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ライジングサン 全15巻 漫画 ネタバレ感想

2024年03月12日 22時43分00秒 | 漫画と本とアニメとドラマとCD
ライジングサン 全15巻
漫画、藤原さとし
自衛官候補生の3ヶ月間のお話。

面白くて一気に読みました。
知らないことばかりで、
こうやって自衛官になっていくんだなぁと
とても勉強にもなりました。


主人公の甲斐一気(イッキ)は
生きてても面白いことがなく
屋上からプールに飛び込むなどして
刹那的に生きていた。

高校卒業後の就職先も決まっていたが
いつも行く山で自主訓練をしていた
自衛官でレンジャーの伊達と出会い
面白そうと思って勢いで入隊する。

イッキの父親は登山を愛してる人で
イッキもよく一緒に行ってたようだが、
山で亡くなった時の父親の記憶が
すっぽりと抜けてしまっている。

どうやらそれが、
刹那的な行動に出る原因みたいですが、
本人は気づいてない。


何も知らずに入ったイッキは、
入隊しても『自衛官候補生』として3ヶ月
頑張らないと自衛官になれないと知る。

自衛官候補生の “理不尽” な訓練が始まる。

遅刻すれば腕立て、何かあれば連帯責任、
班長が言ったことは絶対の “理不尽” なしごきの
洗礼を受けるイッキ。

しかしイッキは楽しそうで嬉しそう。


バディを組むことになった来嶋は
全国レベルのボクシング選手で、
自衛隊体育学校へ進みオリンピックを目指す
ために入隊してて、自衛官になりたい
わけではないのと、本当はボクシングの練習を
したいジレンマで仲間と馴れ合う気はないと
周りを突き放してくるので気が合わない。


同じ3班メンバーの荒っぽく気分屋な犬井は
バディである無口で太っていて表情が乏しい
吉永とバディなのだが、吉永は何をするのも
遅くてバディの犬井は連帯責任で腕立てを
させられまくるが、吉永から何も言われない
ことにイラついている。
(僕のせいでゴメンの一言が欲しい犬井)

訓練は簡単そうなことも大仰に言われてる
気がしてイラついてる犬井は聞き逃しがち。

犬井は鉄線鋏カバーを固定してなくて失くす。

連帯責任として全員で探すことになる。
弁償すればいいんだろと言っても
税金で買ったもので買い直せるものではないと
言われる。
見つかる気配もなく、
周りからの視線に耐えきれなくなった犬井は
ヤケを起こし辞めればいいんだろと言い出すが
周囲から辞めたいんじゃないんだろと言われ
無事に見つけることができる。


少し慣れてきた頃、様々な自衛官の仕事に
ついて教わる。
事務もあれば音楽隊や体育学校なんかもあるし
資格がいるパラシュート部隊もある。

自衛官とは災害救助だけをするために
あるのではなく、
国を守るためにあるのだということを知り、
自分がどこに配属されたいか
考えて希望を出すように言われ
GWの休みに入る。


慣れてきた時のGWは、
戻ってこない候補生が出るかもしれない
試練でもあり、班長たちは落ち着かない。

3班の新海班長は1人危ないのがいると
思っているようです。

そして、
あと数時間になっても戻ってこないのは
意外なことに神崎だった。

彼女は父親がレンジャーで自衛隊の知識も深く
誰よりも熱心に自衛官を目指してた
真面目な優等生。

イッキたちは探しに行く。
(もちろん来嶋は行かない)

なんとか神崎を見つけて訳を聞くと
父親が事務に異動してて
親子でレンジャーの夢が途絶えたからだと。

神崎は娘に興味なさそうな父親に
認められたくて必死で、
女性初のレンジャーになりたかった。
 
父親がいないイッキは、
だからって何故辞めたいになるのかわからない
とバッサリ。

揺れる神崎にバディである優香の引き留めが
決め手となり、3班は無事に全員揃う。


その後も様々な過酷な訓練が続く。

訓練も終盤に入ってくる。

戦闘訓練中に、
イッキは一瞬父親が亡くなった時の光景が
フラッシュバック。

それが何かとか考えたくないからか、
イッキは高校の頃の刹那的な頃に戻ってしまい
なんだかイライラする。

その様子に違和感を感じた3班メンバー。

休みの日にイッキが実家に帰ることを知り
押しかける。(もちろん来嶋は行かない)

完全に過去を思い出したわけでもなく
完全に吹っ切れた訳でもないながらも
何とか前を向いて頑張る気力は戻る。


そして、最後の訓練
25km行軍からの陣地奪還。

まずは行軍。
雷雨のための進路変更など更に過酷となり
優香が低体温症一歩手前の症状がで始める。

新海班長は気にしてる素振りは見せず
3班がどうするかを見ている。

遅れる優香。このペースでは
時間内に辿り着けないと焦るメンバー。
もう無理だという優香に頑張れと言い
優香の荷物を分担して負担を減らすが
優香のペースは上がらない。

更に焦り優香に頑張れと責める口調になるのを
吉永が止める。

頑張ってるの頑張れなくて辛いのは優香だと。
自分も出来なかったからわかると。

ハッとしたメンバーは優香に寄り添い
優香は気力を取り戻す。


これで一気に目的地まで行けるかと思ったら
先頭のイッキが足を踏み外し崖の途中の
木に引っ掛かり気絶。

新海班長は、
自分だけでは救助できないと判断し
他の班長を呼びに行く。

何もするなと言われてるメンバーだが
何かしないといけないのではと思う。

来嶋に何かする方が危ないと言われるが、
目覚めたイッキが動いた瞬間に
木が少し崩れる音がして、
咄嗟に来嶋がロープを持って降りていく。


イッキは父親が死んだ時のことを思い出す。
悪天候で下山出来ず小屋で待機してたが
少し小ぶりなかった時に他の人たちが
イッキの父親の静止を聞かず無理な下山をし
案の定再び天候が悪くなり
助けに行かなきゃ降りた人たちを見殺すって
ことかと父を責め、父は助けに行って
帰らぬ人となり、イッキは心の底でずっと
自分が父親を殺したの思っていた。
(だから死んでもいいと刹那的な事をしてた)


そんなことは知らない関係ないという来嶋、
落ちないようボクサーの大事な腕に
ロープをキツく巻いて助けようとしてくれてる
ことに心を打たれるイッキ。

危機一髪のとこで、班長たちが到着し助かる。


行軍が終われば、そのまま陣地奪還。
疲労と緊張で今までの訓練で言われたことが
思い出せず、焦る候補生たち。

しかし班長たちの声掛けに
自分が行かなければと思うイッキ。

そんなイッキは、
父親が小屋を出ていく時の笑顔を思い出す。

チカラを得たイッキに続く候補生たち。

無事に奪還を果たして
“一人じゃ見れなかった景色”を
みんなで見る。


最後の点呼の前、
班長と3班メンバーはノンアルで乾杯。
『いい仲間だ』と言ってもらえる。

そして、最後の点呼では このメンバーで
最後の連帯責任として全員で腕立てをする。


修了式。
『誰にも気づかれない場所にある強さ
それこそが我々が持つべき強さ』という
区隊長の言葉を噛み締め皆で帽子を投げる。

余韻に浸る暇もなく、
みんなはそれぞれの希望部隊へと
分かれていく。

数年後、イッキが街を歩いてると
ケータイに着信が。

火山噴火の速報を確認する。

ラインジングサンRへ 状況開始!!

という終わり方でした。

候補生編が終わって、
次はレンジャー編ってことですね!

まだ連載中のようです。
早速読もうと思います。



ちなみに、名前を出せなかった
妻子持ちで元サラリーマンの浜岡さんや
関西出身で兄弟がたくさんいる石田くんも
とっても人間臭く魅力的なキャラでした。

イッキ以外は、ここに来るしかなかったという
崖っぷちな環境や逆境を持っていました。


事務希望でも同じ3ヶ月をクリアしなければ
いけないなんて驚きました。

浜岡さん、希望部隊に行けたようで良かった。

レンジャー編になったら、
もうこのメンバーには会えないのかなと思うと
寂しいですが、
それぞれの場所で頑張ってることでしょう。

新海班長はレンジャーだから出てくるかな。

立花区隊長好きだったので、
出てきて欲しいな。

なんてワクワクしてます。




作者さんは元自衛官だそうです。
でも、ご自身が居た時と違うだろうからと
取材もされたそうです。

私は小学生になるまで目の前が自衛隊の駐屯地
だったので、
自衛官さんやら自衛隊のイベントなんかを
身近に感じて育ちましたが、
自衛官のなり方なんて全く知らなかったので
ちょっと申し訳なくなりつつ
目から鱗を零しながら読みました。

自衛官だから公務員だからと理不尽なことが
たくさんあるんだろうなと頭が下がります。

新海班長が言ってた
『俺たちは日頃 警察官や消防、医療従事者
と比べて人の死に触れることがない。
たが有事が起きれば未曾有の生死の現場に
派遣されるのが自衛隊だ。だから自候生の
うちから生死を意識しておく事は
悪いことじゃかい』
という言葉が刺さりました。

ラインジングサンRも、
きっと目から鱗ポロポロだろうな。
読むの楽しみです。

色々教えて頂き、ありがとうございます。
           



最終巻表紙。
 
全員じゃないけど可愛いからいっか。
まさかの来嶋くんの微笑みが見れた。






      


          

          
           
          




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