明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

宮崎議員の本当の過ち

2016-02-17 10:49:01 | ニュース
宮崎議員の犯した過ちというのは、不倫をしたことではない。不倫は誰でも犯す可能性があるありふれた過ちで、だから夫婦間の争いごととしてももっともポピュラーである。国会議員だって男だから、いい女と思えば片っ端しから落としたいと思っても不思議はない。だが、彼の犯した過ちというのは、本業のほうで「育児休暇」をぶちあげたことである。

男親が育児を手伝うために休むというのは簡単なようだが、その男親が選挙で選ばれた国会議員となると「私も育児休暇とります」と言われて、はいどうぞと簡単に言える状況ではない。国会議員が国会を休むというのは「選挙民の民意を代表することを放棄すること」である。

もし本当に育児休暇をせざるをえないのなら、代わりに秘書でもアルバイトでも或いはボランティアの後援者でも育児・家事の手伝いをすればいい。育児・家事は誰でもできるが国会議員は誰でもというわけにはいかない。それほど重要な仕事である。

そういう自覚があってなおかつ育児休暇を宣言するなら、立派な事である。勿論、育児休暇を取らない方法はいくらでもある。しかし育児休暇を取る事で一般民衆に「育児の大切さと女性に対する負担の軽減というメッセージを伝える」というなら、大いに賛成である。

だがいかんせん宮崎議員は、その様な高邁な精神から育児休暇宣言をしたわけではなかった。ただ理由ができたので国会をサボっただけだったのだ、情けない。

責めるなら、国会議員をおちょくった罪で裁くべきである。不倫は家庭の方で精々謝って貰うとして、自分に投票してくれた選挙民の票の重さを少しでも感じる事が出来るのなら、ニュースでの言い訳ももうちょっとマシになったはずである。

その後、議員辞職したとのニュースが流れた。普通の市民に戻って真面目に不祥事の償いに努めれば、3年もすれば「私もやったバカなこと」で笑い飛ばすのも許されるかもしれない。全ては時とともに流れ去る。でも育児休暇問題はどうなるの?

日本人のワイドショー感覚は、病膏肓って感じ。育児休暇問題を掘り下げて「一回一回結論を出す」ことができない人種は、あらゆることが「あんなひどい男(または女)がいる」と言う話で終わらせてしまう。大事なことを議論するより、みんなで面白がって叩く対象を鵜の目鷹の目で探して人生を送ってるのだ。

人を叩いて比較して「私達はあんなバカと違うのだ」と褒めあって溜飲を下げるのは、他人がマイナス価値だから自分はゼロ価値なので上だというのと一緒で、結局は永久に「プラス価値にはなれない」ひとの負け惜しみである。少なくともプラスになる「努力」はしてもらわなければ。その努力が例えば、育児休暇問題を真剣に考えてみることである。自問自答すれば、何かが始まると思う。


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