4 特別支援学級の子どもの学びの場の変更について (未定稿)
特別支援学級に在籍する子どもたちについて、昨年の文科省の突然の通知にもとづき、来年度から在籍の場の変更について学校から話しをされ、子どもや保護者は非常に混乱し不安になっているようです。
文科省の通知は、原則授業時数の半分以上を特別支援学級で過ごす子ども以外は通常学級の在籍に変更し、特別の支援が必要な場合は通級学級を活用するように、というものです。
今回の学びの場の変更が、子どもの気持ちを置き去りにして進められることなく、子どもや保護者の納得のもと、真に子どもの教育的ニーズに沿った形で行われることを強く望みます。
そこで、以下質問します。
(1)文科省通知「特別支援学級及び通級による指導の適切な運用について」
今回の文科省通知による学びの場の変更の目的はどのようなものと理解しているのか、伺います。
(2)通常学級在籍になる子どもの教育的ニーズの保障について
文科省の通知の指針にもとづき、来年度から特別支援学級在籍から通常学級在籍に変更になる子どもについて、通級学級の体制も含め、その教育的ニーズはどのように保障されるのか、伺います。
(3)特別支援学級について
特別支援学級での指導体制、指導内容はどのように充実されるのか、伺います。
(4)子ども、保護者への説明について
学びの場の変更に当たっては言うまでもなく保護者や子どもへの十分な説明、納得と合意のもとに進めることが重要だと考えます。文科省の示す時数を機械的に当てはめることなく、子どもの実態にもとづく柔軟な対応が必要と考えますが、いかがお考えか伺います。
答弁 野沢教育長
(1)文科省通知「特別支援学級及び通級による指導の適切な運用について」
本通知の中では特別支援学級に在籍する児童生徒が大半の時間を通常の学級で学び、個の特性に応じた指導を十分に受けていない事例があることが示され、一人一人の教育的ニーズに最も的確にこたえる指導を提供できるようにする必要があるためと示されています。本市においてはこれまで、相互の触れ合いを通じて豊かな人間性をはぐくむことを目的とする交流と教科等のねらいの達成を目的とする協同学習を重視して活動してきました。
本通知を受けて今まで以上に学校が障害や特性のある児童生徒に対して個別の実態を把握しその実態に応じた学習形態を整え社会的スキルを学ぶ自立活動を重視した時間の確保と教育課程の編成が必要であると認識しています。
(2)通常学級在籍になる子どもの教育的ニーズの保障について
今回の通知を受けて今まで特別支援学級に在籍していた児童生徒が通常の学級に在籍を変更した場合、特別に指導を受ける時間だけ通級学級に移動して、一人一人の困難や課題に合わせた個別の指導や支援を受けることが可能となります。本市には正しい発音などを学ぶ言語通級指導教室や社会的スキルを習得する情緒通級指導教室が設置されていまして、次年度特別支援学級から通常の学級に在籍を移す児童生徒は、主に情緒通級指導教室において自立活動中心に一人一人の特性に応じた特別の指導を受けることで心身の調和のとれた育成を図ることができます。
また、今まで特別支援学級に在籍していた児童生徒が多くの時間を通常学級で過ごすことになるため、学級担任にも特別支援に関する専門的知識が求められます。そこで次年度以降は通常学級の担任を対象にした特別支援教育に関する研修を充実させる必要があると考えています。さらに特別支援教育コーディネーターとの連携を密にし、担任を支援することも重要になってくると考えます。今後も個の実態に応じた教育的ニーズに応えるために指導体制を充実させる努力をしていきます。
(3)特別支援学級について
令和5年度より特別支援学級に在籍する児童生徒については原則として週の授業時数の半分以上を目安として特別支援学級において授業を行うことになります。多くの児童生徒が特別支援学級での個別の指導を受ける時間が増えることになります。このため自立活動や教科指導等今まで以上に個の特性に応じたきめ細やかな指導が可能となります。
(4)子ども、保護者への説明について
本市においてはこれまで今回の通知の内容について校長会、教頭会、教務主任会、特別支援学級担当者研修会において説明を行ってきました。学校においては管理職、個別支援コーディネーターから全体へ周知しその対応を共有しているところです。各校ではこれを受け児童生徒及び保護者と教育相談を行い、特別支援学級または通級による指導のどちらで学習を行うか保護者との話し合いを通して決定しています。
これまで通常の学級で大半の時間を過ごしていた児童生徒およびその保護者にとっては、今回の通知による指導の場の見直しについて不安に感じていることと考えてます。通知では次年度に段階的に通常の学級への変更を考えている当該児童生徒にとって、教育上の必要がある場合によってはこの限りではないとされていますので保護者に対して丁寧な説明を行い、特別支援学級における授業時数を機械的に当てはめることなく児童生徒の状況に合わせて適切な学びの場を選択できるように各校に指導していきます。
本市としましては、今回の通知をこれまで以上に児童生徒一人一人の教育的ニーズに合った学習の場を提供していく機会ととらえ特別支援教育の充実に向けて改善を図っていきます。
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