明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

今日の視点(40)円安とデフレを考える(下)

2024-05-26 10:24:00 | 私の意見

3、現在の政府の対応は・・・
あんまり円安が酷いので日銀は何回か「円買い」為替介入したらしいけど、結局はまた元の円安に戻ってしまったようです。なので日銀の対応としては、円安が「自然に終わる」のを待つだけ、と言う事ですね(というのは聞こえは良いが、自然に終わるって誰が保証してくれるわけ?。要するに「打つ手無し」でお手上げ状態らしい。つまり庶民の苦しみは「放置」ってこと?)。

一方で輸出企業は空前の売上増となって、計上利益が「過去最高!」で笑いが止まらない会社が続出してると言う。これ、日経平均株価が4万円に乗る程の「極限ウハウハ状態」なわけで、企業経営の現実は庶民の暮らしとは真逆の状態だと言うことが明らかになったわけです。

いったいどうなってんの?

まあ政権与党の自民党はもともとからして「大企業のしもべ」なわけで、表のコメントは尤もらしいことを並べて困ったような顔を見せてるようですが、実は内心は全然円安を是正する気など「毛頭無い」ってのがミエミエです。というか、困ってないんですよ、実際。

だから、もういい加減に政権与党を取り替えましょうよ、日本が沈没する前に、ねっ!

4、私が思いついたヒント
現状日本は一方では物価高で生活が困窮してると言うのに、もう一方では儲かって儲かってしょうが無い、という二極化状態が続いています。この2極化を何とか無くそうと頭の良い人があれこれ知恵を絞って今までやってきたわけですが中々上手い方策が見つかりません。ところがこれを「別の視点」から見直すと道がパァーっと開けるから不思議です。今まではこの2極を「輸出入」で分けてた訳ですが、私は次のような「切り口」でこの2極化を振り分けて見ました。

つまり・・・
① 収入と支出が全部「円」の人々
② 収入と支出が全部「ドル」の人々
という分け方です。

平たく言えば「国内に生活の基盤がある人」と「海外に生活の基盤がある人」で分けるのです。今、この2つの生活スタイルで為替変動のリスクを考えてみましょう。

国内で生活している場合、品物やサービスの「需要と供給が安定」して変わらなければ当然ながら物の価値も一定して、変動のリスクもなく貨幣価値も安定して変わりません。唯一変動要因となるのは輸入している品物や原材料・エネルギー関連費用でしょうか。食料など国内産で代替出来るものは徐々にシフトしていって国内で完結するよう目指していき、化石燃料に頼っているエネルギー問題は何とか太陽光発電など自然エネルギーに徐々に変換するしか無いと思います。どちらにしても輸入依存度が減れば為替リスクもその分減るのは当然です。

要は、「必要なものを必要なだけ生産」して供給過剰を無くし、価格を安定させることが第一です。そして消費も出来るだけロスを減らすよう工夫して資源を大事にする「循環型社会」を目指すことです。そうすれば価格は安定し、「安さ競争」でなけなしの給料も削る必要もなくなるのです。また、生活や暮らしの程度はシステムには関係なくて、日本という国土が「本来持っている豊かさ」によって決まります。日本は世界でも有数の天然資源の豊富な国なんだから、一致団結して皆で力を合わせればできない事はない筈です。

これ、円だけで生活が完結する社会であり、そもそも「為替を必要としない国」になるという計画です(為替が無ければ円安も無いって訳、単純です)。しかし海外との取引を一切しない鎖国のようなやり方を取れ!と言うほど私はバカじゃありません(おあいにく様でした!)。じゃあどうすればいいのか?

5、そこで解決策です
国民を2つに分け、(A)円で生活する人、(B)ドルで生活する人、とします。Bの人が国内で何かを買ったり食事したりした場合は「全部ドルで払う」事にするのです。だから一切「為替レート」そのものが存在しません。(B)のドルで生活する人というのは、イメージで言えば「観光客」でしょうか。

で、輸出入をする企業ないしその社員達については(B)のドルで生活する人として扱うのです。当然売上も利益も原材料も何から何まで「ドル払い」にして貰います。こうすればドル円の為替による価格変動の影響は「全く受けない」わけで、要するに「アメリカ人と同じく」社員は給料をドルで貰って、生活もドルで払えばすべて丸く収まって万々歳になるってわけです(ヤッター!)。2つの集団は「為替」を中間クッションにして、完全に別のグループ・別の国家のように振舞うことになります。

例えば観光客やドルで生活している海外組の人が国内でレストランに入ってラーメン食べたとします。国内組の人は代金1000円ですが、観光客・海外組は10ドル払って貰うのです。現在の為替レートで言えば10ドルは1550円位になりますが、ドルをそのまま払うので「為替レートは無視」ですね。貰ったドルは後でまとめて「市役所」で円に替えて貰います。勿論その場合も1ドル100円の固定レートです。これで一般庶民は何の問題もなく安心して為替変動によるリスク無しに生活することが出来るというわけです。為替は全部政府が「肩代わり」します。

問題は国内組が海外に旅行したり海外から何かを輸入した時と、海外組が国内で何かを発注した時に「為替」が発生することです。例えば石油が円安で100円から150円に上がった場合は、政府が50円分負担して国内に供給する価格は据え置きにするわけです。政府は大変じゃないか!って思うかも知れませんが、それこそ「自然に収まるのを待つ」作戦で充分に行けると思いますよ。今までも為替変動はあったわけだし、逆に1ドル80円台の時は輸出企業は青息吐息で苦しかったわけです。「おあいこ」でしょう。大事なのは「庶民に影響が及ばないようにする」ことです。

解決策は国内人は円払い、海外人はドル払いにする、で決まりです。これでひとまず解決しました。

6、ハイブリッド国家の創設
実は必要なものを必要なだけ作る社会と言うのは「計画経済」に他なりません。100円で市場に供給されている品物を別の人が90円で提供すれば売れるに決まっています。そして高い品物は売れ残って廃棄されるでしょう。これって完全に「ムダ」じゃないですか?。ムダを無くすためには、商品の供給と社会の需要はバランス良く保つ必要があります。つまり売り手と買い手が「ムダを出さないWin−Winの関係」になれば、あの懸案の「デフレ圧力」も無くなって、結果人件費を削ることも必要なくなり皆んな万々歳という訳です。

しかし一昔前のソ連などで全国的に推進された「共産主義の計画経済」はすべて破綻した、という現実があります。それは人間には「皆んなで仲良く」という人だけではないからです。多くの庶民が小さくても真っ当に生活している場所に土足で踏み込むような真似をしてズカズカ入り込み、豊富な資金と経済界の利益第一主義の下に「安売り攻勢」を仕掛けて市場をカッさらう者がいるのも事実です。

で、大量生産大量消費の資本主義経済で競争し、グローバルの世界で己の才覚と努力を武器にノシ上がろうという人は全て「ドル社会」で稼いで貰うというのはどうでしょう。この社会では「お金がすべて」ですから、こういう人にはピッタリだと思いますよ。

実は私がハイブリッド国家構想をぶち上げたというのも、この2種類の人間は「相容れない」別の生き物だと分かったからです。人間を企業経営者とそれに奉仕する労働者の2種類に分けて、下剋上の儚い夢を追いかけるのが人生だ、などと持ち上げて来たのが現在の日本です。人は経営者に成らなければ「労働者というコストの一部」に成り下がるしか方法は無く、僅かに与えられた小さな幸せに喜びを感じて一生を終える「家畜」になるしか生きる道は無い、というのがこの社会なのです。

戦後の日本を振り返ったとき、ようやく第二次世界大戦の敗戦から立ち直ってG7にも加わり世界の先進国と肩を並べた、と思っては間違いなんじゃないでしょうか。経済の視点で見れば一部のグローバルな富裕層と、その他大勢のローカルな低所得の日本人層の2種類が共存している国、それが今の日本なのは明らかです。

例えて言うと日本の富裕層は、自分で商売していてお客に物を売り収入を得ている「表の華やかな」人々です。当然その会社の使用人の給料は経理上はコストに入れられるので、出来るだけ低く抑えられているのが当たり前です。そしてその家族や子供は「低い給料=コスト」で生活をしているから、低所得層のまま伸びる要素は永遠に与えられないまま、という2極化した社会が現実なのです。これが今の日本の実態です(別に日本に限った話じゃないけど)。

デフレマインドとは、この利益第一主義でガムシャラに働く人と、その使用人で小さな幸せを頼りに生活している人達の「二重構造社会」から生まれた、一種の「防御本能」なんじゃないかと最近私は考えるようになりました。つまり値段を下げて勝負する為には給料を我慢するしか無いと思い詰める、日本人が昔から持っている悪い「精神主義」です。これを解決し、これから脱却するためには日本人全員が「経営者的ものの考え、外の人と同じ世界の空気吸う」ことしかないのじゃないか、と。

私はこれほど迄に日本人の精神構造に深く染み込んだデフレマインドあるいは農民根性を「コートを脱ぐように」あっさりと捨てさって、突如全ての人がグローバル化するというのは「正直言って無理」じゃないかと思っています。多分日本人にとってはこのまま安くて品質の良い輸出国としての顔と、相変わらずデフレ圧力が幅を利かせる国内の低所得者層との「二重構造」で生きて行くしか方法が無いんだろうな、と思ったりしています。

それで、一方では「ブータン」とまでは行かなくてもそこそこ幸せで活気ある「循環型社会」を目指しながら、自分の仕事に誇りを持つ人々が互いの人間をリスペクトしつつ楽しく生活し、趣味や芸術を享受する幸せな社会と、もう一方では大量生産大量消費社会に敢然と身を投じて、一代で巨万の富を築くアメリカンドリームに人生を賭ける激烈な競争社会との「ハイブリッド国家」を提案したいと思います。その秘策が「円・ドル二本立ての社会」という訳です。面白いじゃありませんか?

それじゃ日本中の店がドルを用意したりお釣り計算したり大変じゃないか!って?。何をおっしゃいますか、ドルは全部「デジタル決済」するので問題ありません(何なら円だって「現金なし」にしてもいいくらいです)。これ、結構上手く行ったりするんじゃないかな、知らんけど・・・。



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