植物生態学者の見た「自然と山の幸」

刻々と自然は移り変わり,人工の景観が,自然の植生を破壊する。さあ!大変。せめて食べられる野生植物のすべてを次世代へ残そう

カタクリの咲く頃に、花開く「ヒロハノアマナ」

2009-02-18 20:09:52 | ワイルド・フードなどの料理,その他利用法
ヒロハノアマナは、アマナより1ヶ月ほど早く、カタクリの花が開く頃に、
ひっそりと咲き始める。

Tulipa latifolia (Makino) Makino;Amana latifolia (Makino) Honda
ヒロハノアマナ

まばらな林の下,湿りのある草地にはえる多年草。
アマナによく似るが,葉の幅がやや広く,長さ 10~15cm 幅 7~20mm,上面の
中脈にそって, 幅の広い白条があり, 葉の先が急に細まる。

花は3月下旬~4月上旬,径 2~2.5cm,花被片6個は,白色,下面に褐紫色の
脈がある。 ふつう, 花茎の苞は3個あり,アマナとの区別は,苞の個数を調べる
と分かる。

日本特産の野生チューリップで,本州(関東~近畿),四国の限られた地域に
はえ,滋賀県の伊吹山,三重県の藤原岳などにやや多く,藤原岳では,石灰岩の
間にある裸地で,フクジュソウ,などと, お花畑をつくっていたり,天狗岩付近
の林床では,フクジュソウ, セツブンソウ,キバナノアマナ, などとはえている。

306号線,滋賀県側から鞍掛トンネルをすぎて,コグルミ谷入り口から 御池岳
のほうへ登ると,タイミンガサ,ヒロハノアマナ,カタクリなどに逢えるところ
があり, 健脚の人は, 藤原岳方面に向かうこともできる。

首都圏では, 群馬県(50号線)笠懸町・岩宿遺跡に隣接する稲荷山で,林床に
カタクリが咲くころ, 遊歩道をあるくと, 遺跡からもっとも遠いコース最終地点
で, ひっそり群がっているヒロハノアマナに逢える。

■アマナのように食べられる。     分布域やや狭・個体数やや少 

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