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明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

トランプのイラン核合意離脱が意味するもの

2018-08-13 21:18:35 | ニュース
トランプが中国と貿易戦争を激化させていると世界が注目しているが、イラン核合意離脱と合わせて考えると、トランプの行動は「一つのこと」を加速させるためにやっていることだというのが明らかになった。例によって田中宇先生の受け売りだが、なんでトランプがイラン核合意を離脱したのか、なんで中国と貿易戦争をやるのか、それら「一見バラバラな思いつき」のように見える出来事が、見事に一つに収束してくるから不思議である。それは中東での覇権移譲である。

(1)中国やカナダ・EU・日本など、多くの国の輸入品に高い関税をかける
(2)イラン核合意から離脱し、イランと取引している企業に制裁発動
(3)EUの輸入関税を緩和
(4)結果EU企業はイランとの取引をやめれば、アメリカとは関税を元の条件で取引継続
(5)イランの取引相手に中国が進出
(6)中国はアメリカと貿易戦争中だから制裁を受けても痛手はほとんど無い。
つまりイランは政治的にロシアの後押しでシリアのシーア派を応援しているが、経済的にも中国・ロシアの傘下に入る

というわけで、トランプは中東から英米EUの西側勢力を一掃し、中・ロの覇権構築をコッソリ加速させていた!、というのが田中宇氏の読みである。田中宇氏の説の通り「トランプは目くらましで世論を撹乱している」が、結局最後に何が残ったかと考えると、中国・ロシアの覇権拡大である。イランは各合意離脱と制裁発動後に「ルノーとプジョーが撤退」して、代わりに中国の東方自動車が市場を占有しているという。天然ガス開発も中国が取った。日本はちょっと前にはガス利権に食い込んでいたと記憶しているが、今はトランプ制裁発動で「ビビって」取引をやめてるんじゃないかと私は思っている。

イスラエルもサウジアラビアもエジプトもトルコも、ロシアの現実的な仲裁に靡いて「対立抗争は収束し和平の方向に向かう」ようだ。これら一連の動きと歩調を合わせるように、トランプが大統領になってから「だんだん大規模なテロが減って」きて、ISやアルカイダの活動の場がなくなってきたことからも見て取れる。アメリカの軍産複合体による物心両面にわたる援助がオバマ・トランプの方針変換で突然途絶えたので、これらのテロ組織は空中分解・吸収せざるを得なくなった、との見方が当たっている。

田中宇先生の分析では、世界を対立・冷戦構造のまま覇権を維持していくというのは「コスト的に限界がある」と見たユダヤ金融勢力が、覇権の分立を目指して暗躍している状態というのが「トランプ政権」である。トランプが政権を取ってからの迷走は「意図的なのか、それとも誰かに操られて」なのか不明だが、成果は着実に出ている。先進国だけで永遠に世界を牛耳っていくという考えは、実はG7が有名無実と化した頃から始まっていたのである!

てな訳で、いよいよトランプ劇場は二幕目に突入するのだ。果たしてどんな展開が待っているか、お楽しみに。

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