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明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

ゴルフの真髄(21)シャンクにさようなら

2019-09-23 21:59:13 | スポーツ・ゴルフ
ところで今日の朝のワイドショーで分かったことだが、渋野は勝負を決めるパットを「手が震えて上手く打てなかった」という。テレビで試合を見ている分には全然そういう風には見えなかったが、全英から帰ってきて以来、徐々にプレッシャーが重くのしかかるようになってきて、優勝争いになった昨日は一層その重圧に押しつぶされそうに感じていた、と告白したらしい。本当かな?と一瞬思ったが、あのスマイル全開の渋野でさえ、手が震えるプレッシャーって何だろうか。私の人生では経験したことは無いものだが、ちょっと似たような体験は2、3あった。

その1つ目は社会人としての体験だったが、明日は年に1度の展示会という前日、プログラムを直していて「どうしても治らない部分」があって途方に暮れたことがあった。時間は夜の11時頃で会社に残っているのは私一人だけ。勿論、誰か残っていたとしても、コンピュータの事を分かる人など誰もいる筈がないと言うシチュエーションである。私が全て任されていて今ほどにITが進んでいない頃の話だったので、何を開発するにしても「全く新しい機能」だったから、感謝されることはあっても「失敗したからと言って文句を言う人」は誰もいなかったのだ。それでもプログラムが動かない場合は、私の責任を問われることになる。奮闘虚しく時間は刻々と過ぎていって、深夜一時ころには「万策尽きて」階段でタバコを吸っていた。その時にはもう「何も考えられなく」なっていて、セミの抜け殻状態になっていたと思う。それがボーッとして2本目のタバコに火をつけた時、あるアイディアが頭の中に突然ひらめいた。「もしかしたら・・・」、と私はタバコを灰皿に捨てるのももどかしく、全速力でコンピュータのある場所に走っていった。そして・・・、プログラムは何事もなくサクサクと動いたのである。「ああっ、動いた!」と言うのが精一杯の反応だった。原因は「LANケーブルの断線」である。極々初歩的なミスだ。終わってみれば「何だ、こんこなことか」と思われるかも知れないが、時計はもう夜中の2時を回っていた。当然、翌日の展示会には、「会社に泊まったまま」シャツも着替えてない格好で出ていったのは言うまでもない。

これは私のキャリアの中でも良くある「ホンのちょっとした危機」であった。こんな綱渡りはしょっちゅうである。だが次に話す2つ目のプレッシャーは、他でもないゴルフでの出来事だった。私は普段100前後でラウンドする、ビギナーから「ちょっとだけ上級」のアマチュアゴルファーである。パターとアプローチは「練習しない」から本番でも真剣に打った記憶がない「ド下手」である。バンカーは・・・、言わ無いほうがいいだろう。それがある日のこと、場所は取手桜ヶ丘の「易しいコース」だが、何と「ハーフ40を切る勢い」でラウンドしていたのだ!。ホールは後2つ。パー、パーで回れば38である(おおっ!)。信じられない!奇跡だ!と周りも色めき立って、私の一挙手一投足を文字通り「固唾を呑んで」見守っている。その時、私は完全にゾーンに入っていて、「ただボールの前に立ち、クラブを振る」、それだけの事に集中し切っていたように思う。勿論私は普通に、いつものように会話していたつもりだったが、後でその時のことを友達に聞くと、何をどうしたのか「殆ど覚えていない状態」だったことが分かるのであった。結局本人はそれをプレッシャーだと感じているわけでは「全然無い」のだが、やっていることは上の空で「意識が、自分一人の中に閉じ込められているような」特殊な感覚に陥っていたのである。他人にとっては、私が40を切るか切れないかなどということは些末な問題であるのにも関わらず、そのハーフ1時間余りの間、私は「遠い別世界を漂っていた」のだ。もし渋野がこのような感覚を感じていたとするならば、日本中のゴルフファンの期待を一身に背負って、スタートホールで「全英女子オープン優勝の渋野日向子・・・」とコールされる度に、彼女はティーイングエリアに立つ自分に向かって「あなたは誰なの?、どうしてここにいるの?」と自問自答したに違いない。そのプレッシャーから開放されたのは、プレーオフに備えてパターの練習をしている時にキャディから「勝ったよ」と聞かされた時だという。

まあ私と渋野を比べるのはお門違いも甚だしいが、要するにプレッシャーというのは、目の前の自分の行動の結果が自分一人では「どうしようもない位」に多くの人から評価される、ということへの恐怖である。プレッシャーを感じずに、それを心地よいと感じる人もいるし、逆にそれに耐えられなくなって自滅する人もいるわけだ。ちなみに私のハーフ30台の挑戦はどうなったかと言うと、ボギー、ダボで41に終わり、夢の「30台」は達成できなかった。誰も結果にがっかりする人はいなかったのがせめてもの救いだったが、これが何十万人という日本のゴルフファンの「大声援」を受けて優勝を決める最後のウィニングパットを打つ、となれば、「手が震えて動かなくなる」のも無理はない。申ジエの左足首の怪我とか、風が強くなり雨が降って試合が一時中断したとか、色んなことが渋野に有利に働いたと言うこともあるだろう。何にせよ優勝出来たことは渋野にとって、「肩の荷を降ろし、一息つく」良い機会であり、これからまた賞金女王に向けて再始動する絶好の休息になったのは間違いはない。プレッシャーの恐ろしさと言う事で思い出すのは、前の東京五輪でマラソン3位に入り、後日「もう走れません」の遺書を残して自殺した円谷幸吉のことである。冥福を祈りたい。

さてこの前、ダンロップのデジタルクリニックに行って自分のスイングを映像で見た。それで自分の欠点がはっきりしたので(前から悪いところがモロに出ていただけだが)、その欠点を治すためにもう一度最初から、スイングを見直して理想を実現するために猛練習を開始した。今週は、根本的大改造の手始めとして次の点に注力したので参考にどうぞ。

1、スイング時に右手はずっと左手よりも上
スイングの軌道を上から下へ直線的に打つことが、インパクト位置を正確にボールにコンタクトさせる秘訣だと分かったのである。つまりヘッドを「上から入れる」意識が、正確に点で当てられるスイングを作る。ヘッドが低い位置を滑るように通ってボールに当たるというイメージは、実際にやってみれば解るが、スイングプレーンから外れてしまい「ヘッドが下からアッパーに入る」最もやってはいけないミスになってしまう。最近のスイング理論などではシャローに入るのが良いとされているようだが、それはあくまで「上から入る」ことが前提だと解釈すべきだと思う。上から入ったうえでの「ややシャロー」なのだ。だから我々アマチュアは「入射角度」のことなどは二の次にして、上から鋭角にヘッドを入れる練習を先ずすることである。シャロー云々は、それが出来てから「後で、充分」である。ヘッドが上から入れられるようにスイング軌道を改善することができたら、次は最下点をボールの「2個分先」に設定して、それを意識して振ること。そうすればハンドファースト&ダウンブロー完成といっても、ほぼ間違いではない。

で、それを実現するためのスイングのツボは

a. ダウンスイングではシャフトを右肘より上にキープして振り下ろす
b. トップでは意識して右手を左手より上に持っていく
c. インパクトまでは力を入れないで、身体の左側が捻転して引っ張ってくるまでクラブを振るのを待つこと
d. インパクトは左腕主体に引き下ろし、右腕はボールに当たるまで曲げておく
e. ヘッドスピードを上げたいときには、まず左側の体の回転速度を上げる
f. ボールをヒットしたら、その瞬間に力を入れて右手を伸ばす

以上である。

ダフリ・トップを防ぐには、空振りしてみて実際にヘッドが落ちた所の少し右側にボールを置く、と昔「ジョニー・ミラー」が言っていた。確かにこの方法で上手くいく人もいるだろう。だがクラブを振るたびにヘッドの落ちる場所が違ってしまう私のようなアマチュアは、この方法ではダメである。よって1にも2にも「上から入れる」練習が、ダフリ・トップをなくす近道なのだ。球に当てるのだから「最短距離で正確に当てる」ことに集中しなくてはならない。飛距離はヘッドで正確にヒットすれば、自然と結果はついて来る(と信じて練習しよう)。

2、インパクトはぶつけて終わり、が飛ぶ!
葭葉ルミや松田鈴英のショットを見ていると、背が高いからスイングプレーンが縦になってそう見えるのかも知れないが、高いトップから一直線にクラブを下ろしてきて、ガツンとインパクトして、後は軽く流しているように見える。フォローを「ブーン」と迫力あるスイングで振り切っている人は、見た目ほどには実は「飛んでいない」のだ。私が今日、練習場で打った結果から言えば、トップから思いっきり早く手でクラブを振った結果「スイングの途中にボールがある」という打ち方になった時には飛距離が余り出なくて、トップから下半身主導の身体の捻転を使ってクラブを下ろしてきて、インパクトの瞬間に最大の打撃を与える気持ちでガツンと打ったほうが「確実に5〜10ヤード」飛んでいた。これには多分、シャフトの「逆しなり」というヤツも関係しているかもしれない。とにかく腕を早く振ることは、飛距離を伸ばすことにつながらないだけじゃなく、色々なミスの元になるので「即刻止める」こと。結果として8割スイングになるのが、私のスイングの極意である。

3、ダウンスイングで左のお尻を後ろに引く
ダウンでは左へ体重移動するスライドではなく、左のお尻を突き出すようにして「やや沈み込む形」が良いインパクトを生むポイントだ。私は前からインパクトで起き上がりがちになるので、それを抑えるのにも有効である。日曜の The Golf で三觜先生が言っていたように、バックスイング開始時には「つま先体重」でもいいが、「ダウンでは後ろ体重にしないと伸び上がる」と解説している。それを聞いて実践してから、前傾維持が保てるようになった。そういえばエイミー・コガもバックスイングで「ちょっと後ろ体重」になってから、ダウンスイングで沈み込んでいるようだ。是非真似したい所である。なお、お尻を引くことで左側の体幹が強化されるようで、インパクトが「より強くなった」と思う。予想外の効果で嬉しい限りだ。

4、左手を低く保って引っ張り込む
この左手の位置を低くすることは重要である。ヘッドを正しい方向に向けるために、左手首を手の平側に折り曲げる動作は「掌屈」と言って、正確なボールコントロールには必須である。俗に言う「手元が浮かないインパクト」だ。渋野日向子のスイングをスローで見ると、左手がまっすぐ伸びて左側の脇が「張っている」のが分かる。ソフトボールのバットスイングにも通ずるのだろうが、「球を打つ」と言う動作には欠かせない動きであると思う。左を伸ばしてボールに当たると、体の左側の筋肉が緊張して固くなるのが分かる。これが飛距離を生むのではないか、と私は考えている。勿論、左へのヒッカケを防止する効果もあるようだ。ボールをヒットする瞬間にしっかり左手でクラブを保持し、右手で上から地面に向かって押し込めれば「最高」である。私はまだそこまでは出来ていないが、「さわり」ぐらいの感覚は得ることができたと思う。後は練習・練習である。

5、シャンクは治る病気だ
最後に、時々突然出てしまうシャンクについてだが、私はアドレスでヘッドをボール位置より球1個分、軌道が自分の近くを通るようにセットすることで、解決した。私の場合、シャンクはヘッド軌道がボールより「外側にブレて通過して」、ネック寄りに当たっているために起きていた。要はそれを防ぐために「予めブレを計算して」おき、外側に膨らむと丁度真っ芯で球に当たるようにヘッド位置を内側にセットすることで、完全に修正できた。今日の練習でヘッドの位置を変えてからは、300球打ち終わって練習場を出るまで「ただの一度も」シャンク・プッシュスライスは出ていない。これがシャンク撲滅の答えである。

以上、私の「スイング探しの旅」はようやく終わりを迎えるところまでやってきたようだ(ちょっと古代史学の先達、古田武彦先生を気取ってみた)。明日はデジタルクリニックの日である。はたして今度はどんな結果が出るか、楽しみにしている。もしかしてPGAツアー選手の「ダニー・ウィレット」みたいな華麗なスイングになっていたりして・・・。

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