ぜんぶきみの性
性転換ラブコメ。
漫画、浅月のりと
性転換ラブコメ。
キュンとすると性転換してしまう
謎の病気『性転換症候群』。
先天性と後天性がある。
主人公の鷺宮了は高校見学先で見かけた
水上凪沙先輩に一目惚れして受験先を決める。
神社で恋愛成就のお願いをしたら
後天性の性転換症候になり、
先天性の性転換症候群だった
凪沙先輩と2人部屋になる。
先天性の凪沙先輩は、
自分の性別はどちらにも芯がないと感じてて
恋愛がわからない博愛の人。
初めてのルームメイトに喜ぶ凪沙先輩の
無頓着で無防備さに了くんの方がオロオロと
振り回されている。
そんな凪沙先輩が学校で内緒でバイトしてる
コスプレ喫茶をみつけ、
一緒にバイトすることになる。
いつも笑顔の凪沙先輩だけど、
この病気のせいで
男性からも女性からも一歩引かれてることや
どちらも自分なのにと悩んでることに
気がついた了くんは
どちらも好きだという。
（了くんは本当に男の先輩にも
キュンとするし、同性の時でもキュンとする
生粋の凪沙好き。）
そして、恋愛感情を知りたいと思う凪沙先輩は
了くんに『恋人（仮）』として過ごすこのを
提案し、“恋人としてみたいこと”が載ってる
雑誌をバイブルにしてアレコレ試していき
いつの間にか本当に好きになる。
両思いになった2人。
実はこの病気は
上位の神様が恋愛成就の為に考えた
病気だったということらしく、
恋愛成就する（体の関係を持つ）と
性別が固定されることが判明。
2人はどちらの性別で固定するか考えることに。
了くんは男性に戻りたいと言ってたんだから
ぼくが女性になるでいいよという凪沙先輩だが
“それでいい” じゃ駄目だし、
男の凪沙先輩のことも好きなんだと了くん。
結局、神様にお願いして
2人とも“このまま”を選択し、
お互いにキュンキュンするたびに性転換して
幸せそうです。
ということで
めでたしめでたし。
かなり端折りました。
軽いようで深いお話なんですよ。
軽やかに描いてて可愛いお話。
凪沙先輩がカッコよくて可愛くて
どちらかに固定されなくて本当に良かった。
あとコスプレ喫茶に集まってる店員たちは、
みんな性別について色々ある人ばかり。
心は男性の女性、
見た目が女の子のような男性、
女の子しか好きになれない女の子などなど。
というか、そっちの方が話は重かったです。
女の子として好きになって
心は男性なんだと気づいて
彼女（彼）は自分を好きになってくれるけど
自分は彼女が好きなんであって彼ではないから
傷つけることになるだろうと受け入れない。
という脇役サイドのストーリー。
複雑です。
それを、好き同士ならいいじゃないかとは
ならないしなれないんだよということを
丁寧に描いてあります。
もちろん、それだけが正解ではないという
ことも含んで描いてあって
性と恋愛が十人十色であることを
丁寧に重くならないように
ラブコメとして描いてあって
楽しく面白く読めました。
性転換症候群という突拍子もない設定で
ドタバタなだけのラブコメかと思いきや
性別というものを考える深い部分もある
お話で考えさせられました。
それはそれとして
この2人なら “このまま” でいて欲しいなと
思いながら読んでたので
嬉しい気持ちでスッキリ読み終えました。
ありがとうございました。
