自宅や職場に眠る本が、困難を抱える子どもたちへの寄付金になる新しい仕組みが広がっている。古本のネット販売会社に本を送ると、買い取られた金額が指定した支援団体に届けられ、貧困家庭の子の塾代や、親元で暮らせない若者の支援にあてられる。財布や時間に余裕がなくても、「タイガーマスク」に変身できる?
このシステムはネット販売の「バリューブックス」(東京)が始めた。古本5冊以上なら、宅配会社が自宅まで取りに来て送料無料。本は長野県上田市にあるバリュー社の支社に集められ、ネット上での古本の売価と売れ筋ランキングを考慮して、1冊ずつの買い取り価格が決められる。
送り主ごとの買い取り総額は、送り主が指定した支援団体に、寄付金として振り込まれる仕組みだ。買い取り後は同社が新たに値段をつけ、ネット販売する。
中村大樹社長(27)らが仕事で知り合ったNPOスタッフから、「資金繰りが大変」と聞いたのがきっかけ。昨年3月、ニートの自立・就労支援をしているNPO法人「育て上げ」ネット(東京)と共同で、「キフボン・プロジェクト」をスタートさせたところ、今年1月下旬までに1025人から約6万6千冊が届き、寄付総額は約188万円に上った。
「育て上げ」は若者が就職面接で着るスーツを寄付で受けていたが、着られない服の処分代やクリーニング代がネックだった。本なら、値段がつかなくてもバリュー社が古紙回収業者に引き取ってもらうため、負担が少ない。
昨年10月からは、このビジネスモデルを拡大し、「ブックレイジング」と命名。ほかの7団体と連携して本を寄付金に換える活動を始めた。その一つ、兵庫県西宮市の「ブレーンヒューマニティー」は生活保護家庭の子どもの学習費用を支援しており、400冊の寄付(買い取り額1冊50円と想定)なら、小学生1人の塾代3カ月分になる。
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