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植物生態学者の見た「自然と山の幸」

刻々と自然は移り変わり,人工の景観が,自然の植生を破壊する。さあ!大変。せめて食べられる野生植物のすべてを次世代へ残そう

イヌドウナと,ヨブスマソウ

2008-05-04 17:20:00 | ワイルド・フードなどの料理,その他利用法
ヨブスマソウは,雄大なキク科の多年草。若い茎の群立するようすは,堂々として見てよく,食べてさわやか。
雪解け後にでてくる若芽が,長さ20-30cmにのびたものを切りとる。
かなりのびたものでも,手で折りとれる軟らかい茎先を摘みとつて利用できる。

塩を入れた熱湯でゆで,苦みのあるときは流水にさらし,しょうゆ味,マヨネーズ味などで,香りと歯ざわりがフレッシュ。
茎先の葉は,夏でも,天ぷらなどを食べられる。

北海道,本州(北関東以北,低山帯上部から亜高山帯)の林地,南千島,サハリン,カムチャツカ,中国-朝鮮に分布。
北海道では,山ぞいの平地から深山にかけて,湿りの多い林地や,谷間に群生している。

東北地方から関東北部-中部地方北部など,温帯の林地には,ヨブスマソウの変種イヌドウナが分布していて,ヨブスマソウは見られない。
このイヌドウナは,茎の中部の葉が3角状腎形,葉柄には広い翼があり,広く茎を抱いている。
おもに,この2点で,イヌドウナは,ヨブスマソウと区別される。
葉柄の抱茎部分には,大きく張りだして不規則な凸状の牙歯が目立つものと,抱茎部分の単純なものがある。
写真は,イヌドウナの抱茎部分を写したもの。

ヨブスマソウの写真は,次回に掲載する。

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