1、全米女子オープン
快進撃の予選1位通過で、こりゃあ行くんじゃないの?、と日本中の期待を一身に集めて臨んだ3日目は、耐えて耐えてのシンドイ一日。それでも首の皮一枚残して、最終日を首位で迎えたのだから、ワッショイワッショイ連呼の日になるはずだった・・・のに、恨めしいのは気まぐれな天気である。これが吉と出るか凶と出るかは、神のみぞ知る・・・ということだが、私はむしろ渋野にはいいインターバルになったのではないか、と思っている。それは当面の敵がオルセンという、余り知られていない選手だからということもあるが、渋野の強みは何と言っても「パッティング」が素晴らしいことである。それはバーディーが「狙える場所」にボールを置けている、というショットの正確性とマネジメントが素晴らしい、ということだろう。そしてそれを支えているのが「安定したメンタルとあくまでポジティブな思考」であることは間違いない。パットを外して落ち込むにしても、「しゃーねーなぁ、よっしゃ次行こう!」で次に行ける気持ちの切り替えの速さと「上下の振れ幅の狭さ」にある。それはバウンスバック率にも現れていて、ボギーを叩いた後にバーディーを取る確率が、ツアー1、2を争う高さだという。これは我々が、大叩きした後に「よーし、絶対次取って挽回してやるぅ〜」と無闇に意気込むのとはまるで違って、一段「集中力のレベルを上げる」ことだと私は思っている。勿論、集中力を上げればバーディーが取れるなら、「毎回MAXの集中力でやればいいじゃないか」と言われるかも知れないが、それは4日間72ホール続けることが「不可能なレベルの高さ」なんだと思っている。選手は「いつ、どこで」伝家の宝刀の集中力を使うか、がマネジメントだし勝負だと言える。その集中力が「人一倍凄い」のが渋野の魅力なんじゃないか、というのが「私の読み」である。もしかしたら渋野は自分で「ゾーンに入るスイッチのON/OFF」を切り替える技を身に着けているのかも知れない。今回の順延は、その集中力をちょっと休ませることが出来たから、渋野には有利なんじゃないかな、と読んだ訳だ。まあ本当のところは本人に聞かないと分からないが、他の選手も同じように休息してるわけだし、出だしで躓いた選手も一日伸びたことで、リセット出来るのは有難いと思っているかも知れない。すべては今夜1時、渋野のセカンドが真っ直ぐ行ってくれれば、勝機は自ずと見えてくる筈である!。今日は寝ないで生で味わおう!、なんて大技は危険すぎて到底出せないから、ひとまず眠ってから、ゆっくり録画を見ることにする、・・・情けないねぇ・・・。
2、加賀電子新人戦
毎年楽しみにしている、本年度プロテスト合格者だけの「お約束」の大会である。一昨年は初日に首位に並んだ原英莉花と河本結が、最終日の息詰まるドッグファイトを制して、原が「一生に一度の栄冠」を勝ち取った。ところが去年はレギュレーションが変わったせいか、開催は見送られてしまっている。今年はどうかなと心配していたが、コロナ禍にも関わらず12月の10日から何とか開催されたのは、選手にとっては喜ばしいことである。ゲームは山下美夢有が逃げ切り態勢に入るかと思いきや、セキユゥティンが15番からの「圧巻・怒涛の4連続バーディ」を決めて、彼女らしい「可愛らしくチョコンと出したガッツポーズ」と共に栄冠を勝ち取って幕を閉じた。この新人戦の優勝者はその後ツアーでも活躍している人が多いが、近年の優勝者はそうでもないので、まあ参考程度に見ておくのが良いだろう。ちなみに歴代優勝者の中には、96年度は不動裕理、20年度に李知姫、04年度は横峯さくら、05年度に上田桃子、08年度は森田理香子、13年度に藤田光里、18年度は原英莉花、などがいる。セキユウティンがツアーで活躍できるかどうかは、これからの彼女の努力と、ファンの応援次第であろう。彼女は顔が可愛いので、見た目には「ほんわかちゃん」みたいに思えるが意外や意外、結構勝負には気合を入れて臨んでいるみたいだから、実戦での戦闘力は相当に高いかも。今回も15番でやや長めのパットをガッツで決めると、あれよあれよという間に「7アンダー・ノーボギーの65」を叩き出した。先行する山下が伸び悩んでパーを重ねる中、苦もなく「あっさりと」抜き去って、逆に2打差をつけるという驚きの完勝である。いやー強い強い。去年と比べるとトレーニングで体型もだいぶムキムキ感が出てきたし、飛距離も伸びてると言うからこれは本気だ。今年はずっとレギュラーに出て賞金を稼いでいて、新人戦終了時点で「賞金額952万9850円」で50位という成績である。今年は来年と合算だから何とも言えないが、コンスタントに30位前後の成績は出してるから、あとベストテン・フィニッシュを2度くらい取れれば、まずシードは間違い無さそうな位置にいる。勿論、優勝すれば文句なしだ。持ち前の美貌とスタイルに抜群のファッションセンスが加わって、インスタグラムはフォロワーが急上昇だと言う。これにさらに実力が加わる「鬼に金棒状態」だから来年はレギュラーツアーで大活躍するのも、大いに期待できると言うもんだ。ただ、一緒にくっついてくる「お父さん」がウザいので、出来るだけ早く「父離れ」して貰いたい、というのが唯一の願いである。こんな風に「夢に向かって」突っ走ってる時が、人生一番楽しい時かもね。
セキユウティン、優勝おめでとう!
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