ウィーンわが夢の街

ウィーンに魅せられてはや30年、ウィーンとその周辺のこと、あれこれを気ままに綴ってまいります

バート・イシュルからのハイキング (1) ― カトリン

2012-10-29 00:10:03 | バート・イシュル
第1日目 カトリン  Katrin




バート・イシュルからのハイキング・コース、第1日目はカトリンです。
ロープウェイ乗り場までバスが出ていますが、停留所や時間を気にするよりは、宿泊ホテルがどこかによって、むしろ歩いていく方が便利だろうし、森の中を散歩をかねて歩いていけば、町の中心からおよそ1.5kmほどですから、30分もかかりません。
カトリンは山頂に電波塔がたっているし、町のどこからも見えています。


2009年7月30日撮影
ジリウスコーゲル山頂から見たカトリン山頂

カトリン・ロープウェイは1959年につくられました。2011年から夏だけの運転になってしまったようです。
5月1日~9月4日まで、始発9:00~最終17:00

   
カトリン・ロープウェイの谷側駅待合室にはカトリンの水が訪れる客をもてなしています 2011年8月8日撮影
「太古の昔からこの谷側駅の直ぐ近くにあるヴィルデンシュタイン Wildenstein の泉から水が湧き出ています。この泉は1895年からバート・イシュル市に生活用水の大半を供給しています。お客様各位、どうぞここでこの素晴らしい泉の水を一口召し上がれ」

標高470mの谷側駅から標高1,413mの山頂駅まで、943メートルのぼります。


2009年7月30日撮影 カトリン・ロープウェイ
画像右奥に見える山の麓にトラウン川がやがてトラウン湖に流れ込む入口、エーベンゼーの町があります



2009年7月30日撮影 カトリン・ロープウェイ山頂駅のレストラン・テラス、ダハシュタインの山塊と眼下にはハルシュタット湖

山頂駅を出ると、直ぐ左手に展望所がありますが、山に登るつもりであれば、特にわざわざそこに上がって時間を使う必要はありません (ロープウェイのなかから見えていた景色とあまり変わりません)。
ただ駅舎に隣接するレストラン・テラスの前からはハルシュタット湖とダハシュタイン、そしてそのさらに右手にゴーザウカムが一望でき、写真撮影のベスト・ポイントとなっていますので、少しゆっくり時間をとって眺望を楽しむのがよいかと思われます。



2012年8月14日撮影 この枠の中に入って撮影してもらえば、ベスト・ポイントにいる自分が記録として残ります^^


ここからスタートするハイキングのコースとしてロープウェイ会社のホームページに掲載されている下の図を参考にして下さい。

駅から右手に伸びる広い道をまっすぐ進んでいくのが898と記されているルートです。
とにかくカトリン山頂を目指す場合は、少し広い道を進んで、直ちに狭い登り道を上がって行きます。地図ではじぐざぐにしるされているコースです。


2009年7月30日撮影


標高1,413mの山頂駅から目標とする電波塔のある、標高1,542mカトリン山頂との標高差は129メートルですから、ほとんどハイキング気分で登っていける場所ですが、最初はずっと急な登りなので、やはりそれなりに靴は登山用のものを着用することをお勧めします。


ハイキング・ルート

このルートの最大の魅力は、前半、ずっとダハシュタインの姿を見ることができる点です。
コースはよく整備され、途中にたくさんベンチが置かれていますが、最近どうやらそのベンチから眺められる湖の名前が記されるようになりました。
ロープウェイ会社の「売り」としてこのコースを全部まわると7つの湖が眺められる、としてそれぞれの湖のビューポイントに設置してあるベンチに何湖が見えているのか、説明が書かれるようになったと言うわけです。

7つの湖
① ハルシュタット湖
② トラウン湖
③ ヴォルフガング湖
④ フシュル湖
⑤ ヌッセン湖
⑥ シュヴァルツェン湖
⑦ タヒンガー湖

私たちが実際に確認できたものについて書くと、カトリン山頂を目指して歩いていく途中で見えているのは、①と②です。
コースにあわせて、7つの湖の順は、ロープウェイ会社のホームページに掲載された順とは入れ替えてあります。



2009年8月20日 
ダハシュタインと右端にゴーザウカム

バート・ガスタイン側から見たときと、反転して並んでいます。
この景色は最初の上りが終わるまでずっと続き、折に触れてベスト・スポットを探し、写真撮影することが可能です。



2009年8月20日撮影 
ダハシュタイン 拡大
やはりこちら側から見たときの方が氷河が見えています。



2009年8月20日撮影 
ゴーザウカム 拡大



2009年7月30日撮影
ハルシュタット湖と眼下に広がるバート・ゴイぜルン Bad Goisern
トラウン川がハルシュタット湖から流れ出て、バート・ゴイぜルン、ラウフェン、バート・イシュルを経て、エーベンゼーに至り、トラウン湖と結ばれる

しばらくして登りが終わると、心地よい稜線歩きです。でもダハシュタインならびにハルシュタット湖とはいったんお別れとなります。

途中で一度、エルファーコーゲルへの分岐点を通りますが、ここではまっ直ぐカトリン山頂を目指していきます。もう山頂は見えています。いったん下って、もう一度上がって行くと山頂です。


2012年8月14日撮影 カトリン山頂 (1,542m)


2009年7月30日撮影 カトリン山頂の十字架 Kaiser-Franz-Josef-Gipfelkreuz

十字架の先をもう少し進んでいくと本当の崖っぷちになります。


2012年8月14日撮影 十字架の先にここで亡くなられた方を慰霊した碑がありました

無茶をすればどんな山でも危険です。と思っていたら、ここはロッククライミングの場所として最近整備されたらしく、麓から登ってくる人がちらりほらり、まさか崖の下から人の顔が出てくるなんて想像もしていないので、びっくりしました。
Katrin-Klettersteig (カトリン山のロッククライミングコース) は2011年9月に整備された新しいアトラクションのようです。上ってきた人に聞くと、疲れるけれど、鎖が整備されているので安全だとこともなげでした。女性も結構いました。ヨハンはごめんこうむります。

さきほどの慰霊碑をさらに回り込むように進んでいくと、今度はザンクト・ヴォルフガングが一望できます。
湖③


2009年7月30日撮影 カトリン山頂からの眺め (シャーフベルクとヴォルフガング湖)
十字架を過ぎて、崖っぷちの慰霊碑まで進んでいき、回り込むように左手に進むとこの景色です



2012年8月14日撮影 カトリン山頂からシャーフベルクを眺めると、画像右端のシャーフベルク山頂(1,782m)を目指して登山鉄道が煙をあげて登って行くのが、天気が良いと山のはを移動していく煙(画像左端)で分かります。

ここからフシュル湖 Fuschlsee が見えると、案内板に書いてなければ、探してみる気にもならなかっでしょうが、書いてあったので、必死に目をこらして探してみました。

見えました~♪

写真はありませんが (めんぼくない)、位置関係からして、ヴォルフガング湖の上の方を丹念に探してみると、一部ですがフシュルが見えています。

ヨハンは2009年に一人でここに登った時には、帰途先ほどの分岐点でエルファーコーゲルを目指して歩いてみました。


   
エルファーコーゲル山頂 Elferkpgel (1,601m) 2009年7月30日撮影


登りのきつさとかの問題は全くありません。
ただロープウェイの山頂駅に戻るコース、先ほどのルート・マップの898、ヨハンはもうひとつある山頂 Hainzen には行かないで、エルファーコーゲルから直ぐに898につながる道を歩いて、898に出たのですが
この道は、崖の壁にできた細い道を進んでいくので、高所恐怖症気味の人には無理かもしれません。

ハインツェンまで歩くコース、全部をすればヌッセン湖 Nussensee (湖⑤) も見えたのかも知れません。あるいは2009年に歩いた時にすでに途中で見えていたのかも知れませんが、当時は7つの湖コースなどという案内板もなかったので、気づかず仕舞となったのかもしれません。

残る2つの湖、シュヴァルツェンゼー Schwarzensee (これは地図ではヴォルフガング湖の北東上にありますから、多分見えていたのかもしれません) と、もうひとつのタヒンガーゼー Tachinger See については地図でもまだどこにあるのかさえ見つけられずにいます。
 (注) ロープウェイ会社のホームページで確認すると、タヒンガーゼーがあるのはドイツのバイエルンのようです。位置としてはフシュルのさらに上の方に、本当に天気に恵まれたときに、見えると言うことです。つまりは、まあ、見えないものと思っていた方がよさそうです。


でも、このハイキングコースは、ダハシュタインとザンクト・ヴォルフガングだけで気持ちは十分すぎるほど満足してしまいます。

もちろん、天気が悪い日にはすべての印象がまったく変わってしまうので、ご注意くださいね。


カトリン山頂までの往復のショートコースでしたら、2時間もみれば十分すぎるほどです。
戻ってきたら、駅舎から少し先を下っていくところにあるアルムの小屋レストランでもよし、駅舎のレストランでもよし、美味しいランチとデザートを召し上がれ。(ただ天気が良い日は今度は席を見つけるのに苦労するほどここはお客さんが多い人気のハイキングコースです)

   
2009年7月30日撮影 
この日はあいにくあまり天気はよくなくて、駅舎レストランのテラスはお客さんもいなくて、独占状態でした。食事が終わるや、ウェイトレスのお姉さんがすかさずやってきて、お決まりの「うまかったか?」(これは皿を下げていいか、という意味ですが、一応「大変美味しくいただきました」と答えます)、オーストリアでは次に必ず、「何かデザート(といっても Nachspeise ですから、ケーキのことです) を食べるか?」と聞かれます。2009年はそれ以前に過ごしてきたスイスも、フランスでも、ドイツでもそんなことは聞かれなくて済みましたが、オーストリアに入った日から、特にこうして山にでも来れば、必ず食事の後にまだデザートは何にするか、と聞かれてしまいます。にこやかな笑顔に向かって、「いらない!」なんて答えられないじゃないですか。2009年ヨハンは日本をでるときに2つ目標を立てました。フランス語を熱心に勉強することと、毎日最低1,5000歩は歩くことです。その甲斐あってパリからドイツに移動した時点でヨハンは体調もフランス語も絶好調になっていました。しかし、オーストリアに入ってから、日に日に体型が元のもくあみ、重くなっていくのが分かるのでした。





今回ご紹介したコースは半日コースで、午前中にロープウェイでのぼって、山頂駅でお昼をとっても、まだ時間には余裕があることと思いますから、ロープウェイを下ってきたら、もと来た道を町に戻らずに、駅から向かって右方向に進んでいくと、500メートルほどのところに下のフランツ・ヨーゼフの狩りの像があるので、是非これも見に行くことをお勧めします。

パンフレットなどで見るイメージとはことなり、かなり大きな像です。





ヨハン 2012/10/14


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