80年代の親しみやすさ健在
写真・山路ゆか
1980年代に「彼女はサイエンス」などをヒットさせ、エレクトロ・ポップの旗手となった英国出身のトーマス・ドルビー=写真=が、「Live in Tokyo 2012」(Meguro)を発表した。
今年2月にブルーノート東京で行われた公演を、CDとDVDに収録したアルバムだ。流麗なメロディーにノリのよいビート、そして刺激的なシンセサイザーの音が飛び出す80年代的サウンドが楽しめる。
ステージでも披露された「FIELD WORK」は坂本龍一との共作曲。日本との縁はあるが、ライブは今回が初めてだった。約20年間、音楽業界から離れ、IT関連会社を運営していたからだ。「音楽はずっと恋しかったけど、会社が思いのほか、大きくなってしまったんだ」
80年代には自らヒット曲を飛ばす一方、大物シンガー・ソングライターのジョニ・ミッチェルらをプロデュースした。なぜ業界から離れたのか。「90年代、レコード会社は巨大で強欲になっていった。これではダメになると思った。もともと新しいことに挑戦するのは好きだし、ITの可能性にかけたんだ」。その仕事が一段落したため、音楽に舞い戻ってきたという。
本格的なカムバック作となった昨年のアルバム「A Map of the Floating City」(輸入盤)には、エレクトロ・ポップだけでなく、フォークやカントリーを思わせる曲も。もともとメロディー作りには定評があり、親しみやすさは健在だ。「米国で生活し、伝統的な音楽に影響を受けた。音楽で大切なのは技術じゃなくて、感情や想像力なんだよ」Yaff.showAffTag({'disp':'li','iseven':'','irakuten':'','w':'','t':'','a':'','m':'','p':'','seven':'','rakuten':'','isbn':'B007XED72O'});
(2012年6月14日
読売新聞)
関連ニュース
・
トーマス・ドルビー再び
・「スターシステムに焦点 「地上最大の手塚治虫」展」:イザ!
・「電子書籍が担う文化の継承 入手困難な名作配信」:イザ!
・PING送信先一覧