「伽羅」
伽羅を呼ぶ声が響いた。
邪鬼丸の声であることは判っているのだが、
鏑木との後だけに流石に伽羅も心の内が穏やかでない。
できるだけ平静を装ったつもりだった。
「な、なんだよ」
「ほ。連れない答えだな。ぼうずの物で満足したって事かい?」
「な、何の事さ?」
「とぼけるな。おりゃあ、あそこの木の上で、
お前が鏑木の物に跨って踊り狂ってたのをずうっと見てたんだ」
「え・・・」
「伽羅。来い」
邪鬼丸が伽羅の手を掴むと、ぐっと跳び上がった。
「この木じゃ」
そう言うと邪鬼丸は伽羅の身体を抱き寄せながら
器用に木の枝を支えにして背を幹にもたれさせた。
伽羅のほとを剥き出しにすると膝を抱え込み体を持上げ
自分の男根をぐうううと突き立てて行った。
「はううう」
「じっとしてろ、暴れると落ちるわ」
ぐいぐいと邪鬼丸は好きな様に伽羅のほとを責め捲る。
宙に浮いたほとから陰茎が引き抜かれ、擦られ、
ほとの入り口際までたぶ実が出かけると又、突き入れられてゆく。
「あっあっあっあっ」
間断ない、細かな心地良さが鋭くて伽羅が声を上げる。
「しっ・・静かに」
邪鬼丸が動きを止めると伽羅を浮かし上げたまま、
己の物をじっとさせた。
「ふん・・鏑木か」
鏑木丸が、伽羅を探しているのであろう。
二人のいる木の下を歩く鏑木丸の足がふと、とまると
肩に落ちた物を手で拭った。
「?」
何気なく上を見上げた鏑木丸の目に映った物は
男根を付き込まれたほとだった。
それと判るまでしばらく鏑木丸もぼうとして見ていたのであるが、
そのほとから鏑木丸の肩に落ちた物と同じ物が
つううと糸を引いて落ちていた。
鏑木丸が気がついたのが判ると
邪鬼丸は再び、ゆっくりと動き出した。
「おお・・おお・・・」
それが、伽羅の声と判ると鏑木丸のこめかみがぴくりと動いた
「いつまでも、見やるな。伽羅がの、口直しだとよ。
なにや、下の口がたいそう不味い物を呑み込んだとな」
言いながら伽羅に声を上げさせる動きを早めた。
「ああ・・・うあ、おお、よい・・・。邪鬼、もう、もたぬ・・・
いきよる・・ああ、いきよる、はあああああ」
つらつらと、ほとから滑りが落ちくる物を見ると
鏑木丸は踵を返した。
「伽羅。よいの・・」
あくめを迎えている伽羅のほとに
邪鬼丸が己の物を激しく突き立ててゆく。
「おおおう・・・・」
邪鬼丸が果てる声を上げると、やっと伽羅の身体を離した。
「なんさあ」
「なにが?」
「我の物がよいなら何故、人間の女子の所になぞゆく?」
「もう行かぬわ。伽羅のが良い」
「ふん。どうだか。それに、新羅の事も・・・どうするのえ?」
新羅は伽羅と同じ女鬼である。
「決っておろうが、夫婦になるのはもう決められた事じゃわ」
「ふん。そうしておいて、人間の女子の所に通うか?」
「もう行かぬて。じゃが、伽羅はわしの物じゃ」
「新羅を娶っておいて我を抱くと言うか?」
「厭か?うん?」
「厭じゃ」
邪鬼丸の物が再びそそり立って行くのに気がついている伽羅である。
それが又、伽羅の中に入りこんで行く。
「伽羅の口はそういうがの」
伽羅の中に蠢く物に伽羅が声を上げ始める。
「こちらがわしを離しとうないと言うておる」
「ああ・・・」
「厭か?」
「あ、ああ」
「言うてみい。厭か?」
「ああ。良い・・・」
新羅は、伽羅の事も人間の女子の事も気が付いてはいない。
それを良い事に、夜毎、日毎、人の姿に身を映して
遊び呆けている邪鬼丸である。
「人間の女子なぞに・・・」
喘ぎの中からまだ、恨み言をいう伽羅である。
「良いではないか。御かげで伽羅のが良いのがよう判ったと言うておろう」
「ふん。人間の女子はまぐわいを金に換える。
そのような女子になんで、邪鬼丸が現をぬかすか判らぬ」
「ふん。売れる程の物であったと思わぬか?」
伽羅の悪態に邪鬼丸が言い返す。
まだ、悪態を返してきそうな伽羅を黙らせる為にも、
邪鬼丸は更に深く己の物を伽羅の中に突き込んだ。
「おおう・・・」
「その物より良いというているのであろうが・・・」
その事は伽羅も邪鬼丸の言葉で気が済んだのであろう。が、
「新羅の事は?もう、抱いたのか?」
「もう、よいではないか・・・」
邪鬼丸の動きが激しくなって行く中、
伽羅ははっきり判った。
『邪鬼は伽羅でなく新羅が、ようなったゆえ、
人間の女子の所へ行くのを止めたのだ。
目新しい物好き故な。
が、直にまた飽きて里に通うようになるに決っておる』
伽羅の思ったように邪鬼丸は後に又里に通い出すのである。
そこで見かけた女に狂ったが為、
邪鬼丸は命を落とす事に成るのであるが、
今の邪鬼丸にはそんな事が判る筈もない。
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