ウィーンわが夢の街

ウィーンに魅せられてはや30年、ウィーンとその周辺のこと、あれこれを気ままに綴ってまいります

ザルツブルクからのハイキング (1) ヴェルフェン

2012-11-01 20:47:25 | ザルツブルク
第一日目 ヴェルフェン Werfen

バート・ガスタイン方面にザルツァハ川沿いに列車が走って行くと、ザルツブルクを出て40分ほどもしない頃進行方向右手側にホーエンヴェルフェン城が姿を見せ、しばし目を楽しませてくれます。
その城に目を奪われている場所、進行方向反対側は、左手に迫っている山 Tennengegirge テネン山塊の西端が切り落ちたところです。



南西から見た Tennengebirge (Wikipedia から)

この山のなかに世界一巨大な氷の洞窟があるなんて、想像できますか。
今日はヴェルフェンで下車して、その神秘の世界に行くことにします。



ホームページ eisriesenwelt.at  から

駅からバスを利用しますが、駅に来るバスはいったん町のインフォーメーションがある駐車場&バスセンター ( 地図下にPと記されているところ ) までお客を運び、お客はそこで「氷の大洞窟 Eisriesenwelt ロープウェイ乗り場」までの切符を買います。当時の記録をみると駅から迎えのバスに乗車したときには料金は取られず、バスセンターで初めてキップを買ったようです ( と言うか駅からここまで運ばれてきて、運転手さんに降りてインフォメーションのキップ売り場でバスの切符を買いなさいと言われたような気がします、そしてバスも駅からきた同じバスにもう一度乗り、再出発ということだった気がします )。

この案内図は日本で事前に調べたときにも見ていました。バスの本数は多くないらしいし、地図を見ながら、万一のときにはロープウェイ乗り場まで歩いてもいいか、と思っていましたが、いやいや、バスは大変な山道を登って行くので、それは無理でした。( Besucherzentrum ロープウェイのキップ売り場 と駅とはおよそ550メートルほどの標高差があります )


駅には私たちのほかにももう一人女性の方が降りて、バスの時刻表を見ていましたが、いつのまにか橋を渡って、歩いていってしまいました。私たちは駅のバス停で待ち続けましたが、迎えのバスは時間通り来てくれました。でも駅とバスセンターは歩いても15分くらいです。私たちも帰りは町を多少見物してから駅まで歩きました。



2011年8月6日撮影 ÖBB Werfen駅 バスの時刻はここに書いて貼ってあります

ヨハンが日本で事前に調べた日程表ではザルツブルク9時10分発の REX に乗って、ヴェルフェン到着が9時48分。駅前に迎えのバスがくる時間は10時20分となっています。今はシーズンオフでロープウェイも運休しているためか、ネット検索してみましたが、バスの時刻は現在データとしてヒットしません。


    
2011年8月6日撮影 駅前の橋のたもとにありました。迎えのバスが来るのを待つ間、駅前で時間つぶし。

「標高2,900mを超えるホーホケーニヒ一帯にはかつて豊かなアルム村があったそうです。そこではとびきり美しい農家の娘たちが不道徳な罪深い生活をするようになり、ミルクで湯浴みはするわ、チーズのかたまりを踏み石代わりにするわ、牡牛の角を金ぴかにし、牝牛の首には銀のカウベルを下げさせるわ、のしたい放題。土曜ともなれば鉱夫がやってきて、夜が明けるまで飲めや歌えのどんちゃん騒ぎ。あるとき一人の老人がやってきてパンとミルクを物乞いすると、「悪魔にでも宿をお願いしな」と乱暴な言葉で追っ払ってしまいました。するとその直後、おそろしい吹雪が荒れ狂い始めたと思いきや、三日三晩収まることなく、それはそれは美しかったアルムも罪深い住民たちもろともあとかたもなく消し去ってしまいました。以来この「永久(とわ)の雪山」は「雪に埋もれたアルム」とも呼ばれるようになりました。」
 (注) Hochkönig は標高2,941m、ヴェルフェンの南西13kmほどのところにあり、地図でも 《übergossene Alm》 と併記されています。

ホーホケーニヒのホームページ↓
http://www.hochkoenig.at/de


資料写真 Hochkönig


2011年8月6日撮影 駅から眺めたホーエンヴェルフェン城


バスはホーエンヴェルフェン城のほぼ真下を再び右に曲がってザルツァハ川を渡って、そこからくねくねと山道を上がって行きます。
終点のバス停はバスが折り返しできるように Besucherzentrum からは少し離れた広い場所に設置してあります。つまり、バスを降りてから5分くらいだったでしょうか、登り坂を上がって行きます (写真の地図では停留所が Besucherzentrum にあるように書かれていますが、そうではありません)。



2011年8月6日撮影 バス停付近からの眺め ( ホーエンヴェルフェンが眼の下にもうあんなに小さく見えています )

Besucherzentrum 「ビジター・センター」はずいぶん立派な建物で、中に入るとロープウェイのキップ売り場のほか、資料展示フロアーやお土産販売コーナーも設置されています。

でも、ここがロープウェイの乗り場ではありません。

最初の地図を確認して下さい。ここからまた、坂道を今度は徒歩で20分歩いて行くように書かれています。
たしか歩く家族連れが退屈しないように、道が途中二つに分かれていました。片方は隧道で近道になっています。たしかにずっと登りですが、こうした趣向のおかげで、楽しく歩けました。

ようやくロープウェイ乗り場。残念ながら写真は残っていません。たぶん時間を気にして歩いていたからだろうと思います。
ロープウェイは、しかし、あっと言う間に山頂側に到着して、(もう一度最初の地図を見てください) ここからまた20分 (と地図には書いてありますが、もっと長かった気がします) 思いっきり山道を上がって行かなくてはなりませんでした。


        


2011年8月6日撮影 この写真で真ん中の山の樹木がきれた白く見えている場所がロープウェイの山頂駅です。
手前の山の右中ほどにも道が見えています。とにかくこのようにくねくねと曲がる道をひたすら歩いて行くうちに、どんどん高度があがって行くという具合です。この日は暑い日で、写真をとるのも忘れるくらい、ロザーリウムとのおしゃべりもしたくないくらい、もくもく、もくもくと歩き続けたのでした。



2011年8月6日撮影 どうやら、ようやくゴールがはっきり見えてきた場所でやっと再び歩く足にも力が戻りました。でも、まだゴールはずいぶん遠い。



2011年8月6日撮影 上の写真からゴールの洞窟入り口にこんなに人がいたって、想像は出来ないでしょうね。
ここでようやく洞窟ガイドツアーの参加申し込みをして、グループに分かれて出発しますから、自分たちの番がくるのを待ちます。
ここから写真撮影は禁止なので、残念ですが写真はありません。
やがて並んで列をつくってガイドの出発を待つ間、本当はひとりひとりカンテラを渡されるはずですが、この日は人数が多かったせいか、私たちにはカンテラはもらえませんでした。前を歩いていく人たちはもらいましたから、ぐすぐず歩いて前の人とひき離されたら、真っ暗な洞窟の中で足元も見えなくなってしまいます。


    
資料写真 (写真はホームページを見るとたくさん出ています)

洞窟の入り口ではさんさんとした夏の日差しにみんな暑そうですが、中は一転まさに氷の世界。これから中に入る人は入り口で寒さ対策をしていきます。

この資料写真では洞窟が奥に向かって水平方向に広がっているように見えるかもしれませんが、とんでもありません!! ここはまさに洞窟のなかにもう一つ、しかも氷で覆われた山がある、といったそんな感じです。

いくつもいくつもルート上に設置された階段を登って、奥へ、上へと進んでいきます。途中で先に出発したグループと登りのルート、下りのルートが接近したりして面白いです。何箇所かの氷にはネーミングがほどこされ、少し歩くのを止めてくれますが、基本的に登っていってまた下ってくる全部で70分のコースです。洞窟の中なのでどれくらい登ったのかわかりませんが、そうとうの山道に匹敵します。しかも取り残されたら一大事ですから、必死であとをくっついていきます。( ヨハンとしては日本製の発熱しないLED電気で全体をてらしてほしいと思ったことでした)

ここでクイズです
世界一の広さというこの氷の洞窟、全長どれくらいでしょうか?

① 4.2km
② 10.2km
③ 14.2km
④ 42km

まこと君はひとしちゃん人形を残していました。思い切ってひとしちゃん人形を③に置きました。

ぶ~

ボッシュート

答えは42kmだそうです。


19世紀末まで洞窟はせいぜい地元の狩人、あるいは密猟者にしか知られない存在でした。
1879年にザルツブルクの自然探求者のアントン・フォン・ポセルト-チョリヒ  Anton von Posselt-Czorich が200メートルほど暗闇の奥へと入り、これが巨大氷窟の公式上の最初の発見となりました。翌年彼は詳細な調査記録をアルペン協会誌に載せましたが、洞窟の存在はその後再び忘れ去られてしまいます。
1920年になってはじめて調査の人のため、Achselkopf に小屋がつくられました。なにしろ中は山、しかも闇の中という世界なので、調査は少しずつ、すこしずつ奥へ、上へとすすめられました。ガイドさんの説明では今でも全貌がつかめているわけではないとのことでした。
私たちがガイドさんに連れられて見て回るのは、ほんの入り口近くにすぎません。
ロープウェイが出来たのは1955年です。

ロープウェイの運行は
5月1日~10月26日の間
洞窟ガイドは9時から15時半(最終ガイドの出発)


ロープウェイ山頂駅脇には Dr.Oedl-Haus という小屋 (標高1,575m) があって、テラスで食事ができます。
もちろん行ってみたときには満席状態でした。
なんとか席を確保してお昼をいただきました。テラスからの眺めはおそらく後付けの知識ですがホーホケーニヒの山、そしてポンガウの谷、絶景でした。


バスで朝きたインフォメーション・センターまで降りて、せっかくの機会なので、歩いて道を戻るようにして、町の中心を見物してから帰ることにしました。


2011年8月6日撮影




2011年8月6日撮影


この写真の右側の山によく目を凝らすとロープウェイの山頂駅が見えています (赤い↓)。


ヨハン 2012/11/1


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