壬生浪ふたり・俄狂言・「恋語り」終 2022-11-20 21:18:42 | 壬生浪ふたり・俄狂言・「恋語り」 夜更けて合図の口笛に木戸を潜った勝は佐部里信太次の手に引かれるまま、連れ合い宿にはいりこんでいた。宿の奥の部屋には、なす事を待つかのように夜具がしきのべられていたが、佐部里信太次は勝を求める事もなく夜具の上にすわりこんだ。「信太次さん?」次に会う約束の日をまちきれなかったとしても、一昨日に続き昨日もあえた。それはうれしいことであったが、今日の佐部里信太次の顔色は昨日に較べ一層勝恋しさで切なくみえる . . . 本文を読む