植物生態学者の見た「自然と山の幸」

刻々と自然は移り変わり,人工の景観が,自然の植生を破壊する。さあ!大変。せめて食べられる野生植物のすべてを次世代へ残そう

誰でも簡単に,確実に見分けることのできる「食べられるシダ」

2008-11-12 18:37:53 | ワイルド・フードなどの料理,その他利用法
写真は,ジュウモンジシダ。

ジュウモンジシダ Polystichum tripteron (Kunze)Presl
ふつうは夏緑性,暖地では常緑性のシダ。北海道,本州,四国,九州で,山地の谷川ぞいの湿った林下に多く, 低地から丘陵帯では,リョウメンシダ群落にまじってしばしば群生する。
 
朝鮮~中国東部~シベリア東部にも分布。高さ40-70㎝,葉柄は葉身よりも短く,鱗片が多く,鱗片は卵状長楕円形,淡褐色,長さ 1㎝以下。葉は羽状に分裂し,最下羽片だけは,とくに大きく,さらに羽状に分裂して,一見,葉は,十文字形の3出羽状に見える。
 
ソーラス(胞子嚢群)は,小羽片の下面全体につき,小さく円い。

《ジュウモンジシダの食用事情》 5-6月,若芽を摘む。若芽はイノデ属の多くに特有の形,先が不規則に奇妙に曲がって,長くのびる。

もさもさした褐色の鱗片をもみ落とす。 アクがないので,塩ひとつまみを入れた熱湯でゆで, クルミあえなどで,コクを味わう。この鱗片を「カス」とよぶ地方では,ジュウモンジシダを「カスコゴミ」という。


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