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Everyday is a Special Day.

英語、日本のドラマ、日々のあれこれについて熱く語ってます。

「愛していると言ってくれ」最終回

2006-04-17 11:30:12 | Review
今日が最終回でした。
晃次と紘子は偶然再会して、二人で海に行く。お互いの気持ちが変わっていないことを確認して抱き合おうとするが、結局は紘子は自分の裏切りを許せず、別れる意志は変わらない。
二人はそれぞれの道を行き、3年後、偶然再会し。。。

あーーー。朝から泣いた泣いた!海での最後の別れで、晃次が紘子に「声を聞かせてほしい」と言い、「愛している」っていうところ。。。
好き合ってるのに、でも別れなくちゃならない。この手の展開には弱い。
紘子は「そのままの自分で晃次とまた付き合ってもダメだと思う」って言っていた。
10年前、初めて見たときは、「お互い好きなのになんで別れる必要があるわけ?」と納得いかなかったけど、この場面も今見たら、紘子の言うとおりだな、って思った。相手を信じることができない、自信のない自分のままでは、また同じようなことが起きて、傷つけ合うだけ。
世の中には自分が成長しないと、きちんと向き合えない物もあって。恋も同じなんだ、きっと。

ドラマでは3年後、二人はまた出会う。紘子は女優としてTVなどにも出られるようになっていて、晃次も画家として成功している。成長した二人なら、今度はうまくいくんだろうな。。って幸せな未来を匂わせて終わる。
でも、現実にはこんなふうに再会することなんて少ないだろうし、3年も経っていたら、お互い好きな人が出来て、再会してもうまくいくか分からない。
現実社会に生きる私たちのドラマは、別れた時点で終わり。別れを悲しみつつ「またいつか会えたら」と強く願いながら、忙しい日常にかまけて、だんだんと相手のことを忘れて、いつか綺麗な想い出になってしまう。
そして、十年とか経ち、「若い頃、こんな人を好きになってね。。」なんて懐かしく思い出すんだ。

ドラマチックじゃないけど、それが幸せということなのかもしれない。

ドラマ再放送「愛していると言ってくれ」

2006-04-14 11:25:19 | Review
午前中は家にいて、家事したりワイドショー見たり、のんびり。
最近、「愛していると言ってくれ」の再放送がしていたので、家事の合間に見ていました。
これ、すごく流行りましたよね~。調べたら、1995年放送だそうで、、、確かに登場人物の服装とか、ドラマの音楽や画像センスが、今見るととっても古くさく感じる。。ヒロイン紘子=常盤貴子の眉毛が濃い~。
でも、ドリカムの主題歌「Love Love Love」と、ドラマの内容は、今見ても切ない。。

この間再放送してた「オレンジデイズ」と同じく北川悦吏子さんの脚本。男女の違いはあるものの、聴覚障害者と恋におちる主人公、、という点は同じだし、他にも似たような台詞がたくさんありました。
前も書いたかもしれないけど、北川さんの脚本は良くも悪くも、少女マンガのドラマ化みたいなのが多い。このドラマでの豊川悦司演じる晃次も、女の子が憧れそうな少女マンガの男性像をそのまま映像化したような男性。すらっと背が高く、手足が長くて、性格は穏やかでミステリアスで、でもどこまでも優しい。
聴覚障害者なので、話せず手話だけで会話するんだけど、そのときの手の動きがとっても綺麗で。。。昔から男性の手フェチな私は、豊川さんの手に釘付け。美しい。。。

しかし。いつもながら、北川さんの描くヒロインが苦手。紘子も無邪気つっちゃそうかも知れないが、自分の気持ちのままに突っ走り、いつも自分の気持ちを相手に押しつけてばかり。そのせいで晃次を傷つけ、自分を傷つけてドラマが進んでいく。
本放送の時は、彼女がとにかく嫌いだった。なんで、あの素敵な晃次が紘子なんかを好きになるのかイマイチ理解できなかった。
挙げ句の果てには、晃次が浮気したと勘違いし、自分を思ってくれるケンちゃんと寝てしまい、いったん晃次と別れることになる。あの展開がとっても嫌いだった。
些細なことで相手を信じられず、簡単に裏切り、自分を思ってくれるケンちゃんをそのために利用した形。ケンちゃんはすごくいい人なのに可哀想じゃないか!紘子は本当に自分勝手なヤツなのだー。
って、ドラマの登場人物に本気で怒っても仕方ないんだけど

でも。今日見てみたら、今もやっぱり紘子は勝手だとは思うけど。。
晃次を好きで、好きで、好きすぎて、どんなに「好き」と言われても、自分が好きな余り、相手の気持ちが信じられない気持ちは、分かるような気がした。
自分に自信がないんだよね。
好きだから、相手の前で無理して、本当の自分でいられない。相手に疑心暗鬼になって、そんな自分が嫌気がさして、子供の頃から優しくそばにいてくれたケンちゃんに頼ってしまう。そんな気持ち、分からないでもないな、と。
だからといって、簡単に寝るのはねぇ。。。と思うけど。

本放送から10年以上。
私も10年分、年を取り、いろんなことを経験し。
その分、人の弱さとか痛みが分かるようになったのかな、とか思った。
年を取ると、それだけ、ひとに優しくなれるような気がする。

って、何故かドラマの再放送を身ながら、思う私でした。

「僕たちのアナ・バナナ」感想

2006-04-12 19:06:44 | Review
借りてきたビデオ「僕たちのアナ・バナナ」を見ました。ずっと「変なタイトルぅー?」と思ってたんだけど、Amazonのレビューなどでは評判が良かったので。
がっ、期待しすぎたのかイマイチ。。。「ロマンティックラブコメディ」らしいのですが、あまりロマンティックでなかったし、ラブストーリーにも感じなかった。この映画の本当のテーマは「宗教と結婚」「男の友情」だと見ました。
幼なじみの男二人と女一人のお話。男二人は、一人はユダヤ教のラバイ、一人はカソリックの神父。どちらも宗教と恋愛は密接に関係していて、それが恋愛への足かせとなるラブストーリー。
でも、宗教が身近でない日本人にはこういう感覚、わかりにくいし感情移入しにくいのではないかと思いました。
ユダヤ教のラバイは妻を娶ってもいいそうだけど同じユダヤ教の女性と、カソリックの神父さまは結婚してはならない。一生独身を貫かなくちゃいけないのだ。もし恋を取るなら宗教も捨てることになる。
アメリカに住んでいたとき、しみじみと思ったけど、アメリカ人にとって宗教はとっても大切な物。彼らの考え方の一つ一つにまでしっかりその教えは入り込んでる。知り合いの敬虔なキリスト教徒のアメリカ人男性は、「女性は結婚するまでバージンでなければならない」と本気で言っていました。他にも、「離婚は絶対にダメ。結婚したら何がなんでも一生添い遂げるべき!」なんて考えの人もいました。不倫、援交、なんでもあり、自由恋愛の日本人には考えられないような価値観。でも、彼らにとっては、それを破ることは神さまに背くことで、ものすごい大罪と考えているんですよね。
話が逸れたけど、そういうことを考えさせられる映画でした。
最後はハッピーエンドだけど、改宗して、ってことは、やっぱり恋愛は宗教を乗り越えられないということかなぁ。ちょっとさみしい。

二人の憧れの幼なじみアナはTVドラマ「ダーマ&グレッグ」のダーマ役の女優さん。(このドラマ、アメリカで再放送が何度もやっていて。。頭の中をあの主題歌が巡るー!!)
美人で仕事も出来る才色兼備な女性。そして、ものすごく行動的で衝動的。こういう女性がアメリカではモテるんだ~、と妙に感心してしまった。でも、日本だったら、絶対モテないタイプだと思う。「美人なんだけどねぇー」とか言われ、結婚出来なさそうな感じ。

と、ストーリーとは関係ない部分が興味深かったです。でも129分と長くて、途中で飽きた。。

映画三本

2006-04-07 23:11:11 | Review
近くのレンタルショップの会員になったので、久々に映画を借りてみました。
それとテレビで「東京タワー」をやっていたので、見てみました。

「東京タワー」
江國香織の人気小説を映像化した作品。江國さん、初期の頃は好きだったけど、最近は現実離れしすぎた過剰なロマンティシズム?がかんに障るようになって、ほとんど読まなくなった。この映画も同じように感じてしまった。
映像美と台詞の綺麗さで誤魔化してるけど、全然純愛じゃないよ~。詩史は透を、夫の言うように高級なおもちゃみたいに利用してるようにしか思えない。二人はエッチばかりしてるだけで、精神的なつながりがあまり感じられないし。
綺麗な場所で、綺麗な言葉だけ言い合って、綺麗に抱き合って。。。まったく現実感がない。この綺麗な環境でなかったら、二人の愛ってあり得たのかな?と疑問。本当に好きなら、どんなに汚い場所でも現実感ありありでも育っていくものだと思う。
詩史役の黒木瞳と透役の岡田くんはとっても美しくて絵になるけど、黒木さんの演技って棒読みじゃない?全然透に対する想いが伝わらなかった。
1年後に透に会いに行く詩史。二人はうまくいくわけだけど、現実はそんな簡単にはいかないよね。安易なラストシーンって感じがした。
まぁ、この映画は不倫に憧れる女性が雰囲気の美しさを味わうためのものなんだろうね。だとしたらそれはそれでアリかな。
でも、私はもっと心に響くような映画が好きだなぁ。たとえ綺麗じゃなくても。

「ウェディングシンガー」
アメリカ人の友人が、「きっと好きだと思うよ」と勧めてくれたので見てみました。
アダム・サンドラーとドリュー・バリモア主演。
アダム・サンドラーって日本じゃ知名度低いけど、アメリカではすごく人気があって、年に何本も彼の映画は公開されていました。
私も飛行機の中で何本か見たことがあって、大笑いしてしまったりして。。そんな自分をアメリカ化された?と不安に思ったものです(^^;
1998年のちょっと古い映画ですが、映画の舞台はもっと古くて1985年。主人公は結婚式で歌を歌うシンガー(ウェディングシンガー)なのです。だから、80年代の音楽が流れまくり、登場人物の服装も80年代風で、とても懐かしい雰囲気。
お話は定番のハッピーエンドラブストーリーだけど、愛に失望して、再び愛を取り戻す姿に共感できました。ヒロインがウェディングドレスを着ながら、鏡に向かって結婚後の自分の姿を想像するシーンがすごく印象的でした。分かるなぁ。。って感じ。主人公ロビーとジュリアは見かけはそれほど良くないけど、でもハートは温かくて、そんな二人が引かれ合っていくのはすごく自然でほのぼのしていました。見た後、幸せな気持ちになれる映画。

「ラブアクチュアリー」
日本で話題になってたようなので見てみました。「ノッティングヒルの恋人」と同じスタッフが作ったらしい。
映像はとてもクリアできれい。イギリス人のセンスの良さに溢れた映画。ハリウッドとはどこか違うよね。お笑いのセンスもすごくシニカル。ヒュー・グラント演じる英国首相がアメリカ大統領に向かって、言いたいことをガンガン言って、国民が拍手を送るシーンとか、イギリスらしい。
大勢の人たちのラブストーリーが交錯する映画。私は、友達の婚約者に片思いして、最後にプラカードで想いを伝える彼のエピソードが好きだったな。
登場人物の多くは好きな人がいても、いろんな事情があって想いを伝えることができない。ある意味片思い。でも、クリスマスの魔法でみんなが一歩前に進むことができる。
ハリウッド映画では、片思いする恋愛映画なんて、あまり見たことがなかったので、イギリス人は違うんだなぁと妙に感動してしまいました。アメリカは、「夢に向かって努力!」の国だから、気持ちを胸に秘めたりせず、結果は気にせずどんどん告白しちゃうのかもね。
そういう点では、アメリカ人よりもイギリス人の方が私たち日本人と感覚が似ているかもしれない。
この映画で言いたいことは、「愛は身の回りにあふれている」。そうだね。恋愛じゃなくても家族愛、兄弟愛、友情。それを忘れなければ、みんな幸せになれるのにね。
クリスマス時期に恋人と見たら、きっと気分が盛り上がりそうな映画。もちろん、恋人がいない人も見た後、幸せな気分になれると思う。

ドラマの感想

2006-03-24 00:07:16 | Review
「小早川伸木の恋」が最終回でした。
途中までは伸木と妙子が子供のためによりを戻すのかと思いきや、円満離婚。なのに、カナとは結ばれず。。。「1年後」なんて期待させておいて。やっぱり不倫相手とうまくいかせる展開は公共の電波では流せないと言うことでしょうか。

初回を見たときは、カナ役の紺野まひるさんのこと、どこが良いのか分からなかったんだけど、途中から、彼女の清楚で凛とした雰囲気がこの役にぴったりだなーと思いました。
カナは男性にとって理想の女性だよね。
いつも真っ直ぐで、男性の弱さを包み込む母性を持っている。ワガママを言わず、自分の身をわきまえてて。
「あれはひとときの夢だったんです」って伸木に別れを告げるシーンは泣けました。自ら自分の幸せを手放して、相手の幸せを一番に願う。理想的すぎといえばそうだけど、私もそうなりたいと思った。

「自分の選択が正しかったのかは一生かかっても分からない。だから、自分で正しかったと信じるしかない」
これがこのドラマのメッセージだったんだよね。
私も最近、いろいろ考えてたので本当にそうだなぁ。。と思う。
柴門ふみ原作ドラマは、自分にも考えさせられる場面があったりして、やっぱりいいなーと思いました。

最近見ているドラマ

2006-02-17 15:25:30 | Review
1月からのクールは「白夜行」「小早川伸木の恋」「巧妙が辻」を見ています。
「白夜行」がイチオシだけど、原作と違いすぎるストーリーはちょっと・・・な時も。原作では亮司と雪穂はずっと接点を持たないまま。それなのに、どこかで繋がっている。。。それが原作の持つ切ない言いようのない悲しさに繋がっている。
でも、ドラマでは二人はしょっちゅう会っているの。まぁ、主役二人のシーンがないとドラマ的に盛り上がらないというのは分かるけど。。二人のからみがありすぎて、雪穂のミステリアスな怖さが出ていないなーとは思う。
でも、やっぱり二人の関係は切ない。音楽とか演出がすごく良いので、ドラマの雰囲気に引き込まれてしまいます。これからどうなるかもすごく気になるし。

あとは意外に良いのが「小早川伸木の恋」。でも視聴率低いんだよね。
私も初回を見たときは、盛り上がりのない展開に今後見るかどうか迷ったのだけど、最近は物語がどんどん動いていって面白い。
30代既婚者の気持ちが結構リアルで、同じ立場の私には共感できることも多い。
先週は、伸木とカナの気持ちが通じ合ったのに、カナは家庭を捨てることが出来ない伸木のために、自分から身を引くシーンでした。
二人は愛し合ってるのに、でも報われることがない恋。そういうのってすごく辛い。これがお互いの気持ちをぶつけ合って、ダメになって別れるならすっきりするけれど、「好きなのに結ばれない」この設定に弱い私。
伸木にとって、妻の妙子よりカナが運命の人かも知れないのに。。でも、現実には妻とかわいい子供がいて、捨てることはできない。
現実にもこういうことってたくさんあるんだろうなぁと思う。結婚後にMr.Rightに会っても、家庭を捨てることは出来ず諦める人も多いのだろう。「恋」のためにすべてを捨てられるほど、人生は甘くはない。
ただドラマの中での妙子はあまりにも自分勝手ではちゃめちゃな性格なので、「伸木も我慢するくらいなら離婚しちゃえばいいのに!」なんて思っちゃうけどね。
カナ役の紺野まひるさん、宝塚出身の女優さんだったのですね。最初はあんまりいいと思えなかったけど、見ていくうちに印象が変わりました。清楚で、でも包容力があって、こういう女性が男性にもてるんだろうなぁーと思わざるを得ない。
男性の悩みや辛さを、優しく受け止めてそっとアドバイスする。結局、男っていくつになっても「母親」的役割を女性に求めるのかなーとか思ったりして。

瀬戸内 寂聴

2005-11-25 00:31:47 | Review
3夜連続のスペシャルドラマ「女の一代記」第一夜「瀬戸内寂聴」を見ました。
実は私、短大時代に図書館司書資格取得の授業を取っていて、その時の卒業制作に選んだのが瀬戸内寂聴(晴美)でした。
といっても、図書館学なので、彼女の全作品の図書索引カードを作成することが課題。別に作品の内容を知らなくてもタイトルと制作年等をまとめれば良かったので、課題にちょうど良い作品数だった彼女を選んだまで。彼女の著作は一切読んだことがなく、興味もありませんでした。
そのときの私の彼女へのイメージは、「出家してるのに情愛とか艶めかしい著作ばかりのみだらな人」というもの。作品を読んだこともないので、実際の彼女の人生なんて知りもしなかったのです。
実際の彼女の人生は、それはそれは壮絶なものでした。

彼女は20代で結婚し一女をもうけますが、夫の教え子だった年下の男性と恋に落ち、夫も子供も捨てて彼の元へ走ります。
でも、まだ若かった彼は夫を捨てて自分の元へ来た事実の重さに恐れを感じ、結局二人は別れることになります。
その後、晴美は上京し小説家を目指しある作家の門下生になりますが、そこで出会った妻子ある新進気鋭の小説家と不倫関係になります。
二人の関係は7年も続きますが、昔別れたはずの年下の男性が再び晴美の前に現れ、不倫に疲れを感じた晴美は小説家と別れ、年下の男性と暮らし始めます。
が、その年下の男性も他の若い女性と恋に落ち、晴美を邪険に扱うようになり、二人は別れてしまいます。
そして、何もかもに疲れた晴美は、出家を決意します。

と書くと、なんだか、ただ自由奔放に生きた女性のようだけど。
昭和初期、女性は自分の結婚相手も自分で決められず、ひたすら「良き妻良き母」であることを強要され、夫がどんなに悪い男性だとしても別れるなど世間が許さなかった時代。そんな時代に、自分の心に正直に生きた彼女を、むしろすがすがしく感じました。
周りにたくさん迷惑を掛けたかも知れないけれど、いつも自分の気持ちにまっすぐな彼女。自分の気持ちが夫にないのを感じたら、決して黙ってはいられず、嘘を付けず夫に告白してしまう。そのまま黙っていい妻を演じていた方がずっと楽に生きられるのに。
好きになったら、相手に気持ちがまっすぐ向かっていまい、自分を騙すことができないのです。(って、決して「不倫」を肯定するわけではないんですがね)
人生って時々、小説やドラマよりずっと辛くて悲しいのです。

今は寂庵での温かい講話で大勢の人を勇気づけている瀬戸内さん。
「どんなに傷ついても人を愛しなさい。人を愛するのは辛いことだけれど、愛のない人生に意味はない」と言っていました。
激しい人生を生き抜いて、それでもそんなふうに語る彼女。周りの批判や愛した人との愛憎、すべての「業」を背負って柔らかく微笑む姿は、まさに精一杯自分の人生を生きた人だな、、、と思いました。

私にはそんな人生を送ることはできないだろうけど、私もできるだけ自分に正直にありたいと思います。

サヨナライツカ

2005-08-24 14:20:24 | Review
飛行機の中で、「サヨナライツカ」辻仁成 を読み終わりました。
ありがちと言えばありがちなストーリーだけど、思いっきりはまりこんで泣いてしまいました。
誰でもこんなふうに「忘れられない人」がいるんじゃないかな。そして、ひとはそのことを忘れたふりをして生きていくの。
なーんて、自分までドラマティックになったりして。

その中にあった詩が、私の思っていることと似ていて、すごく印象に残ったので引用。


サヨナライツカ


いつも人はサヨナラを用意して生きなければならない
孤独はもっとも裏切ることのない友人の一人だと思うほうがよい
愛に怯える前に、傘を買っておく必要がある
どんなに愛されても幸福を信じてはならない
どんなに愛しても決して愛しすぎてはならない
愛なんか季節のようなもの
ただ巡って人生を彩りあきさせないだけのもの
愛なんて口にした瞬間、消えてしまう氷のカケラ


サヨナライツカ


永遠の幸福なんてないように
永遠の不幸もない
いつかサヨナラがやってきて、いつかコンニチワがやってくる
人間は死ぬとき、愛されたことを思い出すヒトと
愛したことを思い出すヒトにわかれる

私はきっと愛したことを思い出す

   幻冬舎文庫「サヨナライツカ」 辻仁成 より


「人間は死ぬとき、愛されたことを思い出すヒトと愛したことを思い出すヒトにわかれる」
うーん。深い言葉です。
私はこの詩のように「愛したことを思い出す」派。昔から恋はされるよりする方だったからね。
さて、これを読んでいるあなたは?

日本の本

2005-08-21 23:41:06 | Review
いよいよ明日のフライトで、アメリカに戻ります。
日本にいる間は、いろんな友達に会ったり、お盆の行事などでほぼ毎日予定が入っていて、忙しかったけど充実してました。
家にいるときは思いっきり日本のテレビを見て、日本の本を読んで。滞在中数冊の本を読みました。
「その人、独身?」 酒井順子 著
話題になった「負け犬の遠吠え」の続編的エッセイ。酒井さんの文章はどんなに毒づいてもどこかとぼけた味があって嫌味がなくて、好きなんだけど、この本はいまいちだったかな。「負け犬」にこだわりすぎて、かえってそれがくどかった。他の題材のエッセイが読みたいなぁ。
「おめでとう」 川上弘美 著
アメリカにいるとき、大学で借りた「センセイの鞄」がすごく良かったので、買ってみました。色々な「別れ」のシーンを描いた短編が収められてるんだけど、どれも男女関係にあるドロドロした情念とかが感じられなくて、淡々としていて、ただただ切ない。久々に発掘した好きな作家になりそうです。
「時夫」 東野圭吾 著
彼の新刊は必ずチェック(文庫化されてからなんだけどね)していて、どれもはずれがないくらい面白いんだけど、これはイマイチだったかも。少し前にNHKでもドラマ化されたらしい。難病で意識不明に陥り、やがては亡くなる運命の息子を見守る両親。しかし、父親は息子である彼に、過去に会っていた。。。という話。ファンタジーっぽいミステリーだけど、どこかで読んだ話って感じがするんだよね。

今は「サヨナライツカ」 辻仁成 著を読んでいます。彼の小説はサブいぼが立っちゃうような気障でクサイ表現が満載で、しかもナルシスティックだという話を聞いてたので、なんとなく敬遠してたけど、意外や意外、私、結構好きかもー。確かに気障な表現が多いけど、それが独特の世界を作り出してて、その世界に浸りこんで酔いしれるにはいい感じ。

やっぱり日本語の本はいいね。日本語で読めるっていうのもあるけど、日本人の持つ感覚で書かれた小説がすき。
日本人独特の感覚、たとえば「切ない」。私は「切ない」と思えるような小説、マンガ、ドラマがすき。これは日本で生まれて育った人でないと分かりにくいんじゃないかと思う。
アメリカにいるとき、時々雨が降ると、「雨は切なくて好きなんだ」ってIくんに話しても、「「切ない」ってどういう感覚?寂しい感じ?悲しい感じ?」って聞かれた。言葉で説明するのって難しい。寂しくて、少し悲しくて、懐かしくて、でもいとおしい感じ。彼にうまく伝えられなかった。英語では、切ない=寂しいと訳されてしまうんだよね。
日本人の複雑で繊細な心の機微を描いたものが好き。そんな自分は骨の髄まで日本人なんだよね。

"四次元 Four Dimensions" by Mr.Children

2005-07-21 14:08:48 | Review
ミスチルの最新マキシシングルをようやく聴くことができました。
やっぱりミスチルはいい
久々にヘッドフォンで歌詞までじっくり確かめながら音楽を聴きました。ミスチルの音楽はバックミュージックには決してならない。何故なら歌詞の世界を堪能するため集中するので、聴きながら他のことができないから。
好きな曲は「ヨーイドン」「未来」「ランニングハイ」の順。特に「ヨーイドン」は、ほのぼのとしていてどこか切なくて、昔のミスチルっぽさが出ているポップな曲。
「未来」は歌詞が好き。

生まれたての僕らの前には ただ果てしない未来があって
それを信じてれば 何も恐れずにいられた
そして今 僕の目の前に横たわる 先の知れた未来を
信じたくなくて少しだけあがいてみる
いつかこの僕の目の前に横たわる 先の知れた未来を
変えてみせると この胸に刻みつけるよ
自分を信じたなら ほら未来が動き出す


この部分はまさに30代の私たちのために書いたような歌詞。
そうだね。もっと若い頃は未来は無限で何でも出来ると思ってた。将来を夢に描く余地が多分に残されていた。
でも、社会人になって十年も経った今、生活は確立されてるけど変化は少なく、ある程度これからのことは予測がついてしまう。日々の生活のために細々と生きる日々。そう先の知れた未来。それにうんざりして、時々生きていくのが面倒になるけど、でも。
そう。自分で「変えてやる」って思えば、きっと変わっていくんだよね。すべては自分次第。

相変わらずミスチルの曲は、私に勇気をくれるなぁ。桜井さんの歌詞はいつも胸に響いてくる。
今日は英会話のクラスで、言いたいことが全然言えない自分に嫌気が差して落ち込んでたけど、ミスチルを聴いて元気が出てきた。
自分の頑張り次第で未来は変わるのさ。そう信じて。