さて、2回目である。前回、「説明が冗長」という事に触れたのだが、必ずしも冗長な事自体が面白さをそぐ要因ではない。本作で問題になるのは、冗長に説明している内容が事実を下敷きにしている部分が大半だからである。つまり、「フィクション」の部分がふくらまないのだ。
最も顕著に出ているのが、主人公達の在学する「音校」の描写が、実在する「宝塚音楽学校」そのままであり、敵組織との対比で存在感が非常に弱くなってしまっている。
その割に敵組織を初めとする筋立ては荒唐無稽(悪い意味ではない)なので、音校だけが物語から浮いた存在になっている。
いっそもっと独自色を出して、著者の創作を入れてしまった方が良かったのではないかと思えてしまった。
最も顕著に出ているのが、主人公達の在学する「音校」の描写が、実在する「宝塚音楽学校」そのままであり、敵組織との対比で存在感が非常に弱くなってしまっている。
その割に敵組織を初めとする筋立ては荒唐無稽(悪い意味ではない)なので、音校だけが物語から浮いた存在になっている。
いっそもっと独自色を出して、著者の創作を入れてしまった方が良かったのではないかと思えてしまった。
征服座は失敗者を粛正しておきながらラストのあの腰砕けっぷりがたまらないですね。
歌舞伎を下敷きにしてるんだったらもっとそれっぽく動くか徹底的にブチ壊すかしてくれないと。アレだとただ名前借りただけですね。
ミステリなどで、ある物語をなぞる形で事件が進行していくというのはよくある形式だが、この二つのグループはあまりにも縛りに縛られすぎて飛べずにいる。
事件、といっても具体的な出来事は結局ほとんど起きなかったし、結果として死者一名がカウントされたのは余りにもやっつけ仕事で興をそぐ。
私としては『炎の転校生』のような破天荒っぷりを期待してたんだが。