もう会えないかもしれない 春は 別れの季節なのだ さびしくて 心残りだが 人と別れ そして 人はよみがえるのだろうか&n . . . 本文を読む
1949年のイギリスのミステリー映画。 第2次大戦直後のオーストリアの首都・ウィーンを舞台にした物語だが、内容は複雑なので省略する。この映画にはオーソン・ウェルズやジョゼフ・コットンらの名優が出演しているが、なんと言っても印象に残るのがテーマ音楽である。アントン・カラスが作曲し、みずからチター(ツィター)で演奏したこの曲は、日本でも大きな反響を呼んだ。
「第三の男 The Third Man 」 . . . 本文を読む
3)「若草物語」
翌朝、行雄は遅い食事をすませると、すぐ敦子に電話をかけた。 「行雄ちゃん、昨日はどうしてあんなに不機嫌だったのですか? 私と一緒にいるのが嫌でしたら、正直にそう言って下さい。 私は貴方と一緒にいることが嬉しいんです。でも貴方が嫌でしたら、考え直さなくてはなりません」 敦子が不満をぶつけてきたが、それを聞いて逆に行雄は胸をなで下ろした。
「敦子ちゃん、ごめん。 昨日は本当に僕 . . . 本文を読む