植物生態学者の見た「自然と山の幸」

刻々と自然は移り変わり,人工の景観が,自然の植生を破壊する。さあ!大変。せめて食べられる野生植物のすべてを次世代へ残そう

アマナは、ヒロハノアマナより、1ヶ月ほど遅れて咲き始める

2009-02-21 18:04:01 | ワイルド・フードなどの料理,その他利用法
写真がアマナです。

アマナ

〔ユリ科・アマナ属〕      分布域広・個体数やや少

《情景》 山辺の田畑をとりまく湿っぽい土手。 アマナは日あたりがよく, 湿った
土手を好んではえる。
アマナをはじめて見たのは, 鳥取県東部の佐治村の土手であった
が, はつきりし  た場所は,おもいだせない。

奈良県・吉野郡・野迫(のせ)川村で,群生のアマナを見たのは,
1989年.4月.13日. そこは, 春先に湿める土手であった。
アマナ(甘菜)は,河川敷などの湿った草地にはえることがある。
常磐自動車道・谷和原 IC. の近く, 小貝川河川敷の まばらな林や,
林縁には, シムラニンジン, エキサイゼリなど, 湿原の貴重な種が
あり, アマナが見られるところもあった(1994年.4月.6日.)。
アマナは, 今も残っているだろうか。

《性状》 日あたりの湿った草地にはえる多年草。鱗茎は広卵形,長さ 1.5~3cm,
外皮は黒みをおびた褐色。

 葉は2個が対生状につき,線形,しだいに先が細まり, 長さ 15~20cm,幅 4
~8mm, 灰白色をおびた緑色。

 花は4月,花茎は葉よりやや短く,ふつう,2個の苞があり,頂に1花がつき,
 日があたると平開し,花被片は6個,披針形,長さ20~25mm,白色,下面には,
褐紫色の脈があり, 脈の紫色が濃いものもある。 雄しべ6個は,花被片よりやや
短く, 霎果は円形,3稜があり,長さ約 1cm。

《料理・味覚》 径 12~18mmの小さい鱗茎と,2枚の葉にわずかな甘みがある。
自然を守って,ごく少量を,さっとゆで,白あえ,辛子みそ,マヨネーズなど
で味わう。生のまま刻んで, ポタージュ・スープに,ふりかけてもいい。

《分布》 本州(福島県以南,石川県以西),四国,九州,奄美大島。朝鮮~
 中国。

《学名》Tulipa edulis (Miq.)Baker;Amana edulis(Miq.)Honda

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